8月10日の新聞に、心臓のもととなる細胞を作製したとの記事があった。
心筋梗塞でダメッジが生じた心臓の筋肉細胞に、1種類の遺伝子を入れるだけで、心臓を再生させる能力を持つ細胞を作出できたとの内容であった。

今後のこの分野研究の展望は、さらに血管や神経も同時に構成していく細胞を生み出すとのことであった。こうした研究は、今後、どんどん出てくるだろうが、新規の研究には、偽物騒ぎをしたがる人たちが出てくる。

心筋に関しても、過去には森口事件があった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E5%8F%A3%E5%B0%9A%E5%8F%B2
このウキペディアを読むとわかるが、偽学者としての森口氏を執拗にあおっている。
これも偽物!あれも偽物と!ウキペディアの作者は、世間を”ねつ造間違い無し”で世間を説得させる意識的な書き方をしている。少しサポートするような言い方を入れたりして、中立的に書かれた文章であるかのように装っている!
これが、扇動の手口だ。

森口氏の発表がマスコミにもてはやされたのはほんの短期間で、その後すぐ、偽物報道が高まり、一気につぶされてしまった。
日本人は、ねつ造者森口氏と考える人が多いと思うが、彼自身だって、言い分はあるはずだ。

森口氏は、科学者として、何らかの先駆的な試みをしたのは確かなのだろうが、森口氏のすべてが偽物であるかのように、問答無用で切り捨てられ、再起不能な状態となった。

こうした研究の切り捨て作業を熱心にやる科学者層がいることは確かで、須田著「ねつ造の科学者」にも、森口打倒で活躍した科学者との評価する言い方がなされている。
須田氏は、報道のどこまでが本当なのか?について、興味を持たない人なのだろうか?
マスコミ人である須田氏は、問答無用の切り捨て作業に熱心な学者たちを評価するだけなのか?

業績を簡単に潰す作業をするような学者たちこそ、問題だと思う。
もちろん、でたらめながん治療を宣伝している広告やら、でたらめな医師も学者もいる。
それぞれ、専門分野に属する人であれば、ある程度、偽物をかぎわける判断を持つ。
しかし、専門事情に精通しないマスコミ人たちは、マスコミこそが正誤の判断ができる人だと考えてしまうようだ。

ここで、体内に存在する幹細胞について話題を提供したい。
理研のサイトには、以下のような研究が紹介されている。
B細胞が幹細胞からどのようにつくられてくるか?の話題である。
B細胞もBCRというT細胞のTCRと似たような構造物を持つ。
細胞の遺伝子は変化しないという原則があるが、TCR、BCRは、一旦、細胞ができてから、さらに遺伝子改変が起きる。
これは、科学知識として大事だが、このしくみを理解していない人が、細胞の研究者層にいたことは驚きであった。
無知なるコメンテイターたちにより、このブログの内容がでたらめと、散々攻撃された。
TCRに関する誤解がSTAP偽物論の一因となった経過を、私が気付けたことは、このブログの成果だと思う。今や、誰も反論してこない!

実験室での人工培地で生きる細胞と、体内で生きる細胞の、動向は全く違うのであるが、そうした基本が、マスコミとか生物以外の科学系の人には理解できないようである。こうした無理解な人たちが、STAPを勝手に論評したことも、STAPの悲劇の一因であろうと思う。

キメラには、T細胞からできていなければおかしい!の議論に代表されるように、生き物における細胞同士のせめぎあいについて、多くの論客が無知であったのではないだろうか?体内と、体外の違い、自然と人工産物の違いが考慮できていない。

それでは、理研の幹細胞についての説明の紹介に移ろう。くわしくはリンク先に飛んでほしい。一見、STAPとは、関係が薄いようだが、酸浴でSTAP細胞ができ、多能性を発揮したかもしれないと想像をふくらませてみよう。
STAP細胞論文は、未知の世界に挑戦したにもかかわらず、心無き人たちから、「説明できない!ESに決まっている!」として、切り捨てられてしまったが、今後も、研究解明は進んでいく。


