先日のスポニチでも“T.REXの遺作”と大きく報じられた最後のスタジオ・ワーク、『ファイナル・カッツ』の日本盤が本日リリースされました。紙ケースにCDが入った形で、ブックレットには発見されたマスターテープの箱や、これを録音した頃(1977年春)のマークの写真が数点掲載されています。また、収録曲の歌詞と日本語訳があるのもうれしいところ。マスターテープからデジタル・リマスタリングされたサウンドはクリアで安定しています。アウト・テイクという言葉から思い浮かぶ、ラフで散らかった印象はなくて“デモ音源を超えたデモ音源”という感じ。普通、こういうものはマニア向けとされますが、このCDはマニアの方はもちろん、最近T.REXを知ってベスト盤を聞いている方でも大丈夫だと思います。全盛期のグラム・キングなイメージとはひと味違った、29才のマーク・ボランの素顔がスケッチされた1枚。「このあと、マークはこの曲をどうしたかったのだろう?」と思うと、少しせつないですが。