solid-days

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基本的に諸作品に対する自分の感想を述べるだけのブログです。

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なんとなくタイトルに惹かれて購入、叙述トリックの感想につきネタバレ注意

概要
平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを契機に狂い始める…。同じ頃妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。その出会いが意味したものは…。ミステリ界注目の、若き天才が到達した衝撃の新領域。


感想

解離性同一性障害をテーマにした小説、有名どころだと『ジキル博士とハイド氏』が代表的。

叙述トリックなんですが少し文章が入ってきにくいところがあるかなと、叙述トリックはわりと好物なんですが騙しをねらってる文章が読みにくいのはちょっと辛かったです。

タイトルから考えると登場人物の誰かが二重人格の一人格なのかなと思ったらそうでした(笑)途中からは、存在しない彼女がだれなのか大方予想もついたんですが着地点をどう見つけるのかがわからないままラストを迎えました。

勝負の分かれ目は同じ名前の人物が二名を登場していると気づけるかどうか。手法としてはありなんですが(例えば、最近だと乾くるみ著『イニシエーション・ラブ』がこの手法をつかっていますね)若干唐突なんですよね、伏線は多いんですがこれに関する伏線はあんまりないかなと。少なくてもいいんですが、ギャップが大きいんですよね「存在しない彼女」が誰なのかという問のわかりやすさと「多重人格者の別人格同士」が同じ空間にいるという矛盾の解決の方法が。

アイディアはとても良いと思う。特にラストの「存在しない彼女」の私は存在しないという気づきこれは鳥肌が立った。非存在が自らの非存在自覚するなんていう発想はいままで持ったことはなかったので時間差でとてつもなく衝撃を受けた。この部分だけでも読んだ価値があった一冊だと思います。