T細胞を酸浴させるとまっさら細胞となるはずだから、
元T細胞からSTAPキメラができてもよい、
いやできるはず、
いやできなければいけない、
できなかったのだから実験をごまかした、
ねつ造した・・と
どんどんエスカレートしたのが、STAPのTCR実験でした。
こちらにいらした細胞専門家STAP論者さんも、キメラのTCRバンドは必要だ!のような話しぶりでした。
どうやら、生物学者の認識では、体細胞のTCR遺伝子を調べれば、元T細胞から臓器(尻尾部分で代表)ができたことが証明できるはずとお考えのようです。
T細胞では、TCR遺伝子の一部にDNA配列変化が残されており、TCR遺伝子D2J2領域でこの共通性のDNA変化が証明できるはずの誤解のようです。
元T細胞から臓器(尻尾部分で代表)ができることが、STAP証明の何よりの証拠との誤解が起きるようです。
なぜ、尻尾なのかというと、STAP論者さんの答えは、ホストマウスの血液細胞が少ないからだそうです。
若山研究室でも考え方に同じようなミスが起こり、さらに実際に実験までしてしまいました。
この若山研究室が犯したミスと同じような間違いをSTAP論者さんは書き込んでしまいました。
専門家と言えども、ご自身の専門分野以外では考え方のミスがあるわけですから、新規研究においては、間違いは許容し合わないといけないと思います。
さて、元T細胞は簡単には体細胞にはならないと、学とみ子は思うのですが、その根拠として臨床例があるのです。
この大事な事に注目してくれる人は少ないのですが、この医学的事実は以前にも書きました。
小児の免疫不全症では、体表奇形、臓器奇形を伴います。
その理由は、胚が体を形成していく過程で発現してくる遺伝子は、同時に生体の免疫機構を作り上げる時も、その遺伝子が再度、発現してきます。
つまり、遺伝子は、共通的に使われたりするのです。
一見、異なる機能が、同一の遺伝子の働きによって起きてくるのです。
“元T細胞は、分化に不利”とする考え方は、アルイミ氏から忠告を受けているこの点ですが、少し、参考になるかと思えるよう記事がありました。
この研究は、T細胞、B細胞への分化における遺伝子制御の仕組みの一部を解明したものです。
ある遺伝子を欠損させたらT細胞はできず、B細胞になり、その機序を解明を調べています。
ここで、登場するのは、ポリコーム複合体遺伝子です。
T細胞分化を制御する遺伝子群の一部であるポリコーム複合体遺伝子は、形態の形成にも大事な働きをしている事実が示されています。
胎児が作られていく過程では、分化遺伝子がカスケードで発現が起こります。
STAP実験において、元T細胞だった細胞では、TCRの再構成以外にも、他の遺伝子制御への影響が残っているかもしれません。
TCR遺伝子に変化が生じた元T細胞は、形態形成遺伝子に対しても、何らかの影響が残ってしまっているのではないか?との想像です。
何しろ、全くまだ解明されていない分野ですので、考えるのは自由です。
何しろ、全くまだ解明されていない分野ですので、考えるのは自由です。
同じ遺伝子が、異なる細胞機能を制御しており、生き物が出来上がっていく時期(個体発生時)と、すでに生き物となった時期では、異なる働きの遺伝子が、実は、両者とも同一の遺伝子だったりしているのです。
こうした機序解明は、さらに白血病などの治療にもつながる研究です。
がん細胞に酸浴が影響を与えるという論文はありましたが、いろいろな刺激で細胞がどう変化するかの研究は無限性を秘めています。
がん細胞に酸浴が影響を与えるという論文はありましたが、いろいろな刺激で細胞がどう変化するかの研究は無限性を秘めています。
それでは、理研の研究の一部をコピペしておきます。青字
下線部分にご注目ください。
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そこで共同研究チームは、さまざまな細胞の運命制御に関わるポリコーム複合体に注目しました。まず、T細胞特異的にポリコーム複合体遺伝子「Ring1A/B を欠損させたマウスを作製し、T細胞分化における役割を解析しました。その結果、Ring1A/B欠損マウスの胸腺ではT細胞が全く作られず、未分化な前駆細胞段階で分化が停滞しました。このRing1A/Bを欠損したT前駆細胞を調べたところ、同じリンパ球であるB細胞の特徴を示す遺伝子の発現が上昇していました。そこでB細胞への分化能を調べるために、Ring1A/Bを欠損したT前駆細胞を放射線照射した免疫不全マウスに移植したところ、T細胞は全く生成されない代わりに、骨髄および脾臓において抗体産生能を持つB細胞が生成されました。次に、B細胞分化に重要な遺伝子「Pax5」を欠損させたところ、Ring1A/Bを欠損させてもT細胞は正常に分化し、B細胞へ運命転換しなくなりました。このことからRing1A/Bは胸腺において、主にPax5の発現を抑制することによりT細胞の運命を維持していると考えられます。
ポリコーム複合体はこれまで、個体発生時の形態形成において重要であることは知られていましたが、今回、免疫細胞の生成・維持にも不可欠であることが示されました。ポリコーム複合体はT細胞急性リンパ性白血病や急性骨髄性白血病など、さまざまな白血病細胞で変異がみられるため、T細胞などの免疫細胞が作られるときのポリコーム複合体の機能をさらに解明することにより、白血病の発症機構の解明や新しい治療法の開発に繋がると期待できます。
ポリコーム複合体、PRC1、PRC2
ポリコームタンパク質が集合した複合体。もともと形態形成に関わるホメオティック遺伝子の発現を調節する因子として発見されたが、現在ではさまざまな細胞の遺伝子発現を制御することにより、発生・分化に重要な働きをすることが知られている。PRC1はCBX、PCGF、RING1、PHCというタンパク質を含み、ヒストンH2Aの119番目のアミノ酸残基であるリジンのユビキチン化を引き起こす。PRC2はEED、EZH、SUZ12などのタンパク質を含み、ヒストンH3の27番目のアミノ酸残基リジンのメチル化を行う。PRC1とPRC2が協調して遺伝子発現を抑制すると考えられている。
関連して以下の理研情報も参考にしてください。
遺伝子制御の実態は専門家にまかせるにしても、T細胞が誘導されていく過程が極めて複雑という事実は意識しましょう。
T細胞は、危険な細胞でもあるので、過剰な増殖が起きないような複雑な制御が張り巡らされています。
T細胞はまわりに配慮して、特異抗原が存在するのを確認しながら生存しています。
勝手な増殖が起きないようになってます。
T細胞が抱える厳密なる遺伝子制御上での制約が、酸浴によって全く消滅するとの考え方は、少し無理がありませんか?
こうした制約付きの細胞は、体細胞形成過程では不利ではありませんか?
T細胞は、血液細胞になる時は不利だけど、体細胞になる時は関係ないはずとの考えもあります。
いずれにしろ、すべて仮説です。
否定できるのは、キメラはT細胞から作られるべきとの考え方です。
多能性をもつ造血幹細胞からT細胞が作られる過程では、分化能が少しずつ限定され、最終的にT細胞だけにしかなれないT前駆細胞になるという過程を経ます。