L より:
周回遅れのコメントですいません。私が言わんとした事は、ため息さんがおっしゃられている通りです。T細胞系と体細胞系を分けて考える事により、学さんの誤解が解けないか、自分なりの試みとして、学さんのところで2、3回同様のコメントをしました(未承認前提だったのですが、最後のコメントだけ承認されてます)。結局うまく行かず、このような形でお騒がせする事になり申し訳ありません。 
oTakeさんの質問に関してですが、成熟T細胞が存在しない免疫不全マウスが何種類かありますので、その胚盤胞(もしくはより早期の初期胚)を宿主としてキメラを作れば、宿主T細胞の関与のない実験系になります。理論上は可能と思いますが、個人的にはそのような実験の経験はなく、何らかの技術的な問題があるかもしれません。
TCRの件をはじめとする擁護派と否定派の論争(?)や、桂報告書の記述そのものの中に、心理学者の河合隼雄先生が「中空均衡構造」と仰っていた、日本的な構造が透けて見える気がします。正(テーゼ)と反(アンチテーゼ)を統合してアウフヘーベンするヨーロッパ型の「中心統合構造」とは異なり、中心を空にする事により、その周りを回るように、互いに相反したり矛盾したりする概念(正と反)が、統合される事なく共存する構造のようで、古事記など日本の神話時代の記述にすでに見られるそうです。相反する概念を均衡共存させる、誤解を恐れずに言えば「手打ちにする」みたいな感じで、桂報告書の真骨頂のように感じます。狸さんの言葉を借りれば、「闇とうまく付き合う」感じでしょうか。
私は心理学については全くの素人ですので、的外れだったらすいません。ここのコメンテーターさんの中では、例えばアノ姐さんとか、この分野が専門かも、という印象を持っているのですが、ユングとか箱庭とか、お嫌いでしょうか?
学さんの場合、明らかに理論構築がおかしかったり、一貫性のない行き当たりばったりな記載が見られたりしますが、これまでのSTAP論者とは異なるユニークな視点を提供しているのも事実と思います。間違っている所をどんなに理詰めで説明しても、それが統合される事は(ほとんど)ないと私たちは思い知ったわけですが、その点にはちょっと目をつぶって、均衡共存を目指すというのも、日本人的な知恵かもしれないと思ったりします。
plus99%(1103)さんには、またどこかでお会いしたいと願っております。


L より:
本物のプロは、不十分な情報しかない状況で、断定的な事を言ったりしませんよ。筆頭著者から情報が十分出てない(この事自体は非難されるべき事です)状態で、『異常な本です』と言い切ってしまう方を、私は尊敬できないですけどね。NHKの番組に出てらした研究者の方々や、桂調査書をまとめた研究者の方々が、どのような表現をされていたか、思い出してみては如何でしょう? 彼らは、本物のプロだと思いますよ。
ところで、線路はどこまで続くのでしょう?


L より:
このゲル写真は、Scienceのfigureでも使われたものでしょうか? もしそうなら、Scienceのreviewで ”spliced in” と指摘されている ”lanes 3 and 6”(別スレでの体内時計さんのコメント参照)というのは、どのレーンなのでしょうね? Lane 3は、このゲルでも3番目の「リンパ球」とラベルされているレーン(切り張り確定済み)である可能性が高いと思われますが、lane 6はどれでしょう? 順に追えば、6番目のSACs #3かと思いますが、このレーン(と次のレーン)はGLのバンドが非常に弱く、CD3で純化した細胞からのSACでないと説明つかないかもしれませんね。
個人的には、 SAC由来2Nキメラサンプルの#1が興味を引きます。これが本当にtail tipのサンプルだとすると、血球混入では説明できないレベルのTCR rearrangeが見られる事になります。T細胞由来STAPがキメラに貢献した証拠になり得るので、このキメラは徹底的に解析すべきだったと思うのですが、、、
一方で、Scienceのreviewで指摘されたlane 6が、キメラ#1のレーンだった場合は、意図的な切り張りの可能性も否定できません。その場合は、lane 3の「リンパ球」レーンの切り張り(これは科学的結論にほとんど影響しない)より、はるかに深刻な問題になり得ますね。
この特許のゲル写真の切り張りについて、 詳細ご存知の方がおられたら、教えてもらいたいです


L より:
ため息さん、私がこれまでに見た記憶があるのは、oTakeさんのおっしゃるGel 1&2だけで、今回のは初めて見ました。色々な意味でちょっと驚きです。特許に疎いので、基本的な事で申し訳ないのですが、何点かお伺いしてよろしいでしょうか?
(1) この写真は、2016年11月16日出願の国際特許での図、すなわち小保方さん抜きでVacantiが英語で出願した書類の翻訳版に含まれている図、という理解でよろしいでしょうか?
(2) その場合、この写真はVacantiが自分で特許書類に新たに加えた図と考えてよろしいでしょうか?
もしそうであれば、この写真はVacantiの手元にある何らかの図表をコピペしたものではないかと考えます。STAPがらみで過去に論文投稿されたバージョンはすべて、Vacantiに送られていると思いますので、そこで使われた図表からのコピペではないかと邪推しています。最後のNature版にはこの図は入っていないので、Science版あるいはそれ以前の投稿で用いられた図を引用し、ラベルだけ翻訳された可能性を考えます。
荒い画像にもかかわらず、解析どうもありがとうございます。素直にSACs#3をlane 6の切り張りと捉えるのが妥当なようですね。とすると、SAC由来2Nキメラサンプルの#1が、一体何のサンプルなのか、色々な意味で興味深いです。


