一研究者ブログにおける、Lさんが紹介された、感想さんとTSさんのご議論について、いくつかのコメントを選び出してみました。
学とみ子、独断的な選択ですみません。
10. Ts.Marker 2016年10月10日 23:20
Sox21。調べれば調べるほどふしぎ。
23. Ts.Marker 2016年10月13日 00:13
「多能性の内部細胞塊と、胚外組織を作るトロフォブラストの最初の分化にSox21が関わる」らしい。
(http://aasj.jp/news/watch/5033)
(http://aasj.jp/news/watch/5033)
28. 感想 2016年10月14日 00:18
2. Ts.Markerさんのコメントについて。
せっかくの、出会いについてのよい記事に、関係ない話題をあまり書きたくありませんが、事情によりコメント。
私の解析では、Sox21の発現(TSCの70%)は、発現量分布の最大端に位置し、代表的な値とは言えませんでした。Sox21については、例外的な値であったと言うことが可能だと思います。FI幹細胞の登録データが2種類の細胞の混合物であるという結論には影響ありません。論文図で示された解析結果については調べた範囲で全て再現性がありました。不正とまでは言えないでしょう。ただ一方で、論文で書かれているような10%発現が一般的かというと、そうではないように見えました。この部分以外は、論文の内容について今のところ疑問はありません。しかし、なお、論文の図がおよそ再現できたとはいえ私はこの分野の3ヶ月の素人です。専門家にやり方を見て貰ったこともありません。仮に論文との齟齬があった場合、まず、私の解析方法が誤っているのでは?と考えるのがまっとうなあり方だと思います。
http://expo70.xyz/mixture-detection.html
せっかくの、出会いについてのよい記事に、関係ない話題をあまり書きたくありませんが、事情によりコメント。
私の解析では、Sox21の発現(TSCの70%)は、発現量分布の最大端に位置し、代表的な値とは言えませんでした。Sox21については、例外的な値であったと言うことが可能だと思います。FI幹細胞の登録データが2種類の細胞の混合物であるという結論には影響ありません。論文図で示された解析結果については調べた範囲で全て再現性がありました。不正とまでは言えないでしょう。ただ一方で、論文で書かれているような10%発現が一般的かというと、そうではないように見えました。この部分以外は、論文の内容について今のところ疑問はありません。しかし、なお、論文の図がおよそ再現できたとはいえ私はこの分野の3ヶ月の素人です。専門家にやり方を見て貰ったこともありません。仮に論文との齟齬があった場合、まず、私の解析方法が誤っているのでは?と考えるのがまっとうなあり方だと思います。
http://expo70.xyz/mixture-detection.html
で、
TSなみにSox21を発現するESはあるの? 感想さん。
TSなみにSox21を発現するESはあるの? 感想さん。
47. 感想 2016年10月19日 19:26
54. 感想 2016年10月21日 07:13
42. Ts.Markerさん
まず、現時点での私の理解を書きます。遠藤論文のFI幹細胞データに関する解析は、以下の3つに関するものです。
A. 129B6アリル頻度分布(ゲノム全体)
B. 遺伝子ごとの129B6アリル頻度
C. サンプル間の発現量比較
