映画 クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 [DVD]/バンダイビジュアル

¥1,944
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クレヨンしんちゃん劇場版第6作!
監督は、
後にオトナ帝国と戦国アッパレと言う
「クレしん」どころか「アニメ映画」と言う枠を超えた名作をつくる原恵一監督。
リアルタイム世代です。
昔から大好きな作品です。
まず、掴みの段階からイカしてる。
渋いスパイもののオマージュからスタートして怒濤のアクションシーン。
原作者臼井先生の「大都会」、まつざか先生の「一人上手」のカラオケ。
子供には絶対わからないこの選曲がもうたまらんです。
(前作暗黒タマタマのヒデロザンヌの「愛は傷つきやすく」程のインパクトはないけど。)
もうこのあたりから大人相手に製作してるのがよくわかる。
ギャグも冴えてて、間やテンポがすごいしっかりしてる。
安易に子供向けに「べろべろば~」で終わらせてないあたりがほんとに偉いなあと思う。
序盤白眉は筋肉と野原夫妻のトイレ争奪戦。
劇画タッチで描かれる熾烈な戦いと、
ある意味「下痢あるある」ともとれる筋肉の演出は勢いもいいしなにより巧み。
このシーンはヘンダーランドの追いかけっこシーンと共に
劇場版クレしんのギャグシーンの中では最高峰に数えられるものだと思う。
あと格闘シーンもいい。
ここまで徒手格闘術での殺陣をしっかりやってくれてるアニメ映画ってあんまないと思う。
クレしん映画は動きがほんとにいい。
アニメでしか得れない快感を突き詰めてると思う。
余談だけど、
リアル思考に傾倒するあまり、
アニメでやる必要のないような演出をとる映画は僕はあまり好きではありません。
好みて言われたらそれまでだけど。
やっぱせっかくアニメなんだからさ、
実写じゃ撮れないようなテンポとか演出が見たいですよねー。
そしてなによりこの作品で語られるべきは
ぶりぶりざえもん演じる故 塩沢兼人氏の熱演。
この人の演技はほんとにパない。
色気のある男前ボイスで
あんだけ下ネタやゲスい話や情けない声を出されたら、それだけで破壊力抜群のギャグだ。
最後には
「ぶりぶりざえもんの冒険」から消滅~復活?のくだりでほろりともさせられ、
観賞後はえも知れぬ満足感が残る。
あーいいもん見たなあ、みたいな。
素晴らしい映画だと思う。
オトナ帝国と戦国アッパレと言う大名作のせいで
霞んで見えがちなのがちと残念。
豚繋がりで言うと、ジブリの紅の豚と似てる。
内容ではなくて、作品の立ち位置ね。
ジブリの中での紅の豚。(トトロやもののけと言った鉄板映画に隠れがちな名作。)
劇場版クレしんの中でのブタのヒヅメ。(オトナ帝国や戦国アッパレと言った鉄板映画に隠れがちな名作。)
ちなみに劇場版クレしんはEDクレジットのバックもすごい良いイメージがある。
ブタのヒヅメの場合は、イラストで後日談を紙芝居的に見せるというもの。
暗黒タマタマもこの感じやった気が。
最後のお見送りで、いい気分にさせてくれる映画はやっぱり、良い。
私的評価は
★★★★★★★★☆☆
10点中8点!
おすすめです!