子供の頃、秘密基地をつくりませんでしたか?
はい、と答えた方は、ある程度の年齢以上ではないかと思います。
子供は秘密基地を作りたがるものだ、という暗黙の了解のもとに、大目に見てくれた時代がありました。
みつかると一応はしかられるものの、二度とやるなとはいわれず、廃材置き場、背の高い草の茂った広場、押し入れ、大きな土管、稲刈りの終わった田んぼに積まれた藁の山の中など、体が入るくらいのスペースを見つけては、秘密基地作りを繰り返していました。
完成すると、ジュースや駄菓子を持って小屋に潜伏します。なんだか、大人になったような気分でした。
今は親も社会もうるさく言い、子供が秘密基地を作って遊べる場所が極端に少なくなってしまいました。
何かあると自分以外に責任の持っていきどころを考える今の世の中の風潮が一番の原因でしょう。
2人の娘が小学4年と2年のときでした。夏休みの自由研究のネタを探していた2人に、「秘密基地をつくろうか」と声をかけました。
子供が産まれる前から浅間の小屋つくりを始めていたため、2人とも生まれてからずっと、私が小屋をつくる様子を見て育ち、木の切れ端で何かつくるというまねごとはやっていました。
家にいるときも、しょっちゅう椅子とマットレスや段ボールを組み合わせて秘密基地らしいものをつくって遊んでいましたが、今度は本格的な小屋作りです。
場所は、小屋を建てている浅間の土地です。そこに「子供の秘密基地」をつくることにしました。
材料は小屋の床下につっこんであったものを使うことにしました。
できるだけ2人の力でつくってほしかったので、デザインはシンプルな三角屋根にしました。
実際、材料のけがき(切断する部分に線を引くこと)と高いところの釘打ち2カ所以外は、すべて子供たちにやらせました。
力が弱いので、早くは進まないし、まっすぐに切断したり、釘も曲げずに打つことはなかなかできませんが、それでもだんだん上達するものです。
小屋つくりは、木の切断と釘さえ打てればあとは何とかなるのです。これはもっと大きな「家」でも同じです。
1日目は暗くて手元が見えなくなるまで作業を続け、骨組みを作り終えました。2日目は屋根をつくり、ペンキ塗って秘密基地が完成しました。
ペンキが乾くと、2人ともジュースとお菓子を持って、小屋の中に入り、何やら楽しそうに遊んでいました。
自分の子供の頃と同じことをして喜んでいる2人を見て、なんだかほっとしたことを覚えています。
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