クラッシックバレエを、物心つくかつくかないかの頃から10年程習っていました。
小さい頃に身に付けたものは、大人になっても覚えているもので、
感覚としては、未だに残っています。
(必要な筋肉と柔軟性は ほぼないので、もちろん、子供の頃のようには踊れませんが)

バレエは基本、踊っている中で「歩く」という行為はなく、全て「パ」と呼ばれるステップでつないでいきます。
そして、その全てにかかわるのが「プリエ」です。

プリエとは、簡単に言えば「膝を曲げる」ですが、ただ曲げればいいのではなく、正しいプリエというものがあって、
これを体に覚え込ませることによって、高いジャンプ(グランジュテ)を跳べたり降りれたり、軽やかに移動したり、
ということが出来るようになります。

正しいプリエとは、足の裏と身体の筋肉をしっかりと使って、自分の体重(重力)を最大限にコントロールし、
身体への負担を少なくしつつ、表現をより豊かにする為の、本当に大切な基礎です。

この「プリエ」をおろそかにして、難しい技術を積み上げようとすると、どこかしらに無理や綻びが生じて、
結果、歪みが出てしまう訳です。


バレエでは、床に立つ時よく「床を掴む」と言います。
文字通り、足の裏全体で、床を掴む感覚です。

でも、これが出来てない人は割といて、そうすると何となく安定感のない動きになってしまいます。


プリエの状態で移動するパ(ステップ)に、グリッサードというものがあり、
これはとても効率良く、地面からのエネルギーを身体に伝え、ジュテ(ジャンプ)の動力源となります。

でも、これも正しいプリエが出来ていないと、足の裏がきちんと床を掴めず、エネルギーを溜めたり伝えたりすることが出来ません。

フィギュアスケートでジャンプのタイミングか合わない選手を見ると、
私はこの「プリエ」と通ずる動作が、きちんと出来ていないんじゃないかな・・?と思います。

例えば無良選手は、ここ一年くらいでスケーティングの技術が上がった為に、以前の氷の掴み方だと正しい「プリエ」にならなくなってしまって、
タイミングの取り方が分からなくなっているのではないかな、と思います。


私は、スケートは子供の頃に少しやったきりなので、スケーティングの感覚的な部分はほとんど解りませんが、
自分がやってきたバレエの感覚に当てはめると「こんな感じかな?」というイメージが見えます。

最近のロシアの女子選手は、簡単に高度なジャンプを跳びますが、ロシアは伝統的なバレエ大国です。
そのバレエの身体的技術が、スケートにも活かされているのかな・・?と思ったりしています。

特に、バレエの「アン・ドゥオール」「アン・ドゥダン」という基礎は、身体を使う上でとても大切な要素です。

日本でこの感覚を比較的理解して使っているのが、宮原選手かな、と思います。

彼女の背中はとても美しく、スパイラルやスピンは理にかなったポジションを取っています。

日本でも、スケートとバレエの両方を解っている指導者が現れれば、トレーナー以上にフィジカルを安定させることが出来るのではないか、と、私は思います。