3連休はいかがお過ごしでしたか?

当院は通常通り診療しておりましたので、連休感を味わいことはできませんでしたが、祝日診療だったため、いつもよりも2時間早く帰宅できたので先日発売になった・・・


水曜どうでしょう DVD第16弾

「72時間!原付東日本縦断ラリー/シェフ大泉 夏野菜スペシャル」


ソルナ動物病院-23.10.111


を、馬鹿笑いしながら見ることができました。


いまでこそ、全国に名前が知れ渡るようになった大泉洋さんの出世作?バラエティーです。

今回のDVDには、私が一番好きな夏野菜スペシャルが入っていましたので、思わずブログでアップしてしまいました。


じつは私、藩士(どうでしょうファンを『藩士』と呼びます)でして、自宅にどうでしょうDVDやらグッズがゴロゴロしてます。

当院に来院される患者さんのご家族にも藩士の方がいまして、その患者さんがいらっしゃると診察そっちのけで、どうでしょう話に花を咲かせていることは内緒です。

藩士の方がいらしたら、お気軽に院長までお声をかけてくださいw




さて、前置きが長くなりましたが、今回はネコちゃんの風邪についてです。


ワンちゃんと同様に急激に寒くなってくるとネコちゃんも風邪をひきます。

特に子猫では重症化しやすいので注意が必要となります。


ネコちゃんの風邪は正確には「猫上部気道感染症」といい、ウイルスや細菌などが眼や鼻、喉に感染する感染症のことです。


原因となる病原体はさまざまですが、その中でも猫ヘルペスウイルス1型と猫伝染性鼻気管炎ウイルス、猫カリシウイルスが原因となっていることが多いです。


感染経路はウイルスを持った猫ちゃんのくしゃみの鼻水や眼ヤニから、未感染の猫ちゃんの口や眼、鼻の粘膜を通して感染します。

ウイルスが体に侵入すると、鼻や喉、結膜、気管などで増殖して、粘膜の表面に炎症を起こします。

その結果、結膜炎や鼻炎になり、眼ヤニで目が開かなくなったり、激しいくしゃみを引き起こします。


また、猫ちゃんの風邪では結膜炎や鼻炎以外にも、舌に潰瘍ができてしまうこともよくあります。

舌に潰瘍ができるというのは、いわゆる口内炎のことで、痛みが強いために食欲がなくなってしまうこともしばしばあります。


特にカリシウイルスでは、風邪症状が出たときに治療せずに悪化すると、肺炎に発展し重症化することもあり、的確な治療が必要となります。


正確な診断にはどんなウイルスにかかっているのか検査する必要がありますが、検査には時間と費用がそれなりにかかってしまうため、実際には症状から猫ちゃんの風邪と推測して診断することがほとんどです。

もちろん、一般的な風邪治療で改善が認められない場合や、特殊な症例の場合は精密な検査を必要とすることもあります。


治療はウイルスと細菌の混合感染を考慮して、抗ウイルス薬と抗生物質の投与を行います。

抗ウイルス薬は高価なお薬ですが、抗ウイルス薬の使用の有無で改善率が異なることが多いので、当院では抗ウイルス薬の使用をお勧めしています。

また、鼻炎で鼻が詰まったり、舌の潰瘍の痛みで食餌が摂れない猫ちゃんの場合は点滴をしたり、食欲増進剤を使って体の衰弱を防ぐ治療が必要となります。

そのほか、結膜炎や鼻詰まりには抗ウイルス薬や抗生物質が入った点眼点鼻薬を処方したり、ネブライザーを用いて、直接気道にお薬が入るような治療をします。


猫ちゃんの風邪のウイルスは、症状が治まって回復したとしても、ウイルスの保有者(キャリヤー)となるため、気温の変化などの環境ストレスで免疫力が弱まると再発症することが多いです。

そのため、急激に気温が下がるこの時期には風邪をひくネコちゃんが多くなるわけです。


幸い、猫ちゃんの風邪の原因となるウイルスは、ワクチンによって発症することを防ぐことができますので、子猫の時に風邪をひいていた猫ちゃんは、定期的にワクチン接種をすることで風邪の再発を抑えることができます。


ここ数日、当院でも気温の変化のストレスで風邪をひいているワンちゃんや猫ちゃんを診察することが多いです。

風邪が発症しないように、室温や湿度の管理には気をつけていただく事はもちろんですが、風邪症状が出始めたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。

重症化してから治療を始めても、後遺症が残ってしまうこともありますので、「自宅で様子を見る」のではなく、「病院で状態を診る」となっていただけるとよいと思います。





ソルナ動物病院-ロゴマーク2