A.で、129/B6のアリル頻度分布が、B6 = 95%にピークを持つという変な分布であることから、①混合物であるか、混合物でないなら②染色体の存在比が異常な細胞であることが示されます。この場合の(混合)比は、B6ホモと129ホモの場合、5:95、B6ホモと129B6ヘテロの場合だとすると、10:90であることが分かります。②の可能性について、一部の染色体だけで変な比が検出されたなら、ありえそうですが(8番染色体だけで1:2の混合比が検出されたサンプルからはトリソミー8)、ゲノム全体の場合は考えにくいです。しかし、可能性としては残しておきます。
B.では、ESとTSを比べたとき、TS細胞により発現する遺伝子ほど、混ざりが強く検出されています。これは、②ゲノム全体の染色体存在比では説明できないデータです。したがって、異なった種類の細胞の①混合物であることが示されます。
桂報告書でも混合物としています。A.B.までと同等の議論で結論されたと読めます。
最後に、C.のデータで、TS細胞的な遺伝子がTS細胞の10%ほど検出されることから、10:90の混合物であることが補強されます。
TS Markerさんが着目のSox21のデータはC.に属するものです。Sox21は、私の解析結果ではTS細胞データの70%近くも発現しており、10%のTSの混合からは説明しにくいです。また、B.のアリル頻度から、B6ホモ側の細胞からの発現があることが分かります。つまり、Sox21に関しては、A.B.をあわせると、「混合物のうち、ESに近いB6ホモ細胞からSox21の発現がある」ということが結論されます。(42. Ts.Markerさん)の、「TSなみにSox21を発現するESはあるの?」という質問は、この点についてのものと理解できます。
まず、現時点での私の理解を書きます。遠藤論文のFI幹細胞データに関する解析は、以下の3つに関するものです。
A. 129B6アリル頻度分布(ゲノム全体)
B. 遺伝子ごとの129B6アリル頻度
C. サンプル間の発現量比較
A.で、129/B6のアリル頻度分布が、B6 = 95%にピークを持つという変な分布であることから、①混合物であるか、混合物でないなら②染色体の存在比が異常な細胞であることが示されます。この場合の(混合)比は、B6ホモと129ホモの場合、5:95、B6ホモと129B6ヘテロの場合だとすると、10:90であることが分かります。②の可能性について、一部の染色体だけで変な比が検出されたなら、ありえそうですが(8番染色体だけで1:2の混合比が検出されたサンプルからはトリソミー8)、ゲノム全体の場合は考えにくいです。しかし、可能性としては残しておきます。
B.では、ESとTSを比べたとき、TS細胞により発現する遺伝子ほど、混ざりが強く検出されています。これは、②ゲノム全体の染色体存在比では説明できないデータです。したがって、異なった種類の細胞の①混合物であることが示されます。
桂報告書でも混合物としています。A.B.までと同等の議論で結論されたと読めます。
最後に、C.のデータで、TS細胞的な遺伝子がTS細胞の10%ほど検出されることから、10:90の混合物であることが補強されます。
TS Markerさんが着目のSox21のデータはC.に属するものです。Sox21は、私の解析結果ではTS細胞データの70%近くも発現しており、10%のTSの混合からは説明しにくいです。また、B.のアリル頻度から、B6ホモ側の細胞からの発現があることが分かります。つまり、Sox21に関しては、A.B.をあわせると、「混合物のうち、ESに近いB6ホモ細胞からSox21の発現がある」ということが結論されます。(42. Ts.Markerさん)の、「TSなみにSox21を発現するESはあるの?」という質問は、この点についてのものと理解できます。
48. 感想 2016年10月19日 19:27
それでは、ES細胞にSox21が発現することがあるのか?
