今回の理研のがん研究の図はよくできていてわかりやすいです。

一般人もこうした話が大好きですから、私の周りの一般人、医療人たちも、私の説明つきで、図をみながら、理解できているようです。

私がおもしろおかしく説明をしてあげると、皆さん、ついてこれますし、良く理解できますね。
もっとも、こうした科学話題に興味を持つ人は、一般人の中でも頭の良い人たちなのかもしれませんが・・・。

たとえば、頭飾りの色の違うT細胞のうち、がんと闘えるのはピンクの飾り細胞です。
ピンク飾りのTCR(がん抗原を認識できるTCR)を作って戦うためには、ピンク飾りのTCRを作れるようにしておくことです。自らの遺伝子の中に作り方レシピ情報を備えておく必要があると、私は説明をします。

他の黄色や青の飾りとは違って、T細胞がピンク飾りとするためには、自らの遺伝子DNAを切り取っておく必要があるわけです。(これをTCR再構成と呼びます。)
がん細胞と戦うためには、ピンクの飾りをつくれないといけなくて、そのしくみがTCR再構成です。

人は、約10の18乗のTCRを作れるわけで、その中から1種のピンクTCRをもつT細胞だけが選ばれて、がん戦争に行くことになります。
(簡単化してかいていますが、実際には、がん抗原は多数なので、それぞれのがん抗原に応じて多数のTCRが作られることになります)
下の図でわかるように、他の色のTCRをもつT細胞では、がん細胞と戦えません。

ピンク飾り細胞曰く 「しかたねえなあ、俺しかいないなら、俺がピンクの仲間を増やしてがん退治に行くよ」
イメージ 1

人間は、たくさんのTCRを持つT細胞から、戦う武器をもつピンク飾りだけを選び、人工的に増やそうとします。つまり、iPS細胞化の対象とします。

一旦、iPS細胞なり、細胞情報がまっさらになってしまうと(上図、ピンクの液につかった水色細胞)、かつて、T細胞であったことは忘れてしまいます。
しかし、ピンクの液につかった箱の左にいるピンク飾り細胞は、ピンクのTCRの作り方を自らの遺伝子の中にかかえこんだままでコピーされていくことになります。

増やしたピンク飾りT細胞に再度、元の細胞の働き方を人間が教え込みます。

私が図の説明をしている途中で、一般人が時々質問を発するので、私はひとつひとつ丁寧に答えてあげる必要があります。

このふりかけみたいなのは何?
教え込むってどんなこと?
分化誘導で、細胞が増えるけど、自然に増えるの?
イメージ 2

たとえば、上に示した図1ではiPS細胞を丸く書き、図6では四角で書いていて、同じコンセプトのiPS細胞を違う姿で書くと、一般人には理解が難しくなるようです。
丸と四角で書かれたiPS細胞はどこが違うのですか?と、一般人から質問が出てしまいます。
漫画で、同じものを違う姿で書くと、一般人には難しくなるようです。
(理研の漫画家先生、そういうことです)

一旦、ピンク飾りのT細胞をiPS細胞にして、まっさらの何にでもなれる細胞にして、再度、人工的条件をつけてT細胞へと誘導します。

この誘導するというのも、自然に置いとけば増えるのか?誘導とは何なのか?と、一般人は質問します。

ピンクのTCRの細胞へと増殖すると、元の細胞からすでに遺伝子切り取り情報をコピーしていますので、この細胞を人工的に増殖させると、ピンクの飾りを作れるようになりますとの説明で、一般人の皆さん、十分に理解できます。

扱っている研究内容は難しいものですが、相手の質問をその都度答え、簡単な言葉で解説することで、一般人でも理解できるんです。これが科学のすばらしさです。
科学者がインチキ、ゴマカシをすると、一般人は理解できなくなるのです。

当ブログここにいらしている方は、専門教育を受けていて、知識のある方のはずなので、こんなにわからないと言って、学とみ子を攻撃してくるのは、普通ではありませんね。

ため息氏の質問を読んでいると、最初は理解しているようには思えませんでした。
彼は、三胚葉分化にこだわっていました。
T細胞を材料に、初期化遺伝子導入をして細胞をまっさらにした後は、テラトーマをつくる実験とおもっていたのかもしれません(想像です。失礼ですみません)。

iPS細胞では遺伝子を強制的に入れるので、従来のT細胞とは動態が変化してしまいます。
ため息氏は、そこを忘れていたようです。

ため息氏曰く 分化T細胞だって(遺伝子を入れれば)テラトーマをつくれるのだから、STAPだって、T細胞がキメラをつくれてしかるべきと主張してきました。
これにはびっくりしました。

そして、ため息氏は、図6のまっさらな状態(丸坊主)のT細胞を指摘して、iPS細胞化は、細胞をまっさらにするのだから、元の細胞情報をもったままiPS細胞化することができるとの、学とみ子の説明はなってない!とのたまわりました。
多分、遺伝子一部が切り取られる作業を意味するTCR再構成がどこで起きているのかがわからなかったのだと思います。(失礼ですみません)

漫画では丸坊主になっているものの、ピンク飾りTCRをつくるためには、T細胞は、自らの切り取ったDNA配列情報を持っている事が必要です。
この考え方を誰もが理解するのは、少し難しいのだろうとおもいました。

つまり、ピンク飾りTCR情報を、細胞がどのような形で維持しているのかを一般人に丁寧に説明しないと、一般人が理解できません。
ここばキモです。

この隠し持ったDNA情報をT細胞が持っていることを理解できていれば、STAPのTCR問題の何が問題なのか?についても理解することができます。
実際には、マスコミ関係者は理解できていませんでした。

ため息氏は「伏して教えて」と請いました。
これにはびっくりしましたが、こうすることで、ため息氏は、
「ため息は謙虚な人、学とみ子はおごった奴」と、印象付けたいのでしょう。

この言葉にほだされて、愚かにも、学とみ子は図6の説明をしてしまったのですが、その後のため息氏のレスポンスはひどかったですね。

どこがどうとは言いませんが、当方の説明でため息氏の理解が進んだとはおもうのですが、
「そんなこと最初から知っている」との態度を示してきたのです。

その後も、相変わらず、ため息氏は似たような質問をぶつけてきますが、ため息氏自らの理解が進んだためなのか、以後の彼の質問内容には余裕が感じられるような気がします。

がんがなくなればピンクの細胞は用済となりアポトーシスで死んでいきます。
抗原刺激がないと、(メモリーT細胞などの特殊な機能のT細胞を除き)、分化T細胞は生き残れません。
T細胞が増殖する、生存するためには、常に抗原刺激を必要とします。
T細胞は、自らの他の細胞から抗原提示を受けないと、アポトーシスで死んでいきます。

ですから、STAP細胞の場合も、元のマウスで生存していたT細胞は、別の胚の中に移されてしまうと、抗原情報が全く変わってしまうので、STAPーT細胞は増殖しにくい可能性があります。

まあ、こうしたことをいくら言っても、学とみ子無知・無能論で盛り上がりたい人たちにとって、意味がありませんね。
説明することで、当方のミスをねらっているわけですから・・・。
説明をした私が馬鹿であったと、しみじみ反省です。

結局、ES論者というのは、特殊な性格の人たちなのだと思います・