昨日の論文には、まだ続きがある。
今回の著者らが言いたいことは、2点あるようだ。
この論文以前に、すでに化学的リプログラミングについていろいろ論文が出ているのだが、今回の論文の著者らは、初期化までの中間状態の設定と、リプログラミングの成功率の向上を論じているようだ。
その中で、著者らは、リプログラミングの過程は単一ではないという事実を示すことと、リプログラミング達成の確率を上げることの2点を強調しているようだ。
丹羽氏の解説文での内容をかいつまんでここで紹介しているが、当然のことだが、このエントリー記事は丹羽氏解説文の日本語訳ではない。学とみ子の書く内容に疑問を感じたら、論文オリジナルにあたってその人自身で考えて欲しい。建設的な議論を待っています。
丹羽氏の紹介している論文では、リプログラミング途上で、複数の中間状態が存在する可能性を論じている。従来の転写因子TFによるリプログラムの場合ですら、Sall4、Nanog、Esrrb、Lin28などのTFは、元のiPSカクテルと置き換えることが可能で、これらの事実から、著者らは、細胞の多能性への復帰には複数の経路があると言いたいのである。
このタイプの話題には、書き手の解釈や主張が入るのは当然であるが、酸浴実験なら、酸浴による初期化があるはずと、学とみ子的に話が展開していく。
また、iPSもそうであるように、化学的初期化も効率は悪い。
こうした論文から知識を得ると、STAP細胞が効率よくかつ精度高く作成できるべきとした検証実験は理不尽であったと誰もが理解できる。
用いた細胞も条件も、元のSTAP実験とは違っていておよそ検証実験と呼べるものでなくとも、小保方氏ら実験者は参加せざるを得なかったのである。
以下の青字は、丹羽氏の紹介文章からの情報です。
TFネットワークは、体細胞状態から多能性状態へ動かす。
マウスES細胞はGata4またはGata6を過剰発現することでXEN様状態へと分化させていくが、XEN細胞になっても、Sall4およびKlf4などの多能性関連のTFネットワークは持っている。
一方、 TFによるリプログラミングの場合、TFはカスケード的な連続続発現であるため、中間状態は不安定となるだろう。
中間状態を推定することで、化学的再プログラミングプロトコールによる効率の改善につなげられる。
初期化へのプロセスは48〜60日かかり、効率は非常に低い。
最初の40,000個の細胞から、CiPSCはわずか1コロニーしかできない。
ここで、ステップ1ではAM580とEPZ004777を、ステップ2ではSGC0946と5-aza-dCを追加することで、効率と動態の両方を劇的に改善できる(図1)。
この方法だと、40日以内に5万個の元細胞から1,000〜9,000個のCiPSCコロニーを得ることができる。新しいプロトコールは、MEFだけでなく、新生児皮膚線維芽細胞および成人肺線維芽細胞にも適用可能である。