この夏は、都知事選挙やオリンピックがあり、刺激がいろいろあったため、私は、しばらく、文章をつくることをさぼってしまった。

小保方事件なども、手記発表の後、小保方氏の新たな挑戦を期待していたのだが、残念なことに、その後の進展はない。
今後に、小保方氏が名誉回復のために、もう一歩踏みだしてほしいと思う人は、少なくないと思う。

そんな現状の私ではあるが、以下のようなネット記事が載ると、文章を書きたいなと思う気持ちが刺激されるのである。

下が、気になるネット記事である。記事は青字

9月2日、米食品医薬品局(FDA)が19種類の殺菌剤を含有する石鹸などの販売を禁止すると発表し、衝撃を与えている。これらの殺菌剤を含む石鹸は、通常の石鹸と比べて優れた殺菌効果があるとはいえず、かえって免疫系に悪影響を及ぼすおそれがあると警鐘を鳴らしている。
特に、殺菌剤のうちトリクロサンとトリクロカルバンは、日本でも殺菌作用をうたう石鹸、ハンドソープ、ボディソープ、歯磨き粉などに広く使用されている。さらに、防腐剤・抗菌剤・消臭剤として、化粧水やクレンジング剤、美容液、フェイスクリーム、日焼け止めといった化粧品類にも添加されている。

このFDAの判断は、日常雑貨品の安全性を問題にしていて、なかなか奥の深い議論をはらんでいる。

トリクロサンとか、トリクロカルバンがどの位にどれに入っているのか、私は無知であるが、多くの商品は、皮膚への雑菌効果ではなく、商品の保存性を高めるために添加してあるのだと思う。
つまり、化粧品やクリームの長期保存に耐えるようにするためだろう。

殺菌効果のある石鹸やクリームなどは、それが皮膚への刺激物質になる可能性があるが、実際の人の皮膚に症状が出るのは、ごく一部の人である。
多くの人では、何も起きないからこそ、日常使用できる商品として通用できている。

ネット記事の上から3行目に、免疫系に悪影響を及ぼす可能性があると書かれているが、この文章も微妙な表現である。元々、皮膚には常在菌がバランスの取れた状態で存在しているので、殺菌剤は、その自然の細菌層のバランスをくずす可能性がある。

免疫系への影響とは、たぶんそうしたことを示唆したものと思うが、一般の人にはわかりにくい表現のではないだろうか?

外傷や褥瘡などの際に、殺菌剤を皮膚に使うべきかどうか、医学界では相変わらず論争が続いている。以前は、傷には必ず消毒剤が付きものであったが、必ずしも消毒剤が、皮膚の回復を高めるかどうかが不明なのである。

恐らく、殺菌剤が必要な場合と、必要ない場合と、両方あって、怪我の状況や、その人の体質的なものによって、結論的に方針を出すのが難しいのであろう。
人の反応というのは、すべてにおいて個人差が決めてなのである。

消毒剤は、実際に殺菌効果が期待できるものであれば、人の皮膚の細胞にも、ダメージを与える可能性はある。だから、健康な人であれば、皮膚の傷は、清潔にして軽く保湿し、触らないようにするのが一番であろう。

つまり、人は細菌やウイルスなどの微生物と共に生きている仲間同士である。
皮膚の傷を治しているのは、人の細胞(生体反応)であり、薬の効果ではないのである。

だから、人にとりついている微生物と体のバランスが乱れる時が、病気の元になるだろうし、そこを考えると、殺菌の必要性は限定的なものとなる。

多様な菌のうちの一部が、増えすぎぬように、独占状態にならないようなしくみが働くことで、生物は健康を保っている。菌と体は、究極の共存状態を維持している。

殺菌対策をとって、微生物を退治したら、健康になれるわけではないのである。

この菌やウイルスとの共存状態は皮膚に限ったことでない。この細菌層のバランスが崩れると全身的に病気が起きる。

腸もしかりで、急性腸炎は、赤痢チフスなどの病原菌の排除に役立っている。しかし、慢性の腸炎などは、腸内細菌層がバランスを保てなくために、腸の免疫細胞が暴走が起きているようである。病名となると、潰瘍性大腸炎とかである。

世の中には、においの元になる菌を殺す消臭剤とかがあるが、こうした人工物質が若干、皮膚につくのは問題が少ないが、吸い込むのは避けた方がよさそうだ。気管支を刺激する物質となりそうである。

こうしたことを考えていると、気になってくるのが、世の中に出回る日常製品の過剰宣伝の問題である。商品宣伝は、いろいろなリスクを棚上げにして、活発に行われている。その最たるものは、病気や老化を防ぐとする健康食品だろう。

今の日本では、問題のある商品の宣伝が野放しで行われていると思う。

日本の経済活動を上げるために、国の研究機関も、根拠のないでたらめ広告に規制をかけようとしない。

宣伝効果で、ものを売ろうとする広告が多いのである。
お金にあかして、意味のない(もしかすると有害性のあるもの)商品の大規模宣伝が、新聞紙面をにぎわせている。小さな名前の知らない会社でも、一面広告を打てる時代である。

広告の中には、明らかな詐欺的な表現がある。
意味のない物質名をあげ、それがすばらしい新発見であるかのように、効能を謳うもの。

生理的な体の反応にすぎない症状をとりたてて騒ぎ、それが病気である、あるいは病気の始まりであるかのように解説して、読者の不安をあおって、購入意欲を刺激するもの。

トリクロサンとトリクロカルバンは、商品の保存性に貢献はしている。今後、日本でどのような規制が始まるかは不明であるが、ウオッチしていきたい問題である。

FDAがトリクロサンとトリクロカルバンなどの無効性、有害性などを指摘したことをきっかけに、日本でも、広告規制に関して議論が高まってほしいものである。