こんにちは。今回は藤本が執筆致します。
前回のブログに関してひねり過ぎというお声を頂きましたので、
中途採用に関する具体的手法をご紹介する、という前回予告を一つ飛ばしまして、
今回は社内の伝説メーカーである、キャッスルさん(女性。本人の名誉を重んじて仮名と致します)とのエピソードをご紹介します。こんな若手と働いているんだなというイメージを持って頂ければ幸いです。
先日、広島出張に同行した折、カウンター席で一緒に定食を食べていたのですが、
そこでキャッスルさんが僕の太ももに熱々のお味噌汁をこぼしました。
彼女は社員BBQの際にも、死人が出るのではという位に大量の塩を肉にかけて、自分は一口しか食べないという様な事をする人ですが、今回は、熱々の味噌汁を私のスーツにこぼしました。器に入っている分を全て(汁はもちろん大根もワカメも)です。
「申し訳ありません!」とキャッスルさん(仮名)は平謝りの上、必死でこぼした部分をおしぼりで拭く、そんな彼女に私は、「別に気にしなくて良いよ。済んだ事だし。」と一声かける、という事後シナリオを0.6秒位で立てて、彼女の反応を待ったのですが、実際に彼女がした事と言えば【手を叩いて大笑い】するのみという、想定外のものでした。
さすがに私が「火傷の心配及び汚した罪悪感位は持って頂いても、良いのではないでしょうか?」と苦言を呈しますと、彼女も悪いと思ったのか「そうですね。クリーニング代はお支払いします・・プッ!アハハハハ!」と、反省の色を半分だけ滲ませてくれ、床を拭くのを手伝ってくれました。
一番被害の大きな太ももを完全無視されておりましたが、確かに嫁入り前の娘さんですので、男性の脚を拭くなんて、たとえ熱々の味噌汁を己の不注意でこぼしたとは言え、メタ認知的に「はしたない」という感覚なんだなと理解しておりますと、そのまま床を拭いたおしおりで足を拭こうとするではありませんか。
私が面くらって「優先順位が違うのではないでしょうか?」と怖々と問いかけますと、「あ、本当ですね。すみません、もっとおしぼりください!」とサッと話をかわされ、先ほどの「すみません」は謝罪なのか或いは店員さんを呼んだだけなのか、釈然としないまま店を出た私の表情に気づいたのでしょう、キャッスルさんが「藤本さん、私、生もみじ饅頭大好きなんです。お詫びにご馳走しますね。」と、生もみじ饅頭を好きかどうかという私の返事を待たずに、サッとレジの方向に走り、私の好みを推し測ってくれたのか、勝手にチョコ味と抹茶味を買って戻ってきました。「ありがとう。気を遣わせて悪いね」と言いながら、ふと気づきました。クリーニング代が、いつの間にか生もみじ饅頭代にすり替えられている事に。
まさかそんな悪魔の様な事はしないだろうと、私は希望的観測を持ちながら新幹線に乗り、そのまま新大阪に到着し、そのまま地下鉄に乗り、「ああ味噌汁に含まれている塩が拭いてしまっているな・・つけ洗いしても落ちるだろうか?」という心配をしている最中に、キャッスルさんから「今日のご支援は大成功でしたね。どんどん良くなって頂きたいですね!」と決して「NO」と言えない前向きな磁場を作って頂き、今更クリーニング代金をどうこう言うのは大人の男としてはしたない事なのだろうかと悩んでいる内に彼女と別れ、自宅で赤くなった太ももを冷やしながら、城さん、いや、キャッスルさん(仮名)が、30分もかからず支払いコストを20分の1以下に抑えた手腕に舌を巻いたのです。今後、彼女は確実に大物となるでしょう。そんな希望をもてた今回のエピソードでした。
次回は、キャッスルさんから普段優しく接してもらいながらも、ある日突然「顔がトラウマになるほど恐い・。」と宣告され戸惑った、新人の中村君が執筆します!