NPO法人ソルナーチ 〜パキスタン学校運営・自立支援〜のブログ -9ページ目
前川航太朗です。


今日は実家に帰省していたので、母と一緒に祖母の家に行きました。

ゆっくり話をすることなんて、なかなかなかったので、とても良い機会となりました。
花束のプレゼントには、祖母もとても喜んでくれましたし。
市役所を辞めてまで危険な外国で仕事をすることについても、
反対することなく、認めてくれる家族があって、こういった活動だできているのだと感謝しました。

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これまでの記事はこちら

「なぜパキスタンでNGO活動するに至ったか~その①~」

→ 「
なぜパキスタンでNGO活動するに至ったか~その②~

「なぜパキスタンでNGO活動するに至ったか~その③~」


続きです。

貧困の大きな問題は、文字の読み書き、つまり教育の問題だけではなかったのです。


では、他の大きな問題とは何か...?



それは、イスラム教の宗教観でした。



ここでまず、誤解のないようにお伝えしておくと、

イスラム教の教えは、知れば知る程、素晴らしい教えだと僕は思っています。


宗教観の希薄な日本人にとっては、なかなか実感が湧かないかもしれませんが、

イスラム教では、「宗教の戒律=社会の規範=国の法律=神との契約」という
この4つがまったく一致するのが宗教の理想であり、これを実現しています。


イスラム教では、教えのエッセンスが「法を守ること」に集約されているので、

誰にでも分かりやすいのが特徴です。


しかも、イスラム教は本当はとても平和的な宗教です。

一部のメディアなどで、過激派のテロ事件ばかり取り上げられていますが、
あれはほんの一部の事件を大々的に取り上げているに過ぎません。


僕としては、一部の過激派の除いたイスラム教の方々は本当に和平的に思えますし、

他の宗教にみられるような、強制的な改宗を迫ることもありません。
「宗教に強制はない」という趣旨の言葉がコーランで明記されているのです。
本来は、イスラム教は人間の心の支えとなるような宗教なのです。


そのようなイスラム教では、次のような教えがあります。

男性も女性も、同じ要素から成立しているものであり、その人間性についても平等だというものです。
この男女平等の考え方はコーランが完成された時代背景からすると、先駆的な考え方でした。


そして、僕の解釈では、コーランでは男女の役割を次のようにきちんと定めています。

男性の基本的な役割は、家族を養うために働くこと。
に親切に接したり、妻にイスラームを伝えるなど教育を施すことです。
それに対して、女性の役割は、こどもを産み育て、教育し、夫の援助と家庭の維持を行うことです。


これらがきちんと守られていれば、素晴らしい世の中になっているはずです。

しかし、僕が実際にパキスタンに行って、見て聞いてきたところ、
一部の家庭では、これらが完全に守られていない状況が存在していました。


例えば、旦那が出稼ぎに行ったのに、仕送りがあったのははじめの数ヶ月だけで、

現在は連絡すら取れなくなってしまったという、残された妻とこどもたち。
彼女たちはお金を稼ぐ手段がなく、とても困窮していて、
近所の方から食べ物を分けてもらってなんとか生活を繋いでいました。


他にも旦那がドラック漬けとなり、家庭内であまりにもひどい暴力を受け続けていて、

このままでは命が危ないと、行く宛もなく逃げた女性。
今、この女性はシェルターのような場所で守られて生活しています。


他にもたくさんの悲惨な話を聞くことができました。



宗教の教えは本当に素晴らしいのですが、すべての方がそれを厳守している状況ではありません


後から調べてみたところ、以下のような女性に関するデータがありました。


世界で「女性にとって危険とされる国」では、世界で3番目だそうです。
1位がアフガニスタン、2位はコンゴ、4位インド、5位ソマリア。
これらは、健康上の脅威、性的暴力、非性的暴力、文化宗教的要因、資源の得難さ、人身売買、以上の6つの要素、リスクから評価したものだそうです。

上記参考リンクはコチラをクリックしてください英語>


パキスタンは文化及び宗教的要因で最も危険な国と位置づけられています。
酸による攻撃児童及び強制結婚、打ちなどの文化的宗教的な刑罰が女性にとって害を与えるとされています。
毎年1,000人以上の女性が「名誉の殺人」の犠牲者となっており、
また、9割の女性が、DV(家庭内暴力)を受けているそうです。


データからも明らかですが、パキスタンは女性が生きていくことがとても大変な国なのです。


つまり、女性が自立して、仕事をしようと思っても、仕事ができる環境ではないのです。

思えば、戦前戦後の日本とまったく同じ状況じゃないでしょうか?


教育に関しても、男性と女性では、将来、外で働くべき男性の方が教育の機会が優先されています。
裕福な家庭ならば女性も教育を受けることができますが、
その日暮らしの農村部の女性には、教育を受ける機会が与えられていなかった。


だから、女性は読み書きができない方が非常に多いのです。

これは、仕事だけでなく、日常生活すべてにおいて影響します。


また、パキスタン農村部を見渡すと、働いている人は本当にみな男性ばかりなことに驚きました。

農作業をしているのも、全員男性でしたし、行商人など外で働いている人の中で、女性の姿は皆無でした。


実際に、ホームステイ先のアニールの妹は、大学を出ており、

ウルドゥー語と英語のバイリンガルでありながら、仕事に就けないと言っていました。
女性は、働きたくても働けないのです。


もちろん、都市部では状況は異なってきており、

女性の社会進出の機会も増えてきているそうです。
しかし、農村部では、昔のまま、そしてこれからも変わることはないであろう環境なのです。


お金を稼ぐ必要のある女性は、たくさんいます。

理由は様々です。
旦那が働けなくなった。旦那が行方不明になった。旦那と死別した。再婚できないから。


実際に女性たちに話を聞いてみると、

まず、「仕事が欲しい。と言われました。


彼女たちは、文字の読み書きもできず、外では仕事をすることもできないため、

毎日、家にただ居ることしかできなかったのです。


毎日が同じことの繰り返し。
生きていても無意味だと、彼女たちは言います。


「家でできる仕事が欲しい。」

「安全にできる仕事が欲しい。」


これが、農村部に住む女性たちの想いでした。



そんな想いを聞いて、アニールは教育の普及活動を続けていたのです。

彼は教育だけではなく、刺繍の技術も教えていました。
それは、彼女たちが生き抜いていけるための「稼ぐ」技術を教えていたのでした。


僕はアニールからこれらのことを聞いて、彼に感動していました。



「なぜパキスタンでNGO活動するに至ったか~その⑤~」に続く。。。



(↓はじめてパキスタンに行ったときに出逢った女性たちと。)


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