昼前に粕汁を作ってん。佑佳ちゃんに食べて貰うためにね。粕汁って白いやん。ところが使った酒粕は茶褐色やから一見みそ汁に見えるんよ。でも食べたら立派な粕汁でやんすよ。酒粕って白いもんやと誰でも思うやん。茶褐色の酒粕もあんねんね。どんな米で酒を醸造したんやろ?疑問やわぁ?
佑佳ちゃんの工場は俺の家から近いねん。歩いても5分で来れる距離よ。そんでみそ汁が好きな佑佳ちゃんに食べて貰うため月曜に家へ寄って貰うんよ。俺は丹誠込めてみそ汁を作んねん。先週は具でサプライズさしたし今週はみそ汁色の粕汁でサプライズさした。でも美味しいて言うてくれた。佑佳ちゃんの母親が生きてれば食べさしてやりたかったな。美味しいもん食べるんが好きやったしね。
佑佳ちゃんは粕汁を食べながら「パパは長生きしてね。私に約束して」って言われた。俺は苦笑いしたけども「う…うん!!頑張る…」て返事すんのがやっと。俺は適当に死ねたらえぇと思てたから。命の保証なんてあらへんしなぁ。ただ佑佳ちゃんの幸せを見定めて遺書が残せたら思い残すことはない。それだけ果たせたらいつ死んでもえぇよ俺は。今のところ長生きしたい理由があらへんもんで。