「自民党のやり方は、汚い。自民党は一枚岩のくせして、まるで小池氏が反自民であるかのような見せかけをした。ずるいじゃないか?自民党、そして、自民党とぐるになった小池ヨ!こんなやり方は許せない?」
と、前回ブログに書いたが、今回の知事選は、劇場的選挙だ。

自民党と小池知事が演じた、大当たり奇襲戦を見せつけられた野党4党は、絶望のため息をつかざるを得なかった!

分裂したかのように装った自民党に対し、分裂しているのに共闘したかのように装って、失敗したのが、4野党の鳥越氏擁立策だった。

だから、散々たる結果に、4野党の関係者は傷ついた。
応援演説をした民進党、共産党の党首も随分、嘆いたことだろう。

反自民や無党派層の集票に全く失敗したのである。自民党票が割れるはずだったのに、そうならず、革新の票をかっさらっていった。
民進党支持者も、驚くほど高い割合で、小池氏に投票したとのことである。

宇都宮氏も、不満一杯の人だろう。
彼は、一度も鳥越氏の応援演説に参加しなかった。
それに加えて、宇都宮氏は応援演説に参加しない理由をマスコミに公開した。
応援に参加しない理由は、実にストレートであった。
鳥越氏に対して、「討論会を欠席するな、週刊誌記事の女性に対してきちんと対応せよ!」との注文をつけた。
人権家の宇都宮氏のまじめな性格を反映している。
彼はいつも、都知事選挙期間中は、激しく燃える演説をこなしていただろう。

だから、宇都宮氏が、もっとしっかり、鳥越氏は演説会をこなせ!、革新政党の政策論旨をきちんと演説しろ!と叫ぶのは当然だ。

スキャンダル対応などで、鳥越氏の知名度が逆方向に作用した。
民進党の選挙本部は、望ましい対応ができず、がたがただった。

選挙参謀は、選挙期間中のうらみつらみを留めることができず、憤懣やるかたない恨みをマスコミに流すのをためらわなかった。

批判の当事者であった鳥越氏当人は、選挙後、「貴重な経験をさせてもらった・・・。」とのコメントであった。
鳥越氏の感想は素直であったが、この言葉を聞いた4野党の選挙関係者は、(鳥越氏は)真剣みがたらなかった!と怒りを感じたかもしれない。

しかし、鳥越氏を推した野党4党は、少し頭を冷やせば、プロの政治家以外の人に立候補を依頼し、知名度で勝ってもらおうと期待したことが間違っていたことに気づいただろう。

そして、自らの選択のミスを猛省せざるえを得ず、重大な選択ミスをした自分自身に絶望したことだろう。

プロの政治家ではない鳥越氏は、野党4党から熱く要望されて、それに答えたにすぎないのである。だから、夏の暑い炎天下で、日に何度も、大汗をかいてスタミナ演説するなどはできないのだ。

それこそ、病み上がりの体で、ストレスでがんを再発したら大変だ。
16日間というのは、プロの政治家でない人にとって、果てしなく長く消耗する日々である。

一方、プロの政治家にとって、選挙活動期間というのは、珠玉の毎日であろうし、1日たりとも無駄にできない黄金の日々だ。
たくさんの有権者とふれあって、票をいれてもらうのだ。

しかし、マスコミ人は、テレビでしゃべるだけで、街頭演説の何倍もの影響力をもたらすことができる。

そうした選挙に対する認識の違いは、鳥越氏と選挙本部の間で大きな亀裂があったと想像できる。

本物の政治家は、常に政治課題をかかえている。求められれば、政治に関する話題であれば、いつでも演説に持っていける。

しかし、にわか政治家の鳥越氏は、そういうわけにはいかない。疲れていたり、暑かったりしたら、体にしみついていない演説をこなせないと思う。
つまり、演説用語をぽんぽんと繰り出すことができない。

だから、炎天下、疲れた頭で無理して演説して絶句してしまう。
演説中の失言や間違いも命取りだ。
すべてに良い演説をこなせなければ、マスコミに恥じを書きたてられてしまう。
ジャーナリスト全体に対する評価を落としてしまう。

特に、鳥越氏は、都政に関することは、良く知らない。それより、原発問題、憲法問題などが得意だろう。こうした漠然とした話題なら、鳥越氏は、普段から問題意識をかかえているだろうから、言葉につまらずに、話すことができる。
結局、選挙戦後半は、そちらの方へシフトしていたようである。

マスコミ人は、権力者の政策に抵抗して、革新的な話題が好きである。
漠然と反対したり、言いぱっなしに非難できるこうした問題を扱うことは、得意なのである。

マスコミの人気者が立候補するとどうなるか?のリスクを、選挙民は間のあたりに見ることができた。そして、鳥越氏の選挙本部は、まずい対策の見本を披露してくれた。

増田氏も、気の毒な役回りになってしまったが、今後も政治家として活躍できるだろう。

知事選での登場人物は多様で、人間くさかった。
こうしたつくりものでない劇場型ドラマに、人々はひきつけられたと思う。