ピーナッツアレルギーの一般的な認知度は、どの位でしょうか?この病気の方や,、親御さんにとっては、悩ましい病気ですが、病気のない人では、どの位の方が興味をもっているのかは、気になるところです。
 
人が何らかの慢性の病気になると、悩みますが、食物アレルギーは、病気を考える時に、いろいろな示唆を与えてくれます。
 
一般的に、病気を克服するためには、不安を感じすぎずに、成果を信じて、落ち着いて対処するのが、望ましいの教えがあります。病気が起きる原因とは?悪化させるものとは?それを克服するためには?などを考えながら、後悔しないで、やるべきことをみつけます。
 
日本は、学童期に入ってからの卵、ミルクアレルギーが、諸外国より多く、環境が似ている隣の韓国などより、かなり多くなっています。
 
日本は、医療へのアクセスがよく、検査が容易であることから、除去食に流れやすい時期が続きました。
 
学校でも、知識が浸透し、重症型が強調され、学校の先生方は、敏感になっていました。誰でも、重症に移行するとの注意が徹底しました。学校は、万一の場合を想定する場所だからです。しかし、学校の先生の中には、だんだん病気の理解が進み、ベテランの先生になるほど、重症型の子どもは、ごく一部であることを理解するようになります。
 
長い間、除去してきた食品については、それを克服しようとする時、子どもの性格が成功に左右します。不安の強い子どもは、親も不安が強い方が多く、なかなか食べられません。
 
親が自分自身にアレルギーがあると思いこむと、子どもにも食べさせることの恐怖をかかえてしまう方もいます。そのまま、大人になるとますます、恐怖はつのるものと思われます。

一方、大人の方の中には、カニアレルギーだけど、おいしいから食べ続けた結果、症状がなってしまったと言う人もいます。親元を離れてから、治ってしまうことがあります。
 
昨今の食物アレルギーは、食べて克服する治療法がかなり進んできました。そのやり方もさまざまです。
 
どんどん、除去食の解除を進めてほとんどの子どもが成功したとする小児科医がいる一方で、それは危険だと警告する小児科医もいて、治療法は混乱状態にあります。
 
この論争にも、小児科医自身の性格や考え方、医師の背景や学派の影響が垣間見えます。それでも、多くの人は、食物アレルギーを克服するために、考べていくとの考え方の変化を歓迎しています。
 
病気は、人ごと、違う経過をとるものであるし、食物アレルギーも、個人差が大きい病気です。
 
ピーナッツアレルギーの減感作の論文です。JACA 2009;124:292

この論文にかかれているのは、ピーナッツの増量と、その経過です。
 
ピーナッツ蛋白を、初期量、強化量、維持量、目標量までに増やしていく道筋と、その時に起きたイベントが紹介されています。
 
治療の全経過に参加した29人のピーナッツアレルギーの子どものうち、27人が3.9gのピーナッツ蛋白が食べられるようになったとの話です。(ピーナッツ1個で蛋白240mg前後)
 
参加した子どもの年齢は、12-111ヶ月で、平均52.5カ月です。男児が多く64%を占めます。

それぞれの人の重症度に応じて、治療内容が異なりますので、治療に要した時間は、症例ごとに異なります。
 
最初に参加した子どもの数は、39人でしたが、そのうちの10人は途中で脱落しています。通院しきれなくなった、両親の不安が強い、家庭での増量に抵抗を感じたなどが、脱落の理由です。
 
治療(ピーナッツを食べること)は、入院して、どんどん増やす強化療法と、自宅で行う同じ量で続ける維持療法を、組み合わせます。
 
1回目治療群に属する子ども、2回目治療群に属する子どもと、患者を2群に分けて治療しています。1回目の治療群の経験を生かして、2回目の治療群の子どもでは、ピーナッツの増量は急いで行っています。
 
治療途中で行うピーナッツチャレンジテストは、1回目の治療群では、13-22週後に行い、2回目の治療群では、増量を早く行ったので、ピーナッツチャレンジテストは、4-7カ月で行っています。
 
初日、ピーナッツ蛋白0.1mgから初めて、30分おき、倍々と増量し、50mg食べられることをめざします。
50mgに達することができない子どもは、その後の期間に延長して、増量に努めます。

その後、自宅にて、毎日食べて、2週間ごとに、25mgづつ増量し、300mgをめざします。

初日の導入日には、92%が何らかの反応を示しました。初回導入日には、中等度までの皮膚反応は、62%の子どもに出現しました。初回導入日に50mgまで行けた子どもは、39人中の10人(26%)でした。
 
300mgでいったんとめて、維持します(~12ヶ月)。その後、チャレンジテストを行い、その後、さらに1800mgまで増量しました。
 
4か月ごとに症状を見ながら目的量まで増量していきました。その結果、多くの子どもで、ピーナッツアレルギーが克服できました。