仕事には完璧に慣れて一応どんな作業でもこなせるようになった。俺と藤井さんは何ら問題なく全ての工程で仕上げも綺麗に出来るんやが、課題は弘中さんでこの人は何をやらしても未だにチョンボの連続で、入社して4ヶ月を過ぎた今でも仕事を覚えはらへん。覚えようて気があらへんようにさえ見受けるし作業はろくすっぽやらんくせに、サボることは人一倍上手で俺達は彼に憤慨しとんや。一番年長者の弘中さんやけど最も年下の俺が噛み付くんよね。そらそーやん!!!!

 麦を小麦粉にする過程の篩をこさえるんが俺等の持ち場で、その一連の作業全部を受け持ってる訳よ。こさえた篩を機械に嵌めて上から落ちる麦を濾して粉にするねん。とても重要な部分を俺達3人が担当して会社の受注に沿って篩を仕上げる。そのために篩の木枠に目が非常に細かい網(シーブ)を張る。従ってこの木枠の精度が完成度を維持する大切な部品に相当する。

 ぶっちゃけ言えば木枠さえちゃんと精度を保ってればシーブを張るんは容易やねん。ところが弘中さんは木枠を滅茶苦茶にしてまうさかい不良品の続出で、シーブを張る前から木枠を廃棄せざるを得ん有り様になってしまい、これまでに処分した木枠は悠に100枚以上に達し直接の上司かて頭を痛めてるわ。俺と藤井さんは何回も注意して教えてあげても一向に改善せぇへん。

 木枠に張ったシーブは強力な瞬間接着剤で固めてまうが、使った木枠からシーブを剥がす時も強力な剥離剤を用いる。そして木枠を洗浄して固まった接着剤を削るねん。その繰り返しや!!!弘中さんは張ったら接着剤の多過ぎで木枠の固定台に漏らすし、削りをしたら固い接着剤どころか木枠まで削って破損させるし、剥がしの剥離剤は危険物やさかい嫌がって作業を怠るし。

 何をやらしても俺等2人の半分しか出来ひん。おまけに学習能力0でこんな超ドアホ見たん何年振りやろ?この仕事は向いてへんねんて!!会社も対応を考えななんぼでも損害がでまっせぇ。