渡辺範彦さんのライブコンサートの映像を収めたアルバムが発売されたので、さっそく購入しました。
CDとDVDが1枚ずつパッケージされています。
CDは1976年8月12日、東京国分寺福祉センターでのライブ録音、DVDは1987年12月20日、東京国立楽器・音楽の森ホールでのライブ収録です。
渡辺範彦さんは、日本人として1969年に初めてパリ国際ギターコンクールで優勝したギタリストです。
NHKのテレビ番組「ギターを弾こう」の講師もやっていたことがあり、私と同世代のギター愛好家には、特別な想いがあるギタリストではないでしょうか。
講師をしていた様子からは決して器用そうには見えず、それはレパートリーの少なさからもわかります。
ヴァイス、ビラ・ロボス、バッハとヘンデルのいくつか、アルベニスとグラナドスのいくつか、ラウロのワルツ・クリオロ、タンスマンのカヴァティーナ組曲・・・。
このくらいでしょうか。
自分に合った曲だけを弾きこんでいくタイプで、完璧主義だったのかもしれません。
今でも、渡辺範彦さんの弾く「ワルツ・クリオロ」、ヘンデルの「サラバンド」、タンスマンの組曲「カヴァテーナ」は、自分の中の最高の演奏です。
少ないレパートりでも、ギターが鳴り始めると、太い低音に支えられて、実に豊かに音楽が流れ始めます。
決して奇をてらった演奏ではありません。
特別なことをしているようには聞こえないのですが、奏でられる音楽は純粋で特別さを感じます。
渡辺範彦さんがもっと長生きして、門下生を育ててくれていたら、今のギター界の傾向ももう少し変わっていたのではと思うと残念でなりません。
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