エストロゲン受容体α多形性と認識低下の危険性: 2年の追跡調査

なぜ、一部の人は他の人より、美しいとか、優れているのでしょうか?
こうした人の資質と遺伝子構造との関連について、世界中で研究されています。人の3億の塩基の並び方の個人差は、かなり高速で調べられるようになりました。しかし、実際のタンパク合成に至るまでを調べる作業は難しいものです。それでも、世界は遺伝子研究にかけて、競争を続けています。
 
エストロゲンは、精神保護の作用があることが指摘されています。
一方で、高齢者にホルモン補充療法をすると、むしろ、認知症がおきやすいとのデータが、過去に大規模研究で証明されました。知能低下に関するエストロゲンの役割については、論争が続いています。ある条件では、エストロゲンは脳を保護し、ある条件では脳にマイナスの影響を及ぼすようです。
 
脳の細胞がエストロゲンをどの程度に感じ取るかは、年齢により影響を受けますが、それ以上に、エストロゲンの感じ取り方には、個人による違いが大きく、脳へのエストロゲンの影響を調べることを難しくしています。
 
私たちは、生れつきに決まった遺伝子の型(塩基の並び)を持っていて、生涯変わらないので、その人特有の能力と遺伝子構造の関連を調べてみることができるのです。
 
たとえば。知能が良い人は、どこかの遺伝子に、その人だけの特別な構造があるとか、あるいは肌が美しくいつまでも若い人には、どこかの遺伝子部分に特別な構造を持つとかがあるかもしれません。
 
肌が保湿剤を作り出す能力、しみやしわなどをつくらない肌の抗酸化作用などは、遺伝子構造と関連している可能性があります。
 
加齢による影響を受けにくい肌を持つ人もいます。つまり、加齢の影響から守るための遺伝子の機能が高い人は、生涯にわたり若く保てると言えます。
 
しかし、現時点の医学のレベルでは、遺伝子のどの部分が、頭の良さや、高い知的レベルを保つための能力に関連するのか?はわかりません。
 
肌が美しく加齢しない人では、肌の能力が優れているのですが、その全貌は、まだわかっていません。
 
遺伝子の構造は変化なくとも、環境によるさまざな影響は、遺伝子の働き方に影響を与えます。そうした意味では、生まれつきの資質は、生涯、変わらないわけではありません。

今は、根拠のない抗加齢製品が、出回っています。体力のすぐれた選手、美しい俳優などをモデルに使って、人の錯覚をさそいます。今の広告は、あたかも、意識的に人の錯覚を誘うように作られています。このブログにも、強制的にそうした宣伝が入ってしまいますが、ブログサイトを無料で使用している立場の私には、どうすることもできません。

人は、水晶やパワースポットなど、はたまたお守りを信じてきました。信じない人は一切信じないし、そこは個人の考え方が大きいです。
 
しかし、若返り商品は、根拠のないことでも、宣伝の力で人々の意識を変えさせてしまおうとするものです。「こんなもの効くはずない!」と考える人のイメージを、いつか錯覚させてしまう効果をもつものです。
人の考え方は、環境により、どんどん、変わっていきます。

人は株や元本割れの金融商品を買うときは、損することを覚悟します。今の銀行は、煩雑な承諾書をユーザーに書かせます。銀行は、何枚も、損に関する承諾書を書かせます。

「損するかもしれませんが、理解していますね?」
「この資金は、生活のための資金ではないですね?」との質問もあります。

国は、銀行に対して厳しい指導をしています。金融商品に関しては、国は、権威をもって国民の利益を守るとの建前の姿勢を示しています。しかし、抗加齢商品の詐欺的商品の規制には、手をつけていません。
 
昔から、性ホルモンは、人を若返られる効果が期待されています。エストロゲン受容体をつくりだす遺伝子の構造の違いは、世界中で調べられています。
 
遺伝子構造には、民族による違いがあり、ある民族では認知症との関連がみられた遺伝子部分であっても、他の人種にはあてはまらないことは多いものです。今回は、中国の高齢者において、エストロゲン受容体α(ESR1)の個人差(多形性)と認識低下の関連を調べた調査を紹介します。
 
遺伝子の構造(塩基の並び)を調べて、その人らしさとの関連を調べます。今回紹介する研究では、認知症になりやすい人かどうかと、エストロゲン受容体の構造が関連するとの研究成果です。

研究の成果は、エストロゲン受容体α(ESR1)には、認知症と関連する特定がある!とするものでした。遺伝子で決められるエストロゲンの能力は、その人の脳の老化現象とも関連しているとするものです。こうした研究は、人が抗加齢に向けて、やるべきことを見つけるためのものです。

方法: 中国の成人(n = 284)を対象とし、2年間、質問表を用いて認知症や物忘れの経過を、追跡しました。認知症を評価する質問表テストとして、ミニ精神状態試験とアルツハイマー病協会の中国語版を用いました。
結果:いくつかの複数の場所の遺伝子塩基多型に、認知症や物忘れとの関連を見出しました(rs9340799[ESR1+351]、rs1801132[ESR1+975]、rs6557171、rs9397456とrs1884049)(rs3853248、rs22334693[ESR1+397]、rs9340799[ESR1+351]、rs9397456、rs1801132[ESR1+975]、rs2179922、rs932477とrs9341016)。
以上の遺伝子構造の違いは、初期の記憶低下の標識であるかもしれないことを示しました。

結論:今回の調査結果は、エストロゲン受容体を調べることにより、認知症の進行を予想して対策することに役立つかもしれません、PMID: 23567436 Am J Geriatr Psychiatry. 2013