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今回は藤本が担当したします。
最近、我がフェイバリットムービーである「ベストキッド」(ジャッキーチェンのではなくオリジナルの方です)の続編が30数年の時を経てドラマとして蘇りました。その名も「コブラ会」。敵役である空手道場コブラ会のエースだった男の子が、このドラマでは主人公として登場です。このドラマの特徴として、主人公と敵役役者さんはそのままです。当時ティーンエイジだった役者さんが、オッサンになって役回りはそのままで登場するのですね。しかも細部にわたってオリジナル作品のオマージュを彷彿させるシーンが多々あるのです。「ワックスを塗ってふき取る」の言葉にピンときたベストキッド世代の皆さんは、是非、ご覧になってください。
さて、本題ですが「ドラハラ」の件です。少し前の話題になるのですが、そもそもドラハラとは、先輩や上司から「ドラゴンボールを読め!」と無理強いされて困っている若者たちが、自分たちの境遇をハラスメントになぞらえたものです。自分の好きなものを押しつけてくれる上司や先輩、たまんないっす・・という論調ですね。
そんな中、ある若者が、「そんなにドラゴンボールが面白いというのなら、一度読んでみたんだけど、あまり面白くなかった。世界観薄いし、いきあたりばったりのストーリー展開だよね」というブログを掲載した事が物議を醸し出しました。
ドラゴンボール世代に「最近の若いやつらは、何でもかんでもハラスメント、ハラスメントって、ええ加減にせえよ」という静かな怒りがあった中、かつて胸を躍らせた我がドラゴンボールを批判する若者登場という構図は、当然の事ながら、大炎上を引き起こしたのです。
ネットで「ドラハラ」と検索頂きますと、若者側とドラゴンボール世代間で、議論のぶつけ合いになっておりますが、「好きなものを押し付けるな」VS「好きなものを批判するな」の構図となっており、「ドラゴンボールをお勧めする理由」まで言及されていない様に見受けられます。
以下、私見としてですが、私なりの見解を述べていきます。
ドラゴンボールは、ひと事でいえば、『努力は報われる』世界観です。週間少年ジャンプには「友情」「努力」「勝利」という3大テーマがある様でして、この内、ドラゴンボールは「努力・勝利」がクローズアップされているのですね。今の自分では太刀打ちできない強敵が現れると、カリン塔や海王星に籠ってコミカルながらもハードな修行の後、見事強敵を打ち倒すのです。中ボスクラスは修行の成果を測る咬ませ犬にされてしまうのもお約束です。この「コミカルながらもハードな修行」というところがキーワードです。強くなるためにお師匠さん役は「こんなことやっていて意味あるの?」と主人公も首をかしげる事をやらせるのです。このあたりは、漫画以外の世界でも、ジャッキーチェンのクルミ割りやベストキッドのワックスがけといった同じ構図がありました。 「何故これをやるのかわからない事を、それでもひたすらやりぬく努力が、実を結ぶ。」という世界観があったのです。
ドラハラの先輩方は、きっとこれを伝えたかったのではないかなと思うのです。
「意味を感じなくても一度やってみようよ、もっと我武者羅に努力をしようよ、じゃあ、きっと君は勝てるんだから。」と。
一方、ポストドラゴンボールであるワンピースは「友情」と「勝利」がクローズアップされています。ワンピースの1997年。国内の金融機関が潰れ、インターネットが普及しはじめた頃ですね。今までの努力が無駄となり、人々は国境を越えて繋がりだした年です。努力が陳腐化してくる時代ですね。そんな中、頼りになるのは人との絆であり自分がそこにいる意味であり・・となってくれば「努力は否定しないけど盲目的にはしないよ、でも、きちんと自分で意味のある事と納得できれば素直にやるよ。それで勝ってこそ本物じゃないかな?」となっていくのでしょうね。
一方、私はと言えば、ドラゴンボール世代のもう一昔前、北斗の拳や男塾がどんぴしゃり世代です。北斗の拳という作品は圧倒的に強い主人公の物語で、主人公は決して修行しません。修行なんてものは連載開始までに終えているのです。戦いの中で成長はしていきますが、努力要素は皆無です。そんな主人公に憧れるとどうなるのかと申しますと、みんなに見える努力はせずに裏でコソコソ練習して、「俺は元から出来てたよ。知ってたよ。出来て当然だよ。」とか言ってしまうのですね。そしてまたコソコソ練習してコソコソ成長していくという・・自分で言うのも何ですが、少し痛いというか、素直になれない世代ですね。そのうち、あの上司、北斗っぽいよねとかジャギってるよねとか言われるのでしょうか?
いずれにせよ、自分にとっては理想的な物語展開でも、他人は同じ様に感じないのが当然であるという事です。伝える努力も必要ですが、逆に相手がどんな物語展開を理想としているのか、その根底にあるテーマは何か思いを馳せると、相互理解が深まり、ドラハラみたいな子供の喧嘩にならないのだろうなと思うのです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
明日は、ワンピース世代の中村くんです。