もう何年も前のことで正確な時期は忘れましたが、1990年代のある日、アンプを新調したくて秋葉原に行きました。
予算はちょっと奮発して、30~50万円。
できればマッキントッシュがいいな、と思っていくつかの店を廻りました。
この予算でマッキントッシュを買おうとすると中古になりますが、中古はそうそうありません。
マッキントッシュが置いてある店は、当然組み合わせるスピーカーシステムもそれなりのものです。
システム一式で100万円、200万円を優に超えるものばかりでしたが、出される音に、こんなものなのかな、とがっかりしていました。
オーディオショップ「テレオン」の最上階にある高級オーディオをいくつか視聴してから階段を降りていくと、チェロの生演奏の音が響いてきました。
ライブだろうと思ってそのフロアに降りてびっくり。
そこで鳴っていたのは、古山オーディオラボというメーカーの小型のスピーカーシステムでした。
そのシステムには、影山式スピーカのFLAT_Bと呼ばれる特殊なユニットが付いています。
ハガキを縦長にしたくらいの平面型の振動板が付いていて、磁気回路には、板状の強力なフェライトマグネットが2列並べられている構造です。
そのとき使われていたアンプはサンスイの10万円程度のAU-α607で、プレーヤはたしか20万円台だったと思います。
アンドレ・プレビン指揮の「青少年のための管弦楽入門(ブリテン作曲)」を聴いたときには驚きました。
横方向だけではなく、高さ方向に楽器が並んでいるのがわかりました。
とにかく、その音が欲しかったので、予定を変更して、プレーヤーを除く装置一式(スピーカーシステム、アンプ、スタンド、ケーブル)をそこにあったものと同じ構成で購入することに決めました。
古山オーディオラボの社長の古山さんが、直接自宅に来て、いい音が出るようにセッティングしてくれました。
自宅はマンションなので、そんなに大きな音は出せません。
このスピーカーのいいところは、音量を下げても音楽がスケールダウンしないことでした。
しばらくそのシステムで音楽を楽しんでいましたが、最近では出番が少なくなりました。
FLAT_Bは素晴らしい音ですが、どちらかというと、オーディオという世界を意識させました。
再生場所が自宅から浦賀に変わり、部屋が広くなったことと関係したのか、うまく鳴らせずにいました。
具体的には、音にやや硬さを感じるようになってしまいました。
さらに、歳をとるにつれ、もっとふわっとした音場で心地よい音楽が聴きたくなりました。
そんな時に出会ったのが、マーチンローガンでした。
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