一研究者さんは、前回ブログ記事で紹介したとおり、小保方氏に対しては、厳しい人である。
しかし、小保方氏のESねつ造については、ある記事では肯定しつつ、ある記事では否定的に書いているように思う。
そして、その基本となるものは、小保方氏へのいくつかの疑惑は、ねつ造ではなくミスであると評価している。ここを読み取るのは、とても大事な事であると思う。学とみ子的理解では、小保方氏は他の人の実験ミスまで押し付けられたのでは?と想像している。

生物学領域で公式ポストについている学者たちは、理研が決めたES説には一定の評価をしなければならない立場の人であろうから、その物言いには制約がある。
国の研究所の判断に対して、はっきりした物言いはしないというのが知識人なのだろう。


一研究者さんは、桂報告書記者会見が終わった後12月28日に、いろいろ書いている。
一旦は、理研発表納得という書き方をしたが、その後、年が明けたら、少し、ニュアンスが変化した。この業界の方は、個人攻撃はしても、役人がらみの理研のだした裁定にはあからさまな反論はしないようだ。

一研究者の見解は、読む人ごとに印象が変わると思う。ですから、興味がある方は再読して、それぞれの意見を聞かせてほしい。
調査委員会あるいは検証委員会が集めた「証拠」は、調査の目的に以外に使用してはいけないことは当然のことだ。犯罪行為で言えば、調査委員会は検察に当たる。調査委員会が被告発者に証拠の提出を求めることができるのは、検察が強制捜査の権限を有しているのと同様だ。それは規程(法律)で認められているので、「プライバシーの侵害」にはならないのだ。その代わり、検察は得た証拠を適正に扱う義務を負う。今の日本では検察がしばしば情報をリークするが、それは検察のトップも承知してのことであり、検察全体で責任を負う。今回の場合、調査委員会や検証委員会は既にその任務を終えているはずなので、その時に得た資料を個人として流出させているのなら倫理上極めて問題である。

・・・・・

NHKスペシャルに関してもう一点。小保方さんがインタビューに応じなかったので、若山教授や遠藤研究員、また小保方さんを批判する研究者を集めたのだろうが、報道としては偏りすぎている。また番組の作り方もアンフェアだ。例えば、6月16日の若山教授の会見の場面を使い、若山教授を大写しにして「僕の研究室から提供するマウスでは絶対にできない結果」と述べた後に、「しかしながら、マウスもES細胞も実際には若山研にはあった」と山根基世さんがナレーションを入れれば、視聴者はまったく違った印象を抱いただろう。
 
 私が「小保方さんが使ったとされるES細胞が若山研究室にあった可能性」に言及したのは、若山教授の6月16日の発表によって小保方さんが「黒」という印象を多くの人に植え付けてしまったことは問題だと思ったからだ。正確な解析結果を待つよりも、まず疑いをかけてしまった人の疑いをはらすことを第一にすべきというメッセージを込めてであった。上に述べたように、若山教授の置かれていた立場は私も十分理解しているつもりだが、結果発表によって大きな影響があるわけであるから、解析は慎重の上にも慎重を期すべきであった。
 
 
 日本学術会議幹事会の声明と早稲田大学の論文調査委員会について私の考えを問うコメントがあったので触れておく。
 
 
 日本学術会議幹事会の声明は、基本的には改革委員会の「提言書」の実行を迫ったものであり至極もっともな声明だ。CDB保存サンプルの解析については、私は5月以来ずっと主張している。懲戒に関しても、サンプル解析ではっきりするならばそれでよいだろう。しかしながら、今回の若山教授の例が示すように、解析結果の解釈は誤る恐れもある。そして、STAP幹細胞を作ったのは小保方さんと若山教授の共同作業なので、ねつ造があった場合、どちらが行ったのかを明確に決定することができない可能性もある。小保方さんが独自に残したサンプルは、トリソミーのES様細胞と酸に浸けた脾臓細胞だけではないだろうか。その2つの解析で明確な結論は出るのだろうか?再現実験を行って白黒がはっきりつけば、疑いの余地はなくなる。日本学術会議幹事会の声明は分子生物学会のように「サンプルの分析が終わるまで、再現実験を停止」とは言っていない。
 
