患者に負担のかかる検査(検査のためにj状態が悪化する)をさんざん医師が行ったあげくに、手術はできませんと結論される場合もあります。
がんのある肝臓では、いろいろな代謝機能が落ちていて、正常な数値など期待できません。
どの検査をいつ行うか?あるいは患者負担を避けるために行わないのか?どの数値なら手術に踏み切るのか?などについては、患者の体力やがんの浸潤度など総合的な判断だと思います。そして、最後は執刀医ががんばろうと思う症例なのか?そう思わないか?ということになるのかも・・・。
結局、教室、術者によっても、基準が異なると思います。
第三者(専門家)がでてきて、あれやってない、これやってないと、術後に非難するのは簡単です。外科医にもいろいろな意見の人がいるわけだから、後となれば、いくらでも誰かが何か言ってくるでしょう。
手術の評価を、後からの結果論で論じられたら、執刀医はたまりません。
予後の悪かった患者はすべて医師のミスになります。
助かるかもしれない、助けられると思う・・・・。そうした気持ちで医師は手術をすると思います。
つまり、執刀医は、術前、画像や予備検査を何度もイメージトレーニングして、うまくしっかりとがん切除をしよう、早く手術を終わらせて患者の術後の負担をできるだけ少なくしようと考えると思います。
そして、術後は、精一杯やりました。やり切りましたという状態です。
でも、結果が良くなければ、手術の判断が間違っていた、医師が未熟だった、助かるはずが助からなかった、として医師が恨みつらみの対象にされます。
もちろん、患者さんの中には、結果で医師を評価するのでなく、手術に至るまでの医師の言葉や態度、たとえば医師が口下手でも人間味や誠意を感じて医師を信じるのです。実際にはこうした方の方が多いです。
腹腔鏡では、実際の臓器、血管、神経に術者が触れることができないし、術野が狭くて全体が把握できません。医師にとっては圧倒的に不利です。
それでも、うまく手術が終われば、術後患者の回復は圧倒的に有利です。
臓器をどこまでどう切れば良いかなんで、どこにも書いていないです。
安全に切れる範囲とかもないです。
術中の執刀医は、道なき道を進む心境です。医師の経験と勘と知識が頼りです。
がんの広がり、血管の浸潤、すべてのがんは、その患者特有のものです。
人のお腹の中って、みんな同じだと思っているんじゃないですか?切る場所や量がきまっているのに、それを医師が間違ったとか考えていないでしょうね?
普通なら切れないはずの太い血管が切れてみたり、めったになり血管奇形があったり、がんが大血管に食い込んでいて、決して取れないとか、血液凝固異常が起きてみたり、呼吸循環器のトラブルが起きたり、術中、術後は、予想できない大変なイベントだらけなんですよ。
ドクターXで登場するせりふ「私、絶対失敗しないですから」なんで手術ないです。
このせりふは、人々の希望を表したものです。手術を受ける誰もがそう願います。
このせりふは、人々の希望を表したものです。手術を受ける誰もがそう願います。
ただ、最近の医療ドラマは、良くできています。
患者の体で起きる予期せぬ出来事についてもストリーに組み込むようにしてくれています。
医療者の苦労話については、シナリオライターの努力のより、人々の間での啓発が進むと期待しますけど・・・。