ES細胞の分化と転写因子については非常に多くのことが分かっているはずですが、ES細胞の専門家でないので俯瞰はできません。10分ぐらい調べました。ESとTSを比べた場合には、TSに特異的な発現のようなので、ただのES細胞に発現していることはないのではと思います。
http://www.jbc.org/content/early/2015/10/21/jbc.M115.659094
O氏が記録を取っていなかったため、FI-SCのサンプルがどんな培養下の細胞であるかは不明ですが、FI幹細胞の培養条件下ならES細胞にSox21が発現する可能性もあるのではと調べてみましたが短時間では分かりませんでした。
ES細胞の分化と転写因子については非常に多くのことが分かっているはずですが、ES細胞の専門家でないので俯瞰はできません。10分ぐらい調べました。ESとTSを比べた場合には、TSに特異的な発現のようなので、ただのES細胞に発現していることはないのではと思います。
http://www.jbc.org/content/early/2015/10/21/jbc.M115.659094
O氏が記録を取っていなかったため、FI-SCのサンプルがどんな培養下の細胞であるかは不明ですが、FI幹細胞の培養条件下ならES細胞にSox21が発現する可能性もあるのではと調べてみましたが短時間では分かりませんでした。
50. Ts.Marker 2016年10月20日 17:41
48 感想さん
Tru-Seq ②STAP細胞 について
日経サイエンス 2014年12月号
http://www.nikkei-science.com/201412_034.html
遠藤氏の解析によれば
・トリソミーはない
・ES細胞の遺伝子の発現が非常に少ない
・Atf3遺伝子がよく発現しており、なんらかのストレスを受けている
・CAG-GFP遺伝子が入っている
Kahoの日記
https://drive.google.com/file/d/0B6dGvp-jLEkwOEJfejYxVGoyTnM/view
SNP分布から、129クラスターはなし。見た目は、ES_1,2とよく似た分布です。
6403.感想 さんより
「...面白いことは、同じデータセットで、"STAP"とされるデータでは、Sox21の発現がTS細胞の200%以上検出されていることです。...」
こちらの方は、FGF4 and heparin (FGF4-H) とは関係ないみたいですが。
Tru-Seq ②STAP細胞 について
日経サイエンス 2014年12月号
http://www.nikkei-science.com/201412_034.html
遠藤氏の解析によれば
・トリソミーはない
・ES細胞の遺伝子の発現が非常に少ない
・Atf3遺伝子がよく発現しており、なんらかのストレスを受けている
・CAG-GFP遺伝子が入っている
Kahoの日記
https://drive.google.com/file/d/0B6dGvp-jLEkwOEJfejYxVGoyTnM/view
SNP分布から、129クラスターはなし。見た目は、ES_1,2とよく似た分布です。
6403.感想 さんより
「...面白いことは、同じデータセットで、"STAP"とされるデータでは、Sox21の発現がTS細胞の200%以上検出されていることです。...」
こちらの方は、FGF4 and heparin (FGF4-H) とは関係ないみたいですが。
52. モンキーさん
> この時の手法は遠藤先生と同じものでしょうか?
ご指摘の点については気づいていませんでした。いまFig.1iを確認しましたが、アリル頻度に着目した解析であり、遠藤論文と同じ手法です。(あとに書き込む「補足」もご参考ください)
ただ、詳細は違うようです。個々のSNPを129・B6と区別せず、単に2種類の配列が見つかるか(ヘテロか)、1種類だけか(ホモか)を見て、頻度分布を出しているようです。しかし、混合物であるとする原理は同じだと思います。こちらのデータについても、自分の手で計算して確認してみたいと思います。ご紹介ありがとうございます。
ということは、遠藤論文・桂報告書・国際チーム論文と、すでに3つの独立した解析が同等の議論で、データベース上のFI-SCサンプルに関して同様の結論に達しているということになるのですね。
> この時の手法は遠藤先生と同じものでしょうか?
ご指摘の点については気づいていませんでした。いまFig.1iを確認しましたが、アリル頻度に着目した解析であり、遠藤論文と同じ手法です。(あとに書き込む「補足」もご参考ください)
ただ、詳細は違うようです。個々のSNPを129・B6と区別せず、単に2種類の配列が見つかるか(ヘテロか)、1種類だけか(ホモか)を見て、頻度分布を出しているようです。しかし、混合物であるとする原理は同じだと思います。こちらのデータについても、自分の手で計算して確認してみたいと思います。ご紹介ありがとうございます。