 ところで、皆さんは日本学術会議幹事会の声明と日本分子生物学会の声明の大きな違いに気づいているだろうか?内容だけではない。日本分子生物学会の声明はあくまでも大隅典子理事長の単独声明であり、これに何人かの理事が呼応して意見を表明したものだ。しかも各自ニュアンスが異なっており、近藤滋先生のように小保方さんをターゲットにしたものもあれば、見識のある岡田清孝先生のように、専ら理研のガバナンスを批判したものもある。岡田先生以降の3名の先生は、いずれも早稲田大学の学位授与に関する意見だ。そして、意見を表明していない理事は後20名以上いる。ということは、大隅理事長は意見を十分集約しようとしなかった、あるいはできなかったということだ。一方、学術会議は幹事会であるが、16名の意見が一致し、声明の対象は理研であり、小保方さんではない。




 
 
 NHKスペシャルに関する前回のブログ記事に関連して、clarahaskilさんは以下のコメントをくれた。
 
 「NHKの番組に専門家が何人か出演して、論文の問題点を指摘していたと聞いています。その方たちが日本分子生物学会の会員なのかは存じませんが、仮に会員だとすれば、その方たちが第一になすべきことは、メディアに協力することではないのではないか。そのような行為は、むしろ問題の解決を妨げるものではないかと危惧しています」
 
 見た人の大方はご存知だろうが、あそこに出演していたのは、大隅理事長の呼びかけに呼応してコメントを出した日本分子生物学会の理事3人を含む「大物研究者」であった。彼らの役割は、生物学のオーソリティから見て論文の画像がいかに疑わしいかを話すことによって、小保方さんのねつ造を印象づけることだったと私は推測する。clarahaskilさんの指摘されたとおり、彼らの行為は「問題の解決を妨げる」ものだと私も思う。テレビ出演から感じることは、彼らの目的はSTAP問題や研究不正を解決することではなく、自分たちは「正義の見方」であり、「悪」の小保方を滅ぼすために努力していることをアピールすることのように思える。





本物のねつ造者なら、トリソミーの遺伝子データの公開などしないだろうと、学とみ子は当ブログに書いた。アップ前には著者はサンプルを慎重に選ぶだろうと思うからだ。上記の一研究者さんも、同様に、ねつ造者なら、そんなバカなことはしないと書いている。

つまり、小保方氏は、ねつ造者ならやらないミスをしてしまった!と一研究者さんは、書いているのである。

ち密なシニア研究者である一研究者さんから見ると、小保方氏はケアレスミスをしたが、逆にそのケアレスの様子からねつ造ではないと判断できるということだ。
ねつ造ではなく、ミスであると、研究者から判断されることが大事なのだ。

又、もう一つ大事な点がある。あまりはっきりとブログには書かれていないが、小保方氏が行った実験種類は限定的と、一研究者さんは考えている点である。
多くの実験は、若山研究室でやられたものであり、笹井先生もそう言っていた。
小保方氏のそれまでのキャリアからしても、多くの実験はこなせないと、一研究者さんは考えているのだと思う。
小保方氏の持っている実験データの主たるものは酸浴実験とその後に素早く処理することが求められる実験のみだ。桂報告書は、キメラ、幹細胞の作成は若山氏の仕事と書いている。これは、関連する実験責任全てを含む。単に手伝ったなどはあり得ない。

つまり、一研究者さんは、調査で実験の分担状況を明らかにしなかった事を問題視している。
この文章は、[あの日]が書かれる前の出来事であるから、このブログの鋭い指摘であると思う。

桂報告書は、個人情報保護を理由にあげ、実験責任を明らかにしなかった。そのおかげで、実験者全てに配慮したとの解釈がある。

しかし、その後の出来事を見れば、小保方氏にとって、その解釈は空しいばかりである。

この部分を風化させず、多くの人に伝えて行く必要があるだろう。