がん検診の精度とは、がんがあれば必ず見つけてもらえること、と、もうひとつ、がんで無い時は、がんとまちがえないでもらえることです。
 
ガン発見を目的としたスクリーニング・マンモグラフィーの感度(がんをとりこぼしなく見つけること)と、特異性(がんでないと診断できる正確性)は、女性の月経のサイクルの影響を受けるのでしょうか?
 
又、初回の検査では、精度は低下するのでしょうか?さらに、乳房の状態が月経の影響を受けやすい人では、検診の正確性や精度は、月経の影響を受けるのでしょうか?今回は、この問題を多数の女性の検診データを元に考えます。

Journal: Radiology :-Date: 2010 Dec 03
方法:閉経前の女性で387218件のスクリーニング乳房X線検査を行いました。その結果、1283の乳がんが診断されました。月経周期のどの時期が、がん診断の正確性が高くなるかについて、 ロジスティック回帰分析を使用しました。

検査をうけた全年齢の女性を対象として、検診の精度を検討してみると、マンモグラフィーによるがん発見の精度は、月経週数によって影響をうけませんでした。
しかし、マンモグラフィーを過去2年以内に受けた女性の66.6%において、がん発見の感度は、第1週が79.5%と、他の週より高くなりました(週2、70.3%; 週3、67.4%; 週4、73.0%; P = .041)。
 
一方、初回のマンモグラフィー検査では、17.8%の女性が、がん発見の感度、ろ胞期に低い傾向となりました(週1、72.1%; 週2、80.4%; 週3、84.6%; 週4、93.8%; )。
 
3年以上前に、マンモグラフィーを受けた女性では、がん発見の精度は、月経のサイクルにより変化はみられませんでした。
 
結論:過去の検診の有無で、診断の精度は変化しました。月経のサイクルの1週目にスクリーニング・マンモグラフィーを予定すると、がん発見の精度が増しました。
 
これは、米国のデータですが、検診の精度は、100%ではないわけです。日本でも、検診の啓発は盛んですが、検診の難しさについての、啓発が不十分と思います。つまり、検診は100%では無いのです。がんが無いと保証するものではありません。そこの啓発も大事と思います。