ということは、遠藤論文・桂報告書・国際チーム論文と、すでに3つの独立した解析が同等の議論で、データベース上のFI-SCサンプルに関して同様の結論に達しているということになるのですね。
55. 感想 2016年10月21日 07:14
補足
52. モンキーさん
> データ解析の説明を見ても知識がないため理解できないのですが、
47.の説明は、分かった人(TS Markerさん)向けの要約なので、理解できなくても仕方ないと思いますが、理屈は簡単です。ちゃんと説明すれば、モンキーさんならお分かりいただけるはずです。
アリル頻度というのは、そんなに難しい概念ではありません。
ヒトやマウスなどでは、遺伝子を、染色体というセットで、母親と父親からそれぞれ1つずつ子は受け継ぎます。あるマウスのある遺伝子に対応するDNAを見ると、それは、母版の配列のものと、父版の配列の2つがあって、区別できます。染色体は1本ずつ受け継ぐので、母版・父版のDNAの数を見ると、1:1で検出されることが分かります。これが、アリル比です。頻度で言うと、母版のアリル頻度が50%あるわけです。
52. モンキーさん
> データ解析の説明を見ても知識がないため理解できないのですが、
47.の説明は、分かった人(TS Markerさん)向けの要約なので、理解できなくても仕方ないと思いますが、理屈は簡単です。ちゃんと説明すれば、モンキーさんならお分かりいただけるはずです。
アリル頻度というのは、そんなに難しい概念ではありません。
ヒトやマウスなどでは、遺伝子を、染色体というセットで、母親と父親からそれぞれ1つずつ子は受け継ぎます。あるマウスのある遺伝子に対応するDNAを見ると、それは、母版の配列のものと、父版の配列の2つがあって、区別できます。染色体は1本ずつ受け継ぐので、母版・父版のDNAの数を見ると、1:1で検出されることが分かります。これが、アリル比です。頻度で言うと、母版のアリル頻度が50%あるわけです。
56. 感想 2016年10月21日 07:18
(つづき)
DNAから発現(転写)されたRNA(メッセンジャーRNA)の配列を見ても同じことが成立します。この場合は、ある細胞に発現する遺伝子が細胞の種類ごとに異なるので、検出されない遺伝子も出てきます。しかし、(同種の細胞に由来する限り)発現する遺伝子に関しては、母版・父版のどちらが変換に使われるかは基本的にランダムなので、RNAの配列のアリル比も1:1になります。実際にはランダムに選択されるとすると、観察される比は揺らぎ、二項分布に従うと理解できます(コインの表裏が同じ確率で出る場合、トスすると、偶然、表だけがよく出る場合もあれば、逆もあります。そのような揺らぎです)。
実験に用いられる純系マウスの場合は、父・母の配列がほとんど同じなので、アリル頻度をうまく知ることができません。しかし、129マウスとB6マウスの両親から生まれたF1マウスの場合には、129系統・B6系統の配列が異なる部分があるので、その部分だけに着目すれば、アリル比がわかり、それは1:1になります。
FI-SCと名の付いた細胞のRNAを、膨大な数読んだデータがデータベース上に登録されています。このデータを解析すると、①129:B6のアリル比が、平均すると9:95で検出されました。しかも、②TS細胞により多く発現する遺伝子ほど129のアリル頻度が多くなりました。さて、何が起こっているのでしょう? という問題です。
DNAから発現(転写)されたRNA(メッセンジャーRNA)の配列を見ても同じことが成立します。この場合は、ある細胞に発現する遺伝子が細胞の種類ごとに異なるので、検出されない遺伝子も出てきます。しかし、(同種の細胞に由来する限り)発現する遺伝子に関しては、母版・父版のどちらが変換に使われるかは基本的にランダムなので、RNAの配列のアリル比も1:1になります。実際にはランダムに選択されるとすると、観察される比は揺らぎ、二項分布に従うと理解できます(コインの表裏が同じ確率で出る場合、トスすると、偶然、表だけがよく出る場合もあれば、逆もあります。そのような揺らぎです)。
実験に用いられる純系マウスの場合は、父・母の配列がほとんど同じなので、アリル頻度をうまく知ることができません。しかし、129マウスとB6マウスの両親から生まれたF1マウスの場合には、129系統・B6系統の配列が異なる部分があるので、その部分だけに着目すれば、アリル比がわかり、それは1:1になります。
FI-SCと名の付いた細胞のRNAを、膨大な数読んだデータがデータベース上に登録されています。このデータを解析すると、①129:B6のアリル比が、平均すると9:95で検出されました。しかも、②TS細胞により多く発現する遺伝子ほど129のアリル頻度が多くなりました。さて、何が起こっているのでしょう? という問題です。
