昨日のアップで、まずますLさんの気持ちを損ねてしまったと反省しています。
しかし、学とみ子が一旦アップしてしまったものは、自己責任であり、これからも私は茨の道か?と感じています。

Lさんには、何度か過去に学術的なアドバイスをいただきましたので、大変、感謝していることはお伝えしたいと思います。

誰でもでもそうだと思いますが、それぞれの人ごとの自論や自尊心があります。
極端な言い方が許されるなら、”一寸の虫にも五分の魂”となります。
学とみ子は細胞実験の専門家でないのですが、考えることはあります。

今年、6月28日にLさんからご教授のコメントをいただいています。
Lさんご本人がアップしないで欲しいとの要望があり、公開されていません。
内容は、純粋に学問的なものです。
ES細胞を胚盤胞に入れる場合、造血系に遺伝子欠損があるES細胞では、キメラマウスとなった時に、その細胞からは造血系の細胞はできない、ホスト由来の送血細胞になるはずとの説明です。

これは、その分野の研究者にとっては一般的な解説としてありがたく読みました。
つまり、STAPの場合も、元T細胞から体細胞はできるはずとの説明になると、Lさんは示唆されたのでしょう。このあたり、いくら学とみ子に言っても聞き入れないとの、Lさんのご指摘の点かもしれません。

従来、T細胞からの初期化は難しいと学とみ子は言っていて、これが当ブログにおいて、喧々諤々、ため息氏グループの人たちと、お互いにののしりあう論争となっていました。

ここで、当ブログ主のエントリー権を使うようで申し訳ないですが、学とみ子の理屈を書かせてください。

まず、上記の説明は、ES細胞の場合だということです。
由来同一のES細胞なら同じ細胞ですから、お互いのES細胞の増殖能力は一緒で、生存競争はフェアと予想します。

上記の場合、ES同士の遺伝子条件が一部で違う場合はどうなるでしょうか?
血液系遺伝子異常のあるESは、正常ESと同じ起源のESなのでしょうか?
つまり、これらのESは同じ胚盤胞由来か?ですが・・・。
同じ胚盤胞から取り出した、正常ES細胞のうち、一部のES細胞の血液系遺伝子を欠損させて、それを増殖させ、元の仲間のESと混ぜて同時に胚盤胞へ注入させ、増殖させキメラを得るという実験系だと思います。

この場合は、造血系遺伝子の一部異常の細胞は、全く胚内での増殖に影響がないのでしょうか?遺伝子欠損部位が大きくなるほど、生存には不利ではないでしょうか?
造血系遺伝子の一部異常のある細胞成分が多ければ、キメラで生まれる確率は低下しないのでしょうか?

もし、起源の違う2種類のESを同時に同じ胚盤胞にいれたら、ESの質でキメラの陣地取りがどのように進むかはわからないだろうと思います。
それぞれESにもキメラ構成能力にかなり差があるもののでしょう?(強いESが弱いESに負ける?)

さらに、これはES細胞の話で、STAP細胞とは実験系が違います。
まず、酸浴実験では、ES並みの初期化が得られたかどうかについては研究半ばでした。
エピジェネティクス状態もES並みであるかは保証されない実験系だったのではないですか?

実験のたびに毎回作られるSTAPは、その初期化能が一定ではないことが、遺伝子発現解析でも指摘されています。
初期化の程度と質が毎回、変わっていたと思います。
なにより材料となったマウスの質により大きな影響を受けた可能性があります。

iPS細胞の場合でも、元の体細胞が何であったかにより、iPS細胞のエピジェネティクス状態に影響すると言われています。

TCR,BCRを持つ細胞は特別のミッションを持った細胞で、抗原刺激が細胞生存に必須と考えらており、その条件を凌駕するのが人工的な初期化因子の導入でした。
つまり、T細胞、B細胞から作られる元TCR,BCRを持ったiPS細胞です。

aruimiouji氏から情報提供されたジェイコブ・ハンナ氏のセル誌の論文の一部です。
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(08)00447-9

