小学校生活は、長女にとってどんなものだったのか、今は知る事は出来ない。


『長女ちゃん、今日〇〇ちゃんに気持ち悪いって言われちゃったの』とか、『長女ちゃんは、頭おかしいやねって言われたよ』とケロッと話すのを見ながら、私が苦しくて辛かった。私自身、幼少期に【何も分からない】中で、知らず知らずに誰かを傷つけていたのかもしれないと思うと、更に苦しかった。


今目の前にいる、私の可愛い姪っ子が、小学校という環境で例え子供の言うことだとしても、許せない気持ちがあった。


なぜ【気持ち悪い】と言われてしまうのか。


ある時、その理由が何となく分かった。


公園で小学生高学年ぐらいのお姉さんたちが、大きめのベンチに座って数人でゲームをしていた。


そこへ長女が何のためらいもなく『こんにちは、何してるの?』と近づいていった。


私は止めに入ろうとしたら、そのお姉さん達は『見る?』と画面を見せながら説明をしてくれた。

終始『可愛い』『名前は?』と質問したりして、仲良くしてくれた。


私が思う程、子供は子供の付き合い方があるんだなぁと微笑ましく、嬉しかった。


そして、数日後、公園には同学年ぐらいの女の子達がいた。

『こんにちは、遊ぼ』と近寄る長女。


当然の様に受け入れてもらえると思っていた私。


すると、女の子達は無視して逃げ回る。

長女は追いかけて『私も入れて』と言う。

『何でついてくんの』『気持ち悪い』と女の子達。


慌てて、『ごめんなさいね、怖かったかな?』と、長女を捕まえる。女の子達は『気持ち悪い』と言いながら帰っていった。


確かに、知らない子からいきなり話しかけられたら怖いよね。気持ち悪いって思っちゃうよね。


分かるよ、凄くその気持ち。


なのに、自分の可愛い姪っ子が毛嫌いされる姿を目の当たりにすると、どうしようもない感情が出てくる。


長女に『大丈夫?』と聞くと『何が?』と。


人より気持ちが鈍いのか、感情を押し殺していたのか、分からないけど、ただ抱きしめるしか出来なかった。