57. 感想 2016年10月21日 07:22
> 56.感想
訂正
(誤)①129:B6のアリル比が、平均すると9:95で検出されました。
→(正)①129:B6のアリル比が、平均すると5:95で検出されました。
訂正
(誤)①129:B6のアリル比が、平均すると9:95で検出されました。
→(正)①129:B6のアリル比が、平均すると5:95で検出されました。
58. モンキー 2016年10月21日 10:14
54. 感想様
データ解析については、初めから理解は無理だろうと原理(理屈)の部分は読み飛ばしてきてしまったので、つまみ食いで気になる部分(結果の部分)だけ読んでも、なんとなくよくわからないで終わっていました。
55. 56. 感想様のご説明で、何を根拠にしているのかがはっきり分かりすっきりしました。
ありがとうございます。
データ解析については、初めから理解は無理だろうと原理(理屈)の部分は読み飛ばしてきてしまったので、つまみ食いで気になる部分(結果の部分)だけ読んでも、なんとなくよくわからないで終わっていました。
55. 56. 感想様のご説明で、何を根拠にしているのかがはっきり分かりすっきりしました。
ありがとうございます。
59. 感想 2016年10月21日 12:38
モンキーさん、お役にたてうれしいです。
訂正です。
> 56.感想
> 実験に用いられる純系マウスの場合は、父・母の配列がほとんど同じなので、アリル頻度をうまく知ることができません。
これはちょっと変な言い方でした。正しくは、例えばB6マウスの純系マウスなら、(B6型の)アリル頻度が100%といったほうが自然ですね。父・母のどちらに由来するかがわからないだけです。
FI-SCのサンプルに関しては、129:B6のアリルをみたとき、B6のアリル頻度が100%の細胞と、B6のアリル頻度が50%の細胞を、9:1で混合すると、B6のアリル頻度が95%となって観察されるという解釈ですね。
訂正です。
> 56.感想
> 実験に用いられる純系マウスの場合は、父・母の配列がほとんど同じなので、アリル頻度をうまく知ることができません。
これはちょっと変な言い方でした。正しくは、例えばB6マウスの純系マウスなら、(B6型の)アリル頻度が100%といったほうが自然ですね。父・母のどちらに由来するかがわからないだけです。
FI-SCのサンプルに関しては、129:B6のアリルをみたとき、B6のアリル頻度が100%の細胞と、B6のアリル頻度が50%の細胞を、9:1で混合すると、B6のアリル頻度が95%となって観察されるという解釈ですね。
62. 感想 2016年10月21日 19:53
50. Ts.Markerさん
「FI-SC」でなく、「STAP」のサンプルのほうの話ですね。データからわかる細胞の特徴は、TS Markerさんの挙げられたとおりなのでしょうね。ストレス応答遺伝子の発現については知りませんでした。確かに手元の解析結果でAtf3の発現を調べると、ESC, TSC, FI-SCに比べ、STAPでは100倍以上の発現がありますね。
この細胞でSox21の発現があるのは何を意味するのですかね。このTruSeq試薬で解析されたSTAP細胞は、遺伝子発現のクラスタリング結果を見るとES細胞からは遠いので、ES細胞ではないんじゃないでしょうか。SMARTer試薬で解析されたSTAP細胞とはゲノムの特徴も違い、ES細胞であることを示唆する積極的な証拠も特にないですよね。何かES細胞ではない細胞をストレスにさらすと、Sox21が発現することがあるのですかね。ちなみに、この細胞のOct4 (Pou5f1)の発現を見ると、ESCやFI-SCの50分の1ぐらいの発現ですね。STAPと関係するか分かりませんが、Sox21の発現には何かの意義があるのかもしれませんね。
細胞に様々なストレスを与えて、網羅的に遺伝子発現を見るという研究があると思うので、それらのデータと合わせて解析してみると、何か面白いことがわかるかもしれませんよ。
「FI-SC」でなく、「STAP」のサンプルのほうの話ですね。データからわかる細胞の特徴は、TS Markerさんの挙げられたとおりなのでしょうね。ストレス応答遺伝子の発現については知りませんでした。確かに手元の解析結果でAtf3の発現を調べると、ESC, TSC, FI-SCに比べ、STAPでは100倍以上の発現がありますね。
