昨今、食物アレルギーの治療は、食べて治す時代になった事を紹介してきました。
従来、食物アレルギーの治療として、厳密な除去が進められてきた理由は、食べると、アレルギーが進むと信じられていたからでした。確かに、厳密除去後に、負荷して (食べてみて)、もはや、症状が治まっていた場合、除去の成果と考えられてきたと思います。
しかし、実際には、治療の効果か?自然に治まったのか?は、確かめようがありません。食べても、食べなくても、食品に対するIgEの産生は、多くの例で数値が減少していきます。本来、IgEの産生は、アレルギーを起こすためではなく、生体を守るために進化してきたからでしょう。
一般的に、乳児期の食物アレルギーは、派手な症状がでることがあります。感作された食品(アレルギー食品)を食べた赤ちゃんが激しく吐いたり、顔色が悪くなってぐったりするなどは、しばしば起きます。こうなっても回復が早いのが、乳児期の特徴です。しかし、こうしたイベントが家族に与える精神的影響は絶大で、その後、家族は、長く離乳食の導入に躊躇するようになります。
医師が食品負荷を進めても、なかなか決心のつかない家族は、乳児期のアナフィラキシー(特に牛乳)を経験した家族に多いです。
負荷をしない子どもたち(食べないでいる子どもたち)のグループでは、その後も、アレルギーの状態が続きやすいとの論文を紹介します。
ここで、考慮すべきは、負荷ができない子どもたちは、基本的に病気が重いと考えられ、減感作が難しい子どもが含まれます。親や子供の性格も関係してきます。食物アレルギーの減感作治療は、リスクがゼロではありません。医師らが、卵アレルギーが遷延している子どもと家族を励まし、減感作療法をおこなった成果に関する論文です。耐性獲得とは、食べられるようになることを、意味します。
Eur Ann Allergy Clin Immunol. 2006 Apr;38(4):113-7
特異IgEが高く、卵を食べないでいる卵アレルギーの30人の子供の経過を検討しました。1歳までの、卵の特異IgE値は、平均28.3 KU(A) /L, 0.6から 100 KU(A) /L以上 (IgEが極めて高い) のレベルに分布しました。負荷テストを拒否したグループの子どもたち(6人)では、IgEは、8 KU(A) /Lを超えていました。
(家族が)負荷テストを拒否した群の子供は、1歳では、IgEは、51.7 + 38 KU(A) /L で、調査終了時、3歳前後では、 19.7+13 KU(A) /L となっていました。負荷テストを拒否したグループ6人は、ミルクに対するアナフィラキシーを経験した親たちで、5人は、以前としてミルクアレルギーも持っていました。
残りの24人は、30 + 9か月の時点で、負荷テストをおこなったところ(4人は誤食)、即時反応が全員に見られました。
入院検査では、20人中14名に反応がありました。4名は、3-4歳で耐性獲得(卵アレルギーが消失して、食べられるようになった)に成功しました。続いての6人も耐性となりました。
6か月の乳児期に、IgE100以上あった小児でも、7歳で食べられるようになりました。
一度も負荷テストを行わないグループの子供にくらべると、負荷テストをしている子供の方が、IgEは低下していました。