理研による幹細胞の説明です。青字 
私達の体には、皮膚や血液のように絶えず入れ替わり続ける組織を保つため、各組織に幹細胞と呼ばれる大本の細胞がいます。幹細胞は自分と全く同じ能力を持った細胞に分裂することが出来る能力(自己複製能)とさまざまな細胞を作りだす能力(多分化能)を持っています。
通常の細胞が幹細胞性を獲得するためには、iPS細胞のように強制的な転写因子の発現などにより、未分化状態へ誘導する必要があると考えられていました。また、生体外で組織幹細胞を維持するのも難しく、例えば、血液のもととなる造血幹細胞は一旦生体外に取り出すと分化してしまい、未分化なままで維持するのは困難でした。

2004年、共同研究チームの伊川上級研究員らは転写因子E2Aを欠損させたマウスを使った実験により、E2Aを欠損させるとB細胞への分化途上で分化が停止したB前駆細胞が多能造血前駆細胞としての特徴を示すことを報告しています。
そこで、この知見を応用し、E2Aの機能を人為的に阻害することにより多能性と自己複製能を兼ね備えた造血前駆細胞を作成・維持する事ができるのかどうか調べることにしました

B細胞は他の免疫細胞と同様に、血液のもととなる造血幹細胞から作られます。造血幹細胞は骨髄中でB細胞へと分化・成熟します。B細胞の分化に重要ないくつかの転写因子はこれまでにも報告されていましたが、それらがどのように協調して運命を制御しているかは不明でした。伊川友活上級研究員らは2015年に造血幹・前駆細胞を無限に増幅する方法として、人工白血球幹細胞(iLS細胞[4])を開発しました。そこで、共同研究グループはこの方法を用いて、造血幹・前駆細胞がB細胞系列へ進むために必要な分子機構の解明に取り組みました。


論文の一部を以下に解説します。茶字
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5830925/

我々は最近、血液幹細胞からのリンパ系統の遺伝子調節ネットワークが検証できるシステムを確立した(Ikawa et al。2015)。私たちは、4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)によって核移行するId3-ERT2(エストロゲン受容体)融合タンパク質を過剰発現させる造血前駆細胞を、B細胞分化条件下で培養してみた。 4-OHTの存在下では、Id3導入細胞のB細胞発生は初期段階で阻止され、E2AまたはEBF1欠損造血前駆細胞と同様に多分化能を維持しながら増殖した。これらの多分化性前駆細胞は、体内および体外でT細胞、B細胞および骨髄細胞を生じうる能力があり、これらを「白血球幹細胞誘導(iLS)」細胞と命名した。分化能を失うことなく、SCF、IL-7、Flt-3L、および4-OHTの存在下で間質細胞と共に培養することができる。そして、4-OHTを単に取り出すと、ほぼすべての細胞が6日以内にCD19 + B細胞になった。
論文解説終わり

生体内には、幹細胞は動的に存在する。上記の論文は、いろいろなリンパ球に分化できる幹細胞を、人工的に誘導できたという話である。B細胞が、どのように経過で、成熟B細胞になっていくのか、その時の遺伝子発現を調整する転写因子などの一部を解明したとの論文である。
この分野は、時と共に進む分野であり、白血病の治療にもつながり、多能性細胞を作出できることへの人類貢献度は大きい。

私たちの体内にもともと生存する幹細胞は常に動的であり、暗黙のうちに消費と供給が繰り返される。体内の幹細胞は、多能性の記憶を保持したまま静かに待機して出を待つという細胞たちだろう。

この論文は、幹細胞からB細胞への成熟の過程の研究であるが、体細胞を起点とするSTAP研究とは一見、逆方向である。しかし、細胞における分化機序を解明する研究は、1方向性ではない。
分化研究は、同時に体細胞から未分化細胞へと戻る機序の研究でもある。つまり、幹細胞から最終分化細胞へとカスケード的におきる遺伝子発現の流れ(今回はBCR)を解明することで、分化細胞が元の多能性に戻る逆の方向も見えてくるのである。
今回の研究では、タンパク合成を伴わないmRNAの役割についても考察がされている。

体内に存在する幹細胞を、酸浴により引き出す、残す、成熟の方向へ変化させるなど、細胞が持つ可能性や能力と酸浴の影響についての研究はこれからであった。

興味深いことに、この理研発の論文は、あの遠藤氏も共同研究者になっている。
彼の細胞多能性に関する認識は、STAP当時から、今はどのように変化しているのだろうか?