この細胞でSox21の発現があるのは何を意味するのですかね。このTruSeq試薬で解析されたSTAP細胞は、遺伝子発現のクラスタリング結果を見るとES細胞からは遠いので、ES細胞ではないんじゃないでしょうか。SMARTer試薬で解析されたSTAP細胞とはゲノムの特徴も違い、ES細胞であることを示唆する積極的な証拠も特にないですよね。何かES細胞ではない細胞をストレスにさらすと、Sox21が発現することがあるのですかね。ちなみに、この細胞のOct4 (Pou5f1)の発現を見ると、ESCやFI-SCの50分の1ぐらいの発現ですね。STAPと関係するか分かりませんが、Sox21の発現には何かの意義があるのかもしれませんね。
細胞に様々なストレスを与えて、網羅的に遺伝子発現を見るという研究があると思うので、それらのデータと合わせて解析してみると、何か面白いことがわかるかもしれませんよ。
63. 感想 2016年10月21日 19:56
あ60.モンキーさん
> コンタミしていたCD1はB6との雑種だったのですか?
いや尤もな質問だと思いますよ。おかげで(59. 感想)の説明の不正確な点に気が付きました。
混合物のうち10%がTSCのサンプルの細胞であるとすると、その配列はCD1系統の特徴を持つらしいので、129やB6とは直接関係のないマウス由来です。「B6のアリル頻度」という言い方は混乱を招きましたね。「B6と同じ配列になるアリルの頻度が平均50%ぐらいになっている細胞」というのが正確でしょうか。それを示すデータは、遠藤論文のFig.S1の左下隅のヒストグラムです。しかし、129B6ヘテロマウスの場合と違い、形の崩れたアリル頻度分布に見えます。
TSCや混合細胞がCD1系統の特徴を持つという論文の記述については、まだ自分で確認できていません。TSCのサンプルは、40%ぐらいのSNPsでB6型がヘテロです(遠藤論文Fig.2D)。私はCD1系統について詳しくないのですが、この系統が純系だとするとつじつまが合わない気がします。実はまだ私もよく理解できていません。疑問がたまってきたので、遠藤氏に教えを請いたくなってきました。遠藤論文は、私にとってはNGSデータ解析の勉強になる、面白い論文です。
> コンタミしていたCD1はB6との雑種だったのですか?
いや尤もな質問だと思いますよ。おかげで(59. 感想)の説明の不正確な点に気が付きました。
混合物のうち10%がTSCのサンプルの細胞であるとすると、その配列はCD1系統の特徴を持つらしいので、129やB6とは直接関係のないマウス由来です。「B6のアリル頻度」という言い方は混乱を招きましたね。「B6と同じ配列になるアリルの頻度が平均50%ぐらいになっている細胞」というのが正確でしょうか。それを示すデータは、遠藤論文のFig.S1の左下隅のヒストグラムです。しかし、129B6ヘテロマウスの場合と違い、形の崩れたアリル頻度分布に見えます。
TSCや混合細胞がCD1系統の特徴を持つという論文の記述については、まだ自分で確認できていません。TSCのサンプルは、40%ぐらいのSNPsでB6型がヘテロです(遠藤論文Fig.2D)。私はCD1系統について詳しくないのですが、この系統が純系だとするとつじつまが合わない気がします。実はまだ私もよく理解できていません。疑問がたまってきたので、遠藤氏に教えを請いたくなってきました。遠藤論文は、私にとってはNGSデータ解析の勉強になる、面白い論文です。
64. モンキー 2016年10月21日 21:21
63. 感想様
50. Ts.Marker様 62. 感想様 のコメントを見て、Tru-Seq STAP細胞について、以前遠藤先生がこちらのブログでコメントされているのを思い出し、探していたところ遠藤先生がこのブログのいくつかの記事にコメントされていたのを見つけました。
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/16018419.html
2014年11月02日 撤回論文の取扱いについて
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/15536754.html
2014年10月25日 科学論文の価値、研究の自由とその代償、「ハイリスク・ローリターン」の日本の若手研究者
にも、コメントされていたのですね。
その後の
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/15616641.html
2014年10月26日 遠藤高帆先生へ
の記事で
>>45. 遠藤高帆 2014年10月27日 21:41
>> EpiSCの系統についてはデータベース上の表記を信用した形で書いていますが、実際は129のrandom matingであろうことは把握しております。SNPsの情報からおそらくTesarらの2007年のNature論文で報告した細胞が分与されたものだと考えています。
