小倉俊氏は、日本のギター界における草分け的存在の方でした。


長くギターをやっている方であれば、ギターの教則本に、小倉俊氏の名前を見かけたことがあると思います。


小倉俊氏は、1901年2月2日(明治34年)に都内の信濃町で生まれました。


ギターを始めたのは15歳の時ですから、クラシックギターを本格的にやっている人がきわめて少なかった頃です。


おそらく、日本のギター界が大きく動いたのは、1929年にアンドレス・セゴビアが来日して5回のリサイタルを開いてからだろうと思います。


セゴビアは、正にギター界にとって黒船でした。


小倉俊氏は、この時、運良くセゴビアに会うことができ、セゴビアの前で演奏する機会も得たそうです。


このとき、セゴビアの持っていたギター、マヌエル・ラミレスを採寸させてもらい、宮本金八氏に製作を依頼しました。


そのギターを見てみたいものです。


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小倉俊記念レコードPLO-113-CP. 日本コロムビア


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収録曲

第1面

1.メヌエット(パガニーニ)
2.練習曲6番 (アグアド)
3.ヴァルス・アンダンティーノ (カーノ)
4.エンデーチャとオレムス (ターレガ)
5.ベニスの舟歌 メンデルスゾーン (ターレガ)
6.雨だれ (リンゼイ)
7.シェラ・モレナ (ガルシア)


第2面

1.練習曲 (カルッリ)

2.こま (武井守成)
3.お手玉 (武井守成)
4.晩春の丘 (武井守成)
5.南風 (武井守成)
4.暁の窓 (武井守成)
6.雨の窓 (武井守成)
7.ハバネラ マス (武井守成)
8.ローレライ ジルヒャー(小倉編)
9.帰れソレントへ クルティス (小倉編)

10.嘆きのセレナード トセリ (小倉編)


このレコードは、1977年に亡くなったあと、小倉氏に縁のある方達で出されたもので、昭和6年から昭和16年の間にSPレコードとして残された録音が収録されています。


どれも練習曲的なものですが、パガニーニの演奏は、流れるような演奏でなかなかのものです。


手元を探したら、そのSPレコードが、1枚だけ出て来ました。


まじめな社長のふまじめなブログ-201009019_blg9
SPレコードのレーベル。文字が右から書かれています。


記念レコードのジャケット裏に書かれた氏の言葉は、印象的なので、そのまま引用します。


「よい楽器と云うものは、大変高価なものです。


作るのが難しいし、使用材料も選ぶからなのです。


けれど、ギターは安くてもよい音の楽器です。


5000円の楽器でも人をいいなあと魅きつけるものが必ずあります。


よい楽器なら、益々よいからたまりません。


音楽を演奏しなくても、ボロンボロンと手なぐさみにギターに触れれば、ギターは我々を美しい音の世界へ案内してくれます。


上手なギターの演奏をきいても、我々は音楽自身よりギターの音自身の魅力につかれているのです。


だから、みなさんも、ギターが好きなのです。


1968年 夏」


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