学会からの帰りの高速。

ふと、昔を思い出す。まだ春が始まる少し前、彼女が空に旅立った日を。

彼女の友達と一緒に川に泳ぎに行ったあの夏。

ふざけて飛ばしたしぶきが友達にかかり、「ごめんねと」オレの代わりに謝っていた後ろ姿。

強がってたオレを怒ってふくれたていたあの顔。

丸い椅子に座り揺らしながら話す子供のような彼女。

 

突然、亡くなったと知った日。まるで悪い冗談だと思っていた。

 

信じられず。最後の葬儀にも行けなかった。

 

今でも振り返り楽しそうに笑いながら話す姿を思い出す。

 

もう少し素直になれていたら。

 

若かったから。

 

思いを言葉で発することができたなら。 

 

見栄を張っていたから。

 

少しは、変わった人生を歩んでいたのかもしれない。

 

今のオレの姿を、君はどう思うのかな。

 

腹が出で貫録だけのおじさんになったと、あの頃のままの姿で笑うのかな。

 

もう一度、その笑顔を見れるなら少しは歩いてきたこの人生も良かったと思える。

 

そんなことを思いながら夜の高速を走る。

 

山沿いを抜け、街の明かりが見えてくる。君と過ごしたあの街の灯が今も変わらずそこにある。

 

これからも思い出すよ。

 

そして、いつまでも君のことを愛してる。