私の解析の重要な点は、系統が129B6F1でないにもかかわらず129とB6の情報を用いてヘテロなSNPsの頻度を観察することができ、細胞の遺伝型を分析することができるということです。
この結果を得たことで両親の遺伝型が不明なヒト細胞への適用が可能ではないかと考え、さらに解析の適用範囲の発展を目指しているところです。
というコメントがあり、それがCD1でも問題なく解析できたということでしょうか。
(続く)
50. Ts.Marker様 62. 感想様 のコメントを見て、Tru-Seq STAP細胞について、以前遠藤先生がこちらのブログでコメントされているのを思い出し、探していたところ遠藤先生がこのブログのいくつかの記事にコメントされていたのを見つけました。
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/16018419.html
2014年11月02日 撤回論文の取扱いについて
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/15536754.html
2014年10月25日 科学論文の価値、研究の自由とその代償、「ハイリスク・ローリターン」の日本の若手研究者
にも、コメントされていたのですね。
その後の
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/15616641.html
2014年10月26日 遠藤高帆先生へ
の記事で
>>45. 遠藤高帆 2014年10月27日 21:41
>> EpiSCの系統についてはデータベース上の表記を信用した形で書いていますが、実際は129のrandom matingであろうことは把握しております。SNPsの情報からおそらくTesarらの2007年のNature論文で報告した細胞が分与されたものだと考えています。
私の解析の重要な点は、系統が129B6F1でないにもかかわらず129とB6の情報を用いてヘテロなSNPsの頻度を観察することができ、細胞の遺伝型を分析することができるということです。
この結果を得たことで両親の遺伝型が不明なヒト細胞への適用が可能ではないかと考え、さらに解析の適用範囲の発展を目指しているところです。
というコメントがあり、それがCD1でも問題なく解析できたということでしょうか。
(続く)
65. モンキー 2016年10月21日 21:22
(続き)
Tru-Seq STAP細胞については
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/19550534.html
2014年12月28日 桂不正調査委員会の調査で判明したこと
の記事に
>>19. 遠藤高帆 2014年12月29日 13:12
>> その場合ES細胞というより胚様体となり,遺伝子の転写パターンが異なります。
ChIP-seqのSTAPデータはESと極めて類似しており,著者らも取り違えるほどでしたので胚様体ではなかったと思います。
しかしRNA-seq (TruSeq試薬使用)で用いられたSTAP細胞は胚様体の遺伝子発現パターンに類似していました。より具体的に言うと胚様体形成開始後1週間程度の性質を示しています。
イメージ検索で"embyoid body day1"と検索して得られた画像と若山先生がインジェクションを行ったSTAP細胞塊の写真を見比べていただくとよいかもしれません。
というコメントがありました。
Tru-Seq STAP細胞については
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/19550534.html
2014年12月28日 桂不正調査委員会の調査で判明したこと
の記事に
>>19. 遠藤高帆 2014年12月29日 13:12
>> その場合ES細胞というより胚様体となり,遺伝子の転写パターンが異なります。
ChIP-seqのSTAPデータはESと極めて類似しており,著者らも取り違えるほどでしたので胚様体ではなかったと思います。
しかしRNA-seq (TruSeq試薬使用)で用いられたSTAP細胞は胚様体の遺伝子発現パターンに類似していました。より具体的に言うと胚様体形成開始後1週間程度の性質を示しています。
イメージ検索で"embyoid body day1"と検索して得られた画像と若山先生がインジェクションを行ったSTAP細胞塊の写真を見比べていただくとよいかもしれません。
というコメントがありました。
66. Ts.Marker 2016年10月21日 23:40
モンキーさん
ところで、あなたが昨年おもいっきり否定してたFLBについて
1574. モンキー 2015年09月01日 11:18
「Chimera embryosはキメラ胎仔ではないかと思います。」
は、まだそう思っているんですか?