ハンナ氏のBCRを持った細胞をiPS細胞とする場合にも、著者はいろいろ工夫をしています。
まず繊維芽細胞に山中4因子をいれてキメラを作製し、そのキメラ骨髄から未熟B細胞(preBCR, proBCR)を取り出し、培養条件と転写因子の工夫によりiPS細胞となった未熟B細胞(iB-iPS)を得ています。

次に、IgM+IgDのBCRをもったキメラ脾臓由来最終分化B細胞からも、iPS細胞を得ています(B-iPS)。このiPS細胞の作成はさらに困難でした。結局、モノクロール化させてBCR図を得ています。アルイミ氏の解説あります。
下記に引用します。茶字

ジェイコブ・ハンナのこの論文では、成熟細胞を普通のOSKMではiPS化出来なかったので、一旦、C /EBPαを過剰発現することでPax5を準ノックダウン状態にしてマクロファージ様細胞にしてから、成熟B細胞由来のB-iPS細胞を得ています。但し、幼若なB細胞からは普通にOSKMでB-iPSを得ています。
※論文中の略記として成熟B細胞由来のiPS細胞をB-iPS、未熟なB細胞由来をiB-iPSとしていますが、学さんのコメ欄で僕がB-iPSと書くときにはこれを踏襲している訳ではありません。
削除
2018/10/4(木) 午前 0:49 [ aruimiouji ]

手間ひまかけて、iB-iPSとB-iPSのそれぞれセルラインにしてからキメラを作製し、BCRサザンブロッティングのゲル図を得ています。

上でアルイミ氏は、幼弱なB細胞は普通にOSKMで初期化していると書いていますが、キメラ骨髄から採取した未熟B細胞(preBCR, proBCR)の場合でも、B細胞増殖をサポートするサイトカインを入れたり、骨髄ストローマ細胞を加えたりして、かなり苦労していると思います。
IgM+IgDのBCRをもつ成熟B細胞は、さらなる人工操作が加えられています。
成熟B細胞の初期化には、アルイミ氏の説明の様に転写因子を特別に調整して、初期化遺伝子の発現と増殖能の獲得に成功しています。

こうしたことを考えると、やはり元T細胞は簡単には体細胞にはならないと思います。
あくまで想像ですが、これだけ、手間ひまかけなければできないT細胞からの初期化を、なぜ、STAPは要求されたのでしょうか?
とりもなおさず、ES混入が最初から疑われていたからでしょう?
なぜ、ES混入が最初から疑われていたのですか?

こうした疑問を、素人はいろいろに持っているのです。
この素人の質問に対しても、プロは一笑に付さないで、何らかの答えを示唆しても良いと思います。(これはプロの科学者全体への質問です)

STAP細胞の初期化能の場合は、iPS細胞と同様に分化T細胞までを初期化に持っていけるかの証明は、まだ、できていません。
酸浴細胞の何がキメラになったのかすらわかりません。

TCRを持つ細胞が生き残るのは、困難であると学とみ子は考えました。
TCR遺伝子情報は、普通の体細胞では発現しないのだから、キメラ体細胞になる場合には不利ではないと結論してしまうことは危険ではないでしょうか?

脾臓由来の多様な細胞も一緒に混ぜて注入されたからこそ、キメラができた可能性があると考えるのが普通ではないのでしょうか?

そうした基礎研究がまだ全くない時点であるにもかかわらず、NHKでも「キメラでTCRが無ければ立ち止まるべき」などと一般向けの解説付きで放映されました。

こうした事実からわかるように、TCRはキメラで検出されるべきと誤解した人は少なくないと思います。

キメラマウスの尻尾細胞からTCRを持つ細胞が証明できないことを持って、キメラ実験での証明失敗、STAP細胞は著者らのごまかしであるとまで言われました。

小保方氏は、従来作られていたSTAP細胞にES並みの初期化能がないことを知っていました。そうしたことが「あの日」につづられています。

ハンナさんの論文は難しいので、わからない方は、下線部分のみインプットください。