今まで、がん、更年期障害、精神疾患。アレルギーなどについて、断片的ながら、医学トピックスと思われる話題を提供してきました。
一見、散漫な展開なのですが、学とみ子は、これらの話題には、共通する課題があると考えています。その課題とは、人は、なぜ、病気になってしまうの?という素朴な疑問です。この疑問は、とりもなおさず、なぜ、健康が保たれるの?という疑問でもあります。学とみ子は、ブログを書きながら、この問題を考えています。そして私自身も学びながら、健康保持のしくみを考えています。人は病気を通じて、初めて、健康が保たれるしくみにアプローチすることができると考えています。
一見、散漫な展開なのですが、学とみ子は、これらの話題には、共通する課題があると考えています。その課題とは、人は、なぜ、病気になってしまうの?という素朴な疑問です。この疑問は、とりもなおさず、なぜ、健康が保たれるの?という疑問でもあります。学とみ子は、ブログを書きながら、この問題を考えています。そして私自身も学びながら、健康保持のしくみを考えています。人は病気を通じて、初めて、健康が保たれるしくみにアプローチすることができると考えています。
だれでも、重大な病気を得た時には、とまどい、なぜ私が?という怒りがおきます。その人にとっては、それまでの健康が当たり前だったからです。病気は、健康を維持する複雑なしくみが破綻した時におきます。しかし、破たんのしくみを知ることで、人は病気に対する怒りを克服(悟りか?)に近づくような気がします。そして、治療がうまくいかない仕組みも理解できるようになります。健康の仕組み、病気の仕組みを考える時、人の免疫をもっと知りたいと思うようになります。
人の免疫を勉強する材料として、最も適した場所は腸管です。なぜなら、腸管は日常的に、腸管に入ってくる危険な病原因子と、栄養になる食物成分を、巧みにみわけることができるからです。腸管には、昔から、赤痢やチフスなど致死的な病気多くあり、人類を苦しめてきました。しかし、汚染していてもエネルギー源として食物をとっていかなければなりません。そうした苦しさを克服した現代でも、現代病のストレス性腸炎や、食物アレルギーが増えてきてしまいました。
今回は、話題の中心を腸管に、人の免疫の見えざる側面について考えていきましょう。
動物は皆、食べ物からエネルギーを得ていますから、腸管に入ってくる食べ物をうまく見分ける能力を持っています。実際の食べ物は、さまざまな細菌やウイルスに汚染されています。昔なら、知らずして毒素物質の混入もありました。大腸菌0157、ノロウイルスの名はすっかり有名になりましたが、人間は、こうした極小の病原体を目でみることができません。見たりにおいをかいだりの五感を働かせます。しかし、汚染した病原菌をみわけられるほど、五感は発達していません。病原体に言わせれば、見つからずに腸内に入り、そこで増殖をしたいのです。腸管は、どうやって病原性のある物質と病原体ではない食べものをみわけているのでしょうか?この研究分野は、常に新しい研究成果が出てきています。
この分野を学ぶことは次の病気の理解につながります。
食物アレルギー
現代病である過敏症腸炎 潰瘍性大腸炎 ストレス潰瘍
セリアック病(小麦アレルギー)
食物アレルギー
現代病である過敏症腸炎 潰瘍性大腸炎 ストレス潰瘍
セリアック病(小麦アレルギー)
食物アレルギーの話題は、今後のブログでも話題にしていきたい課題です。医学、疫学の発達により、この5年位の間で、かなり考え方が変わりました。小児科領域では、最も考え方が変化した領域と言っても良いでしょう。赤ちゃんの腸が、いろいろな物質を受け入れやすい時期は、限定した期間であることがわかってきました。はしかやおたふくが、小児では軽く、大人では重症化するのと同じ理屈です。
米国小児科学会が、2005年位から、除去食の有用性を否定する方向に動き出したのです。欧米では、2000年の初めころから、乳児期免疫の研究が盛んに行われ、乳児が異物蛋白を最も受け入れやすい時期は、離乳食のトラブルがおきにくいという事実が示されました。すなわち、この時期とは、離乳食が完了する1歳位までの時期です。異物である離乳食を、赤ちゃんが拒絶しないで、受け入れるにふさわしい時期が示されるようになりました。
今の赤ちゃんはいろいろなものに反応しやすくなってしまいましたので、除去食が積極的に行われた時代がありました。以前は、病気が無くても、予防的に、この除去食が勧められたことがありました。そして、過剰な食物制限は、アレルギーが高まる子どもを増やす可能性が指摘されるようになりました。
腸内細菌の話題から、この面を考えていきましょう。