L より:

今更ですけど、Gel-2は面白いですよね。レーン27、28の2NキメラのTCR再構成パターンが、CD3+ T細胞とは異なっています。一番下のバンドをプライマーダイマーとして除外すると、一番小さいDJ2のバンドがレーン27、28で見られません。このバンドは一番出やすい(例えば、PCRのかかりが悪いレーン17でも見られます)のですが、2Nキメラでは見られない事から、このキメラでのTCR再構成は、ホスト由来のT細胞のコンタミとは考えにくいです。どのようなサンプルなのか、詳細な情報を出してもらえれば、 科学的な議論が十分可能なデータなんですけどね。
以前にも書きましたが、吉村先生の「せいぜい1本」というのは、過小評価の可能性があります。前提となっている諸条件が、信頼できる考察に基づくのかどうか、よく考えられた方が良いかと思います。

L より:
oTakeさん、色々とありがとうございます。図の切り張りのストラテジーについては、何となく理解できた気がします。いずれにせよ、SAC由来2Nキメラサンプルの#1が、どのような由来なのか、情報がないと何とも言えないですね。
個人的には、SACとSTAP clusterは同義(細胞塊をそのままピックアップしてゲノムDNA抽出したサンプル)と考えています。“Sorted Oct4+”は、光っている細胞塊を集めて、一回シングルセルにしたのち、FACSでGFP高発現細胞をソートしてゲノムDNA抽出したサンプルと思われます。ソートがきちんと行われていれば、“Sorted Oct4+”サンプルは、初期化された細胞が高純度で集められたものと解釈可能ですが、STAPチームはFACSをきちんと使えてなかった可能性が高いので、ソートの意味がどれほどあったかは不明です。


L より:

4倍体のキメラであっても、脾臓CD45のSTAPを用いた場合は、B細胞やマクロファージ由来のSTAPからT細胞のレパトアが再構築され、血中を循環すると解釈され、2Nキメラにおけるホスト由来T細胞混入と同様の問題になると思います。なので、微弱な再構成バンドでは、T細胞由来STAPの証明にはならないと思いますよ。
もしデータが公開されているのなら、私も見てみたいですけどね。


L
2018年12月7日 5:18 AM
私の場合、よく分かってない学生さんが出してくるデータの方を信じる事が多いです。技術的な問題は、ポジコン、ネガコンを用いた評価を徹底する事によりある程度解決できるので、その上で再現性のある「変なデータ」を持ってくる学生さんとの議論は楽しいです。知恵がついてくると、どういうデータを出すとボスの仮説にあうか忖度したり、論文に載るのはどういうデータか戦略的に考えるようになって、バイアスが入りやすくなります。そこを見抜いて指導していくのは、ちょっとしんどいです 。

小保方さんの場合は、その両方が混在しているように思います。突拍子もないデータもあれば、忖度のデータもあると思います。後者については不正絡みのものも多いだろうと思うのですが、元々は純粋な観察で得られた「変なデータ」から始まった話と思っています。最初から意図的な捏造で作られた話と決めてかかるような論調だと、ちょっとかわいそうかな、と思います(甘いかもしれませんが)。

STAP論文の最大の特徴として、コントロールの欠落が挙げられると私は思っています。コントロールがないと、「変なデータ」の評価はできないですので、この点は、論文投稿される前に指摘されるべきだったと思います。STAP論文の共著者の中で、誰が指導的な立場にあったのかは、議論が分かれるところだと思いますが、 論文作成段階では全著者が「シニア」としての責任を果たすべきだったと考えます。コントロールがないのに、この「変なデータ」をそのまま論文にしてしまった責任は、全著者が負うべきなのに、小保方さん一人に偏りすぎているように感じます。以前に引用されていた本庶先生のTCRコメントでは、笹井先生、若山先生、丹羽先生の責任をかなりきつい口調で指摘されていたと思います。ハーバードや女子医の指導者の責任も大きいと思いますが、何も追及されていませんね。

ゲルに戻ると、Gel-2に関しては、論文に採用されていない2Nキメラサンプルをミスラベルする動機が存在しないように思うので、意図的なミスラベルではないだろうと思っています(エラーの可能性は否定できません)。一方で、特許の方は、十分な動機があると考えており、多少疑いの目で見てます。これらのTCRデータは、複数の「シニア」が見たと思われ、その上で、少なくとも笹井先生と丹羽先生は、コントロール実験の欠落や、システムの不備を理由に、論文から外す決断をしたと思われます。特許あるいはサイエンス投稿バージョンなど、笹井先生、丹羽先生が参加する前の段階では、どのような議論が行われたのか、 情報がないように思います。

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L
2018年12月7日 6:23 AM
あまり議論する意義がないですが、T細胞由来STAPが1個でもあれば、最大で2本のDJ2再構成バンドがでる可能性があります。2個あれば最大で4本です。脾臓のCD45陽性細胞のうち、T細胞は1%から4%とする前提が、間違っている可能性もあります。T細胞STAPのキメラができていたかどうかとは関係ない話です。間違った理論構築に基づいている可能性がある言説を、都合が良いからとそのまま受け入れるのは、擁護の方々の発想と同じであり、あまり感心しません。

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