「どのようなご計画ですか」
パソコンの画面ではなく、ペンを持ちノートの上に美しく手を置き、私を真っ直ぐ見て言った。


これが合コンなら椅子から落ちていたか、真後ろに倒れていたかも知れないくらいに直球な魅力だった。


私は冷静に、全然びくともしていないフリをして姿勢を正した。
ど素人丸出しだが、恥ずかしがっている場合ではない。すまし顔で
「何の計画もしていません。“決めない”というスタイルで旅をしたいのです。ただし、いくつかの希望があります、、
・到着日と翌日二日分のホテル
・グラナダは必ず行きたい
・ホテルと列車のクラスは(少しお金がかかっても)安全なもので
・各地方に一週間は滞在したい
…」以上と、出発希望日、帰国予定日を伝えました。


彼は静かに、かすかに微笑みながら要点をスラスラとメモしていた。

そしてパソコンに向かいカタカタカタカタとピアニストみたいに指を弾ませ、素早く情報を入力していった。


頼もしい。
私は安心して待っていた。

数分後、いくつかのホテルとクラス、立地、利便性を分かりやすく説明してくれました。

無駄がなく、的確に、それでいてとても温かみのある提案も加えられた。

そして話し終えると
「分からないなら、迷うなら私のおすすめはこれです」といいニコリとした。
それは私の希望を満たしながらも、専門的立場からの情報、提案であり納得できるものでした。


ホテルに関しては、治安のことがとても気になっていたので、彼の意見がいいなと考え決めました。

(後にそれが大正解となるとは夢にも思わず、、)


スペインへ向かう途中、『印』となる切符は、彼によってここ日本で発行されたのでした。

経由地のフランクフルトで
「これに繋がっていたのね!」そう思わずにはいられないシンクロを体験します。



つづく