今は、食物アレルギーは、積極的に食べて治す時代に入りましたが、個人差が大きい病気であることはかわりません。実は、乳児の腸内細菌は、生後1年を契機に大きく変化することが指摘されています。生後1年の乳児は、その後とは、異なる腸内細菌層を持つことが分かったのです。すなわち、人間の赤ちゃんは、腸内細菌がかわることで、食物の受け入れの状態が変化するのです。言い換えると、生後1年位で離乳食を完了できるように、腸内細菌が腸の発達に貢献している可能性があるのです。ですから、この時期に離乳食を完了することが、赤ちゃんへの負担が少ないと推定されるようになりました。腸内細菌の研究と食物アレルギーは、いろいろな角度から、研究が進められています。
今は、食物アレルギーは、積極的に食べて治す時代に入りましたが、個人差が大きい病気であることはかわりません。実は、乳児の腸内細菌は、生後1年を契機に大きく変化することが指摘されています。生後1年の乳児は、その後とは、異なる腸内細菌層を持つことが分かったのです。すなわち、人間の赤ちゃんは、腸内細菌がかわることで、食物の受け入れの状態が変化するのです。言い換えると、生後1年位で離乳食を完了できるように、腸内細菌が腸の発達に貢献している可能性があるのです。ですから、この時期に離乳食を完了することが、赤ちゃんへの負担が少ないと推定されるようになりました。腸内細菌の研究と食物アレルギーは、いろいろな角度から、研究が進められています。
実は、腸内細菌にどんな種類がいるのかは、まだ、十分にわかっていません。腸内細菌の数はとても多く、10の14乗個位と言われています。そして一部の腸内細菌を除くと、どんな種類の細菌が腸で増えているのか、人類はまだ見たことがありません。
どうしてわからないのか?と言うと、まず、取り出すことが難しいこと、腸の限局した深い場所で繁殖していて、他の菌に影響されることなく取り出すことが難しいのです。目的のものだけをつまみあげようとしても、余計なものがくっついてきてしまうことを想像ください。もうひとつの困難さは、人工的培地に培養できない種類の菌だからです。人類は、この菌を取り出して増やしてから観察することができないのです。
どうしてわからないのか?と言うと、まず、取り出すことが難しいこと、腸の限局した深い場所で繁殖していて、他の菌に影響されることなく取り出すことが難しいのです。目的のものだけをつまみあげようとしても、余計なものがくっついてきてしまうことを想像ください。もうひとつの困難さは、人工的培地に培養できない種類の菌だからです。人類は、この菌を取り出して増やしてから観察することができないのです。
培養ができない場合、どのような種類の菌がいるのかは、遺伝子検索をして、見つけることができます。今はやっている方法は、それぞれの菌が持つ16S ribosomal RNAを調べることです。すると、未知の菌でも、多種の菌の混合状態をある程度、私たちは知ることができます。
同じ遺伝子検索の方法を用いて、池や川の水とか、土とかに、どんな種類の細菌がいるかもわかります。こうした場所から得たものから、細菌由来の遺伝子断片を調べ、実際に繁殖していた細菌の状態を推定します。ここで、興味深いことに、腸内から取り出した物質には、池にも土にもいない、そして人類にとって、まだ見たこともない菌が多数いることでした。
そして、腸内細菌は、人と共生関係にあることが明らかになってきました。共生とは、互いに栄養素などを分け合って生命を維持する相互協力関係です。共生動物としてよく知られるところでは、サンゴなどがあります。
人は、腸内の共生細菌に安定したねぐらを提供してきました。では、共生細菌は、人に何をしてくれているのでしょうか?
腸内で新しく発見されたセグメント菌という奇怪な姿をした菌は、最近の腸免疫の話題です。この菌姿は、とても細いフィラメント様の構造体でユニークな形になっています。それが多数、小腸の細胞にはりついているのです。このセグメント菌の研究には、日本人の研究者も多く貢献しています、このセグメント菌の大事な役割は、腸内の免疫細胞の教育係であることです。この菌がいることで、腸内のリンパ球が成熟することができます。成熟とは、リンパ球が病原体と戦うさまざまな能力を獲得したり、腸内に炎症物質を増やして、病原体を退治することができる能力を獲得することです。リンパ球は、精鋭隊を編成することができるのです。セグメント菌は小腸において、IL17という炎症を起こす物質をふやすことができます。この菌は、私たちが病原菌と戦う力を高めてくれるのです。
炎症というと、熱が出る、痛くなるなど、マイナスのイメージがありますが、炎症は、病原体から身を守るためには、大事な体の反応なのです。
赤痢やチフスは、人間に重い病気を起こしてしまうので、人にその存在を見破られてしまいました。その結果、抗生剤が発見され、菌は繁殖の機会を減らしました。しかし、腸内細菌は、人に病気を起こさないために、みつかりにくいのです。
腸内細菌は、人の健康を守る大事な環境を提供しているわけですが、発展途上の学問分野で、未解決な問題が多くあります。サプリ業界、機能食品業界など、データの拡大解釈や拡大広告が氾濫している現状があります。