生物学の実験は同じ条件を揃えることができません。STAP実験も同様でしたが、当時の日本では、世界で再現が試みられたが、STAP細胞の作製に成功しなかったと報じられました。
再現実験などナンセンスと反論する専門家は多かったのです。
理研より上の組織から圧力があったのでは?・・・との見方がありますが、非専門家が専門家の見解を無視して、事が進んだ悪い事例でした。


日本でも行われた理研の再現実験が、小保方氏にとって屈辱的な再現実験であったことは多くの人が知っています。

とても、科学とは言えない再現実験であり、それに対して上層部が抵抗できなかったということは、この事件の問題の大きさを象徴していると思います。
理研の再現実験ですら、同じ条件のマウスは揃えられませんでした。
というより、撤回論文で使われたのは、どのマウスが用いられたのかはわからないのです。
ES論者は、ESが使われたから、マウスは何でもよかったなどと暴言を言います。

それぞれのSTAP再現を試みた実験の違いを少し書いてみました。
読むとわかると思いますが、それぞれの論文には、それぞれに都合の悪いところ、説明できないところがあります。著者はそこを書きません。
論文には新しいことを書くのだから、査読者も寛容の精神に立つはずです。
STAP論文は、専門家なら無視できる問題点が、マスコミらによってズタズタにされ、一部の専門家が煽りました。

今回は、原著(小保方版)、Tang版、相澤版です。

撤回されたアーティクル論文の記載 (小保方版)
1週齢のOct4-gfp C57BL / 6マウスから脾臓を切除し、ハサミで細かく刻んだ後、ピペットで機械的に細胞同士を離した。
DMEM 培地に再浮遊させ、Lympholyteを加え1000gで20分間遠沈し、FACS AriaでCD45をソートする。
ph5.7のHBSS溶液に25分、37度で漬け、上清を捨てるために5分遠沈する。LIF入りDMEM/F12培地入りの非接着性の培養プレートに入れる。

小保方氏らは、2014年5月のプロトコールエクスチェンジの記載で、処理した脾細胞は、速やかに次のステップにつなげなければならないと言っています。酸性の条件うんぬんより、酸浴後の次の細胞処理が大事とのことです。
彼女の実験では、Octの出現は、酸浴後7日がピークです。

Tangらの論文
5日齢のOct4 –GFPマウスの脾臓を、細胞ストレーナ(グリッドサイズ70μm)に通して組織を分散させ、脾細胞を離す。
 脾細胞を1200rpmで5分間遠心分離することによってペレット化し、室温で5分間、ACK溶解緩衝液(M NH 4 Cl65m、M KHCO3 10mおよび0.1Mの Na 2 -EDTAを含む蒸留水でpH7.3に調整)で、残留赤血球を除去の目的として再懸濁した。
 次いで、脾細胞を、10%FBSおよび1%PSを補充したDMEMに再懸濁した。 このクルード(粗)な脾細胞を37℃および5%CO 2で1〜6日間維持した。

この粗脾細胞をPBS中で(1×10 7乗細胞/ ml)再懸濁した。 細胞を、4℃で30分間、FITCラット抗マウスCD45抗体を結合させたCD45 +脾臓細胞を、セルソーサー(BD LSRFortessa Cell Analyzer)で選別精製した。
6匹の新生仔の脾臓由来の同じ脾細胞プールを3回に分けて使用して実験した。

Obokata et al記載のプロトコールに従って低pH培地で処理した。5×10 5細胞/ mlのCD45 +脾細胞を低pH HBSS(HClでpH5.7に調整)で37℃で25分間処理した。 次いで、酸処理細胞を1200rpmで5分間遠心分離した。 上清を除去した、上清は再検査して、pHが依然としてpH5.7であることを確認した。 較正されたpHメーター(Mettler-Toledo、USA)を用いて上清の酸性度を測定した。 酸処理細胞ペレットを1×B27および1,000U LIFを補充したDMEM / F-12培地に1×10 5乗/ ml細胞の濃度で再懸濁した。

Tangらの実験で気になるのは、一旦、処理した細胞を、酸浴前に1-6日間置いている点です。
さらに、酸浴後7日目のデータが無く、6日目で観察や測定が終わっている点です。
彼らは肺由来の繊維芽細胞を用いて同じ酸浴実験をしていますが、これは7日目のデータがあります。脾臓細胞は、7日目まで終えていない原因は不明です。
どなたか、何か助言、有ればお願いします。

彼らは、酸度を厳密にしたと言っていますが、小保方氏はそれを求めていません。
科学者なら、初期化実験がうまくいかない場合、その時に用いた実験系で工夫すべきです。
Tang論文ではそこの検討をしていません。
Tang論文では、STAPは無い!…と考えていたのではないか?と言いたくもなります。
他の手技では小保方の方法を変えているのに、酸浴のところだけきっちり同じにして、そして失敗しています。

一方、丹羽氏は工夫や改変をしています。HCl使用で初期化が達成せず、酸性条件を変えたり、ATPでやり直したりしています。

相澤論文
脾臓細胞は、以前に記載された方法で調製した(Obokataらの原著論文2014)。
FACS選別によるCD45陽性細胞の濃縮は省略した。
製造元の指示通りの処理で(Cedarlane Laboratories、Ontario、Canada)リンパ球を集めた。

HClだけでなくATP処理による実験もした。ATPを使用した理由は、Obokataらが使っていたことと、又、STAP特許出願に記載されている(米国特許出願第14 / 397,080号)ことによる。

1×10 6個の細胞を494μlのHBSS(ハンクス平衡塩類溶液)に懸濁し、6μlの200mM ATPを添加し、37℃でCO 2インキュベーター中で15分間の酸浴を行った。