ギターは音色の美しい楽器ですが、演奏は困難な部類に入る楽器です。
左手の技術はもちろんですが、音楽をつくる右手の微妙なタッチへの心配りが難しいのです。
二重奏になると技術的な面が楽になり、音楽に余裕が生まれます。
ただし、二人の呼吸を合わせるのが難しく、テンポルバートなどはかけにくくなるため、ひとりで演奏するよりも、どこかかしこまった音楽になりがちです。
ジョンとブリームの二重奏は、マエストロ二人が音楽を楽しみながらお互いの個性を発揮している例外的な名演です。
呼吸という難問があるせいか、優れた二重奏の演奏は、夫婦や兄弟が多いように思います。
師弟関係、というのもありますね。トゥリビオ・サントス&オスカル・カセレスが、師弟関係のデュエットです。
夫婦タイプの代表格は、間違いなくプレスティ&ラゴヤです。
兄弟タイプは、おそらくアサド兄弟がピカ一でしょう。
群馬県の大泉で、古澤巌さんがアサド兄弟と共演したコンサートを聴いたことがあります。
超絶技巧の二人が完全に同期した音楽を演奏していることは、まさに神業のようでした。
たぶん弟のほうが、若干テクニックが上だと思うのですが、このコンサートで弟が「兄は、難しい編曲をするので、いつも苦労させられる」と語っていたのが印象的でした。
あのレベルで、まだ技術的に苦労しているということが信じられませんでした。
このアルバムは、1984年に発売されたものです。
兄弟デュエットの良さが満喫できる素晴らしいアルバムです。
SERGIO & ODAIR ASSAD GHA5256001
収録曲
FACE A
1.Corta jaca(GINATALLI)
2.Valsa(GINATALLI)
3.Brasiliana No.8(ginatalli)
FACE B
1.Lo que vendra(PIAZZOLLA)
2.Escolaso(PIAZZOLLA)
3.Tonadilla(RODORIGO)
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