若の物よ煩悩の林で遊べよ…の巻


優佳ちゃんは遊び方を知らん子やねん。幼少の頃から病弱な母親・故邦子の看病や看護で余り通学してへんねん。親の病気が仇で人並みの教育を受けられず友達も出来ひんかってん。女の子同士で遊ぶ経験をこの子はしてへんのよ。考えたら不憫な子で少女の頃は青春の二文字すら無かった。
どーにかこーにか高校までは卒業でけたもんの、相変わらず邦子の世話をするため就職も出来ず、人付き合いをしてへんので人間関係も知らん。少女のまま大人になった薄幸で可哀想な娘なんや。
俺は何としても優佳ちゃんを一人前にしてやりたい思うけど、されど大きな壁が行く手を阻むねん。卑屈で歪んだ性格やあらへんけど冷静に物事を考えず、何事を思い付きだけで判断するのは拙い。場合によっては大きな誤解が生じて捻くれてまう。俺がほとほと手を焼く優佳ちゃんの悪い癖‼︎
人間誰しも一長一短はあんのに自分自身をごっつい僻む。怒ると臍曲がりになる一端もある。もっと前向きな自信を抱いてくれたら光明が差すのに、優佳ちゃんにそれを教えるんが中々難しい。
育った環境が苦労を強いられる境遇やったさかい、自分から進んでも学ぶ術を知らんこやねん。俺は何度も是正を図ったけど身に付いた躾や癖はそない簡単に直るもんやあらへん。自己を切磋琢磨して努力する勇気があれば多少は明るい兆しがあろうて。学ぶことを諦めたら進歩かて無いし。
人の生涯は学の一字やと思うけど、生きるってことの勉強が己の証であり成長する過程ちゃうの?