昨日、食物アレルギーの話しをしました。
なぜ、食べることによりアレルギー反応がなくなるのか?不思議に思う方もいると思いますが、IgEはそうした性質を持つからなのです。負荷して体を馴らす方法は、IgEが病気を起こす場合に、用いられる治療法です。人の体は、刺激があれば、IgEを作り始めますが、やがて作るのを止める性質を持ちます。
一方、抗体の中でも、IgGの反応は、刺激が続く限り増加していくことが多いようです。IgGは感染症などで活躍するものですが、体(リンパ球)は、感染症を治すまで、IgGをつくってがんばるからでしょう。
昨日紹介した減感作療法では、食べられなかった食品(抗原)を食べ続けていると、最初は起きていた嘔吐、腹痛、かゆみ、発疹、咳、喘鳴などが起きなくなり、IgGが上昇してくるという経過を紹介しました。
負荷食を始めた直後は、IgEの動きは、はっきりしないけれど、2年以上経つとIgEは、減ってきました。
人の体(リンパ球)は、もはやIgEをつくらない判断をしたのです。IgEは悪玉、IgGは善玉と考えがちですが、元々、体内物質に、悪玉、善玉は単純すぎます。IgEは寄生虫を殺す善玉の働きもしています。
アレルギー以外でも、食べ物を食べると、下痢や腸炎がおきる病気があり、こうした病気には、小麦による腸炎であるセリアック病、ミルク不耐症などがあります。この病気を起こす元は、IgGであったりします。
IgGを解説します。神経難病などで、神経細胞が壊れていく多くの病気にIgGが関係します。インフルエンザの重症肺炎でも、IgGが悪化に関係するようです。IgGは、自己免疫病で、さまざまな悪さをします。
昨日のピーナッツ負荷でも、当初、子どもたちに、ずいぶんと恐い反応が起きているようですが、やがて、体の反応は変化していきます。多くの子どもで、IgEを作り過ぎないようにストップがかかります。アナフィラキシーも進まないようにストップがかかるのです。
但し、ごく一部の人ですが、ストップがかけられない体質の人がいます。本当に注意すべき危険人物は、どの子かは、不明ですので、学校の先生は、食後の蕁麻疹でも、大変なこととして扱わざるをえないのでしょう。
たまたま、子どもに遺伝子異常などを持ち合わせていると、止まるはずの反応が止まらなくなり、アレルギーが進むことがあります。補体の遺伝子異常などがあると、ストップスイッチが入らなくなるのです。
ワクチン、衛生環境の整った地域で、アレルギー疾患が増えているのですが、欧米では、そうしたアレルギーの増加を減らすべく、知恵をだしているようです。医学は、欧米にならうことばかりですので、欧米のアレルギー戦略をのぞいてみしょう。
フィンランドでは、2008年から20018年にかけて、アレルギー低下作戦を展開させているようです。Pediatr Allergy Immunol 2012;23:103
目標項目は、
1) アレルギーへの進行を止める
2) 抗原への抵抗力をつける
3) 診断能力を上げる。
4) 職業関連のアレルギーを減らす(職場環境の改善)
5) 重症反応の予防と治療に重点を置く。
6) コストをへらす
1) アレルギーへの進行を止める
2) 抗原への抵抗力をつける
3) 診断能力を上げる。
4) 職業関連のアレルギーを減らす(職場環境の改善)
5) 重症反応の予防と治療に重点を置く。
6) コストをへらす
どの項目も、医学としてのアレルギーの解明が進むことが前提となっています。
以上の内容は、日本でもそのまま適応できそうですが、日本の原状をかんがみて、注目すべきところはどこでしょうか?少し、考えてみたいと思います。
長い間、日本はアレルギー対策として、症状を起こさないようにとの啓発が盛んでした。どの国より早い時点で、食品表示を法律化しました。法律の施行には難しい問題が多いのですが、日本は、規制の好きな国なんです。
花粉症なども、症状がおきないうちから、早く治療を始めよとか言われてきました。
治療のコストは度外視する傾向にありました。
治療のコストは度外視する傾向にありました。
しかし、今後は、注意すべきこと、軽い症状は見逃すことなど、メリハリをつけた予防法です。
軽いものは許容する。そのうち、軽くなると考える。つまり、重症の病気を知り、軽いアレルギー症状は、問題にしない。
食後の軽いじんましんは、見逃す。
周りの花粉症が軽くなっている人がいたら、その人の生活環境を参考にしてみましょう。イライラしないタイプの人が多くありませんか?
医師による診断技術を上げて、アレルギーと誤解している病気を減らすこと。重くなるかもしらない・・との恐怖から、病気を考えないこと。
食物アレルギーでは、抗原食品を食べて、体を慣らすこと。
但し、食物による慢性腸炎もあり、同じ症状にみえても、食物アレルギーとは、質が違う病気の腸炎であることを理解しましょう。
但し、食物による慢性腸炎もあり、同じ症状にみえても、食物アレルギーとは、質が違う病気の腸炎であることを理解しましょう。
喘息では、抗原の除去だけでは、対処できず、発作が積み重なることを悪化が進む病気であることを理解しましょう。有害物質を吸い込まないように気をまわしましょう。
職業性のアレルギーに要注意していきましょう。職業によっては、有害物質を吸い込むことがあるので、できるだけ避けるよう神経を使いたい。
日常生活の有害物質として、タバコは有名ですが、他にも、たとえば、ガソリンの自動車への注入時、ガスを吸い込むことで、気道に傷を与えます。暖房器具などの燃料にも、刺激のものを避けること。体の修復能力を落とす、お酒も良くないです。
欧米では、アレルギーは日本より先行して増加して、東南アジアはそれを追いかけている状態です。
オーストラリア、ニュージーランドは喘息やアレルギー疾患の頻度の高さで知られていますが、植民地に住む白人は、祖先の暮らした生活環境とは異なる、気温、湿度、衛生状態などに適応できずに、アレルギー疾患を得ている可能性があります。