ところで、あなたが昨年おもいっきり否定してたFLBについて
1574. モンキー 2015年09月01日 11:18
「Chimera embryosはキメラ胎仔ではないかと思います。」
は、まだそう思っているんですか?
68. モンキー 2016年10月22日 00:03
あ66. Ts.Marker様
小保方研のフリーザーリストなどを見ると、幹細胞の可能性もありますね。
イメージとして、2Nキメラあるいは4Nキメラを作る時のようにSTAP細胞を胚盤胞にインジェクションして一定時間培養後ES細胞を樹立するような手順で内部細胞塊を取り出して培養したものを、ホスト細胞と分別するためにソートして取り出したものなのかななどと考えていますが、今ある情報だけでは判断できません。
ただ、わざわざキメラ胚にしなくても幹細胞化できるのなら、上記の手法による幹細胞化にあまり意味がなかったと考えてボツにされてしまったという話も納得できます。
小保方研のフリーザーリストなどを見ると、幹細胞の可能性もありますね。
イメージとして、2Nキメラあるいは4Nキメラを作る時のようにSTAP細胞を胚盤胞にインジェクションして一定時間培養後ES細胞を樹立するような手順で内部細胞塊を取り出して培養したものを、ホスト細胞と分別するためにソートして取り出したものなのかななどと考えていますが、今ある情報だけでは判断できません。
ただ、わざわざキメラ胚にしなくても幹細胞化できるのなら、上記の手法による幹細胞化にあまり意味がなかったと考えてボツにされてしまったという話も納得できます。
69. 感想 2016年10月22日 07:29
64. モンキーさん
ありがとうございます。さすがですね。関連のある情報をどこからともなく持ってこられる点、いつもすごいと思います。
EpiSCの系統は、論文では129B6F1とされるとなっているだけで、実際の系統についてはちゃんと書かれおらず、アリル頻度分布などのデータでは129B6F1ではないように見えました。その点64.である程度謎が解けました。129B6F1以外のものにも適用可能なところがポイントだったというのは、著者から聞ける貴重な言葉です。確かに基本形は私の説明にあったように、両親のアリルが区別できることですが、SNPsレベルで見ると、両親の系統が分からなくても(=どの配列がどちらの親に由来するか知らなくても)、塩基が区別できさえすればよいということになります。ここに発想のジャンプがあるのかもしれませんね。65.の胚様体との類似については、論文には書かれていません。根拠となるデータを見てみないことには判断できませんね。
ありがとうございます。さすがですね。関連のある情報をどこからともなく持ってこられる点、いつもすごいと思います。
EpiSCの系統は、論文では129B6F1とされるとなっているだけで、実際の系統についてはちゃんと書かれおらず、アリル頻度分布などのデータでは129B6F1ではないように見えました。その点64.である程度謎が解けました。129B6F1以外のものにも適用可能なところがポイントだったというのは、著者から聞ける貴重な言葉です。確かに基本形は私の説明にあったように、両親のアリルが区別できることですが、SNPsレベルで見ると、両親の系統が分からなくても(=どの配列がどちらの親に由来するか知らなくても)、塩基が区別できさえすればよいということになります。ここに発想のジャンプがあるのかもしれませんね。65.の胚様体との類似については、論文には書かれていません。根拠となるデータを見てみないことには判断できませんね。
学とみ子からひと言
一研究者ブログで熱く語っていた方々は、いまはどうしているのでしょうか?
又、こちらへ来て書き込んでくれるとうれしいですけどね。
コピペの間違いがあればご指摘ください。