和モガ‏さんが8月5日ツイッターに以下の報告をされています。 
竹市センター長の2014年6月26日付け「CDBに保全されているSTAP関連細胞株に関する検証」文書。このとおりやれば、桂調査報告書のようなトンチンカンな結論にならずに済んだのに。

と和モガツイッターでおっしゃっています。ここにはノンコーディングRNAと遺伝子発現が言及されています。

ノンコーディングRNAのウィキペディアの解説は以下です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0RNA

ES、iPSについての初期化に関するレビューがありましたので紹介します。
翻訳ではありませんので、元論文にアクセスしてください。

iPSの性状に関する研究やiPSを使用した臨床応用に関しては、医学界でも多くの議論があるでしょう。国際学会でも、喧々諤々の議論がおきる現状だと思います。

意識的にiPSを潰してやろうとの研究グループもいると思います。
新規科学、新規治療には議論がつきもので、権力抗争が起き、科学者は常に戦わないとならない運命にあります。山中グループも常に世界で戦っていると思います。
日本は、マスコミの英語力がないので、新規治療は問題点が強調されます。
英語圏ではないことの、日本がかかえる不幸かもしれません。

ここでいろいろ議論しているマイクロRNAとは、遺伝子を制御する転写因子を制御する物質です。
転写因子がDNA配列に結合する際、そこを調節する役割のマイクロRNAを論じています。
この論文で引用されている図を最後にアップします。

タイトル:ESとiPS細胞の類似性および相違点
胚盤胞の内部細胞塊に由来するヒト多能性幹細胞は、ヒト胚の破壊を伴い倫理的懸念がある。これらの倫理問題が集中的に議論されてから15年以上が経過した今、人の株化されたES細であるH1(雄)とH9(雌)のヒトES細胞株が、胚性幹細胞を扱う研究室で使用されている。
一方、人工的に誘導された多能性幹(iPS)細胞は、ES細胞の代替物とみなされている。
 ES細胞、iPS細胞は多能性があり、自己複製し、初代で3つの胚葉に分化し、奇形腫およびキメラマウスを形成することができる。

最初のヒトiPS細胞株は、ヒト成人真皮の線維芽細胞にOCT4、SOX2、KLF4およびc-MYC(OSKM)の多能性関連因子をレトロウイルスベクターで形質導入することによって、約0.02%の確率の再プログラミングを得た。同様に、レンチウイルスを用いてOCT4、SOX2、NANOG、LIN28(OSNL)をトランスフェクションした細胞も作られたが、再プログラミングは低率であった。

iPSおよびES細胞由来心筋細胞の転写プロファイルの比較では、iPS由来の心筋細胞(拍動する細胞群)は、ES細胞由来のヒト心筋細胞と比較して、転写プロファイルの1.9%のみが異なり、機能的および生理機能が同じであった。しかし、iPS由来の拍動する細胞集団(心臓細胞)は、未分化のiPS細胞といくつかの遺伝的およびエピジェネティックな特徴を共有していた。

別の研究では、iPSおよびヒトES細胞に由来する神経細胞を比較すると、機能や転写が類似した。ES細胞由来神経細胞と比較すると、iPS由来神経細胞は、効率が低く変動性が高い。

成人線維芽細胞からレンチウイルスを使ってOCT4、SOX2、KLF4(OSK)およびUtf1の転写因子を導入したiPS細胞は、効率的にヒト肝細胞に分化した。この誘導された肝細胞は、ヒトES細胞から誘導された肝細胞や、レトロウイルスを使って OSKMを導入した細胞と同様の肝細胞への効率性を示した。

注:Utf1(ES細胞に発現している転写因子でマイクロRNA量を調節する。がん化にも影響を与える

ヒトiPS細胞の全ゲノムにおけるDNAメチル化パターンを調べた最初の研究は、CGcontex状態や非CG DNAメチル化レベルは、ヒトES細胞と高い類似性を示した。
しかし、ヒトiPS細胞は、大きなメガベースサイズ領域でCGメチル化およびヒストン修飾に違いがあり、セントロメアおよびテロメアに近い部分で非CGメチルに変化があり、iPS細胞における不完全なリプログラミング状態を示した。

別の研究では、リプログラミングの方法でメチル化に影響が出ることが示され、ヒト胎児皮膚線維芽細胞(体細胞)から核移植された細胞と、体外授精された細胞由来ES細胞は、メチル化および転写プロファイルは類似している。遺伝的に適合したiPS細胞とNT-ES細胞は同様のデノボコピー数変動を有する。

しかし、ヒト胎児皮膚線維芽細胞から、レトロウイルス/センダイウイルスを介して山中因子を用いて産生されたiPS細胞は、親の体細胞線維芽細胞から継承されたDNAメチル化パターンを部分的に継承しており、エピジェネティックな再プログラミングが不完全であった。
一方、ヒトES細胞株をiPS細胞同系株で比較した最近の研究は、全体的な遺伝子発現またはメチル化レベルで有意な差異を示さなかった。

iPS細胞は形態学的にも機能的にもES細胞に類似しているが、一部の遺伝子発現や、リプログラミング因子のプロモーター結合力と関連のあるマイクロRNAの発現には違いがあると考えられている。

 miR-302クラスターおよびmiR-17-92クラスターおよび第19染色体マイクロRNAクラスター(C19MC)は、ES及びiPS細胞に高度に発現する。ヒトおよびマウスESおよびiPS細胞のマイクロRNAプロファイルの階層的クラスタリング分析は、マイクロRNA発現プロファイの少しの違いはあるが類似した発現パターンを示した。

しかし、C19MCのメンバーを含むいくつかのマイクロRNAは、ES細胞よりヒトiPS細胞でより発現し、C19MCのメンバーを含むmiR-187,299-3p、499-5p、628-5pおよびmiR-888のマイクロRNAプロファイルは、ヒトESおよびiPS細胞と他の細胞との違いを特徴づけている。

マウスESとiPS の比較では、let-7(let-7-b、e、f、g)ファミリーおよびmiR-30(miR-30-ae)ファミリーは、ES細胞と比較してマウスiPS細胞でより強く発現されるが、マウスESとiPSを他の細胞と区別するmiR -133b、200a、23a、および743b-5pは共通に発現する。

これは訳ではありませんが、ぜひ、ため息先生にグーグル訳が良く訳せるとの視点を示していただきたいです。
細胞初期化で情報をまっさらにすることの意味するものについて論じてほしいです。

以前、学会で学とみ子が同時通訳者に質問したことがあります。
「どうして、そんなに何もかも知ってるのですか?」
同時通訳者は答えました。
「私たち、意味はわかっていません。訳したらすぐわすれちゃいます!」
とおっしゃっていました。
いやいや、それはご謙遜でしょう。同時通訳者は、訳のわからない日本語による質問を長々とする質問者の言葉を、まとめて短い言葉に英訳して、講演者に伝えていますもの。

いろいろな知見が進めば、進むほど、リプログラミングの内容や理解が変化してくるとの一例としてご参考にしてください。
又、日本語のおかしなところを直すかもしれませんので、ご容赦ください。


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