お犬様と鹿肉 ① | PHODOGIARY+

PHODOGIARY+

photo + dog + diary + α
Copyright (C) 2012- PHODOGIARY+ All Rights Reserved

ちょっと真面目な内容です。


犬のごちそう、シカ肉。


昨年から、色々な伝手を辿りながら鹿肉を入手して来た中で、

この週末、遂に鹿の一斉駆除の現場へ殴り込み…


と言うのは些か大袈裟かも知れないが、

小耳に挟んだ情報を基に市役所にまで電話をかけて頼み込み、

解体に立ち会わせて貰う事になった。


何も解体現場にまで…と思わないでもないが、

通常であれば廃棄されてしまう、

肝臓と心臓、そして胃(愛犬家にはお馴染のトライプ)を貰うためには、

どうしたって解体現場に立ち会わなければならない訳で…

(内臓の取り分けはとても“臭う”ので、ただ頼むには気が引けるというのがその理由)


日曜日、手土産のつもりで日本酒の一升瓶を抱え、

指定された場所へノコノコと出かけて行ったら、

オレンジ色の猟友会ベストを来たハンター(殆ど地元のおいちゃん)がわらわら。

ちょうど山から鹿を引きずり出して来ているところだった。


若い人、見当たらず。

女性、もっと見当たらず。

若くて可愛い女性(ネタですよ、ネタ)、もう絶対に見当たらず。


明らかに異質な存在である私に、次々話しかけて来るおいちゃん達。


-ねーちゃん、何してるだ?

-え、内臓と骨こ?したら、これから解体現場行くもんで…ああ、雪がすごいもんで場所変わるでね。

-入れもんは持ってきたかい?…(25L40Lの衣装ケース×2を見て)こんなんじゃ足りっこねぇぞ。

-ほら、そこにたくさん転がっとるわ(指差す先には5頭の鹿…)

-ねぇちゃん、ラッキーだでな。今日は大猟せぇ。


信州に住みながらも、ここまでの猛烈方言て最近耳にしてなかったなぁと思いながら、

解体現場への移動まで、おいちゃん達の話を聞きながら待機。


この時点で、猟果既に11頭。

山の中の解体現場に着いて聞こえて来た話では、

最終的に14頭がこの日の成果だったらしい(これまでの最多が16頭で、それに次ぐ記録だとか)


役所の人が仕留めた個体の性別、推定年齢、大きさを記録した後、雪の上で、一斉に解体開始。


気温も低く、匂いが立ちにくいはずなのに、

周囲には何とも言えない内臓(フレッシュなボロ=馬糞とアンモニア臭?)と血の匂いが立ちこめて、

さすがに一瞬ウッとなる。


けれど、立ち会います!内臓下さい!と宣言した以上、ここで引いたら女が廃る!


おいちゃん達は、モモ・肩・背ロース以外の部位や血肉をぽんぽんと衣装ケースに放り込み、

入りきらないものは雪の上へ。


-内臓は、胃袋の中身だけ出してやってからここへくれや!


地元猟友会の会長さんというおじぃちゃんが、音頭を取ってくれているおかげで、

気付いたら横にはほかほかと湯気のたった内臓が山積み。


もうね、ここまで来たらやるしかない。

いや、やるつもりで来たんだし。


内臓の山に手を突っ込み、心臓と肝臓を取り外して綺麗に筋や膜を剥ぎながら、

トライプはぐるりと切り取り開いて雪を詰めて、きちんきちんと雪の上に並べて行く。


おいちゃん達、唖然…

以下カッコ内は私の心の声。


-ねぇちゃん、えれぇ上手いだけど、そういう仕事してるだか?(いいえ全く!なわけねーぢゃん!

-え、会社員?いやぁ、したってどこかでやった事なかったらここまでは出来ねぇなぁ?(もうヤケクソですから!

-肉傷めねぇでここまで出来りゃ大したもんだ(ホホホ、のこぎり&包丁持参してるくらいですから

-もう解体なんて、それだけで駄目って人の方が多いもんじゃないんかい(そんな可愛げはとうの昔にそこの山ん中に捨てました!ってか、元々持ってねぇ!

-そんなんじゃなくて、ちゃんとした狩猟ナイフ買わなきゃだめだぁ(高ぇーし!

-今度から呼んでやるで、イチから解体やってみるか?(もういっそ、教えて下さいまし!


褒められりゃ悪い気はしないのが人情とは言え、内心必死。

変な風に内臓を傷付けたら卒倒ものの匂いがつくし、ヘタすりゃ犬も食わぬ…になりかねない。


細かく解体すればするほど手間と費用がかかるのに

(一応市の事業の一環のため、解体料というのが発生するらしい)


普段より細かくしてくれるのを見ていると、私がここで引くのはあまりにも失礼

(普段は、食べるところだけ取ってそれ以上は分割しないらしい)


途中、鼻が麻痺して匂いは気にならなくなったけれど、終わった時には完全に血の匂いに酔っていた。


解体終了後、この日のリーダーだったと思しきおいちゃんが、

太ももと前肢、背ロースを一本ずつ手渡してくれた。


「これはあのコ(HIMAの事)にやっちゃいけねぇよ。美味しいところだで、ねぇちゃんが食べな」


美味しいと言われる若い雌シカの肉。しかも背ロースは鹿肉では一番高級と言われる部位。


「但し、自己責任でな」


はい、もちろん!


人が食べない所を犬用に下さい、というお願いしかしていなかったし、

役所が絡んでいる以上、野外解体の肉を外部の人間に

(ヒトの)食用として渡すのは難しい、と言われていただけに、これは嬉しかった。


私の車にはこれ以上は積めない、という位に積み込んでも、雪の上にはまだ数頭分がごろごろ。


友人に声をかけたから後でもう一度取りに来ると告げると、

残っていたおいちゃん達が口々に、それは危ない暗くなるから云々と、

結局残渣を廃棄する場所まで下ろし、置いておいてくれる事になった。


感謝。


解体場所から30分くらいの畑の真ん中にある小屋まで運び、

電話で呼び出したLEJONSOLさんと合流して余すところなく全て回収。



14頭分の鹿の命、LEONBERGER達の為に有難く頂戴致します…



⇒つづく