核移植はあくまで、ひとつの仮説ではあっても、それにこだわる一言居士さん考え方は問題あると、学とみ子は思います。
しかし、2008年頃、若山研究室では、核移植技術の論文発表が盛んでした。
その時の論文に、このようなものがありました。
クローンマウスは、そのままでは、X染色体不活化に問題が残るそうです。
しかし、核移植した胚をそのままでなく一旦ESを経過させると、X染色体が正常化するとした論文のようです。
ES細胞から核を移植してクローン胚(胚盤胞)をつくり、そのICMを取り出してES化すると、ES細胞(親)からの核移植ES(ntES)細胞が作れます。
少し、こんがらかってしまいますが、ES細胞を親とし、そこから核移植してntES細胞をつくり、親のESと細胞比較しています。
このntES細胞では、核移植につきもののX染色体不活化のばらつきは修復されているとしています。
この論文では、ES細胞から一旦、胚葉体を経過させ、胚葉体細胞から核移植するようです。
ここからクローン胚をつくり、胚盤胞となってからICMを取り出して核移植ES(ntES)細胞を作製します。
つまり、核移植クローン胚から自然発生させた場合と、一旦、ES細胞を経た細胞では、X染色体の不活化の様相が違うことを調べた論文のようです。
若山研究室ではES細胞から、核移植をして新たな細胞種を作るような研究もしていたことがわります。
Cytogenet Genome Res. 2008;121(2):96-101.
X chromosome inactivation in nuclear transfer ES cells.
核移植ES(ntES)細胞とは、体細胞から核を卵子に移植し、胚発生を進ませクローン胚(胚盤胞)として、ICMを取り出して作製されるが、この手技は、再生医療に重要だ。
しかし、哺乳類のクローン動物は、遺伝子制御の乱れを反映して、さまざまな異常を呈することがある。クローン雌マウス胚では、ランダムなX染色体不活性化(XCI)が起こる。
XCIはXce強度(各X染色体の不活性化を決定する遺伝要素)に必ずしも従わない。
不完全なエピジェネティックマークのリプログラミングが起きる。
この問題を考えるために、雌マウスES細胞から胚様体を作り、さらにntES細胞を作製した。
Xist RNAの局在、Xist遺伝子座のヒストン修飾、およびXCIの選択性を調べた。
その結果、 ntES細胞とその親のES細胞との間には、実質的な違いは見られなかった。
これは、Xist遺伝子座およびXCIに関与するエピジェネティックマークが、核移植およびその後のntES細胞化によって再プログラムされたことを示す。
クローンマウスの歪んだXCIとは対照的に、正常なXCI選択がntES細胞で起こることがわかった。
ntES細胞化は、臨床使用が可能となる操作である。
コメント(1)
この胚葉体細胞から核移植をしてntESを得ると、自然発生させた核移植細胞とは違って、X染色体遺伝子の制御異常が改善されるとの実験を、若山研室がしていました。
つまり、若山研では、さまざまな幹細胞化ツールや、細胞の質を変化させる技術を持っていたことがわかります。