あの時、

別の道を選んでいたら

私の人生はどうだっただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな風に思うってことは

 

その選択をした時に、

自分の気持ちに正直になれなかったり、

恐れから選んでしまったからかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、

やって後悔することはあっても、

やらずに後悔することは

少ないような気がしているのですが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つだけ、

 

あの時、

それを選択して

やってみたかったな、

と鮮明に思い出せることがあって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、仕事のことなのだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が初めて就職した会社は、

たった3人の小さな制作会社で

社長と、営業の男の先輩と、

デザイナーになりたての私、の3人。

 

3人て。

今思うとウケますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

たいして大きな仕事は来ないけど、

 

人数が少なかったから

デザイン以外の仕事も

時々、遊び半分で

やらせてもらうことができた。

 

 

 

 

 

 

当時、たった一人の私の先輩は、

 

ロン毛で、

いかついスーツを着て、

毎日会社にもサングラスをして出勤し、

香水がキツく、

(エレベーターに乗った形跡が香りでわかる)

あまり、、

普通の会社員には見えない。

 

 

 

見た目はコワモテであったが、

話すと芸人みたい?に

ノリが良くて顔が広かった。

 

 

 

 

 

そんな先輩が、

「あの人は女の子が大好きだから、

お前が行ったほうがいい」

 

と、

あるクライアントに引き合わせてくれた。

 

 

 

 

 

 

その人は

映画の配給会社のプロデューサーで、

 

 

当時は

B級ホラーとかエログロ映画ばっかりを

買い付けていることで有名な人だった。

 

 

 

私の仕事は、

新しい映画が出た時に

ノベルティグッズを提案する、

というもので、

 

 

 

映画にちなんだグッズを探して

映画のロゴを印刷かけて、

納品する、ということをしていました。

 

 

 

 

 

その方に

しょっちゅう会うほど

頻度の高い仕事はなかったけれど、

 

数ヶ月に一回くらいのペースで

打ち合わせに行く度に

奥さんが新しくなっていて、

 

「え、また離婚して結婚したんですか、、、」

仕事そっちのけで

スピード感のある

恋愛・不倫・結婚話を聞かせてもらえ、

 

女好きな様子がとても面白い人であった。

 

 

 

 

 

 

一度、

一緒に飲みに行ったことがあり、

会社を辞めたいとぼやいていたら

 

「辞めたらうちにこいよ。

 俺は自分の部下には相当厳しいが。」

と誘ってくれた。

 

 

 

え、いいの?

映画業界で働いてみたいなー、

上司なら、まじで怖そうであるが。

 

本当に会社を辞めることができたら

やってみたいなー、と思っていました。

 

 

 

 

 

あの時は、

私の人生の

大きな転換期だったのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

その話をして、しばらくして

私は妊娠をしたから。

 

 

 

 

 

映画会社の方には

「うちは出産しても働いている女性が多いから

 子ども産んでも働けるよ」

とは言ってもらったのだけど

 

 

 

当時20代前半で、

私の周りにはまだ

子どもを持っている友達がいなかったので

子育てがどんなものかさっぱりわからず、

 

家族にはしばらく働かない方がいいと言われていた。

 

 

 

 

 

 

家族のサポートが無さそうな状況で、

初めての出産、未知の子育てを思うと

とても新しい世界で働く事はできないように感じた。

 

 

 

 

 

 

とってもとっても残念だったけど、

その仕事は断念し、会社も辞めて

私は初めての専業主婦となるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでそんな話、思い出したのか。

 

 

 

 

それは、

年明けに、

オカルト系のyoutubeを見たら

その人が出てて。

 

 

 

 

久しぶりに拝見した姿は痩せていて、

 

がんを患って、

余命わずかなんだと。

治療もしないから、

もうすぐ死ぬんだ、ということを言っていて

 

衝撃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

その数ヶ月後に亡くなっていたことを

先日知って

 

 

 

過去のいろいろな思いが

蘇ってきた。

 

 

 

 

 

 

あの時、

子どもを産んだ後も

私は働きたかった。

 

 

でも、

心配する家族に遠慮し、

自分の中の恐れを選んでしまったんだなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当は、私はどうしたかった?

 

 

 

本当は、夫にも協力してもらいながら

新しい世界に飛び込んでみたかったんだ。

 

 

 

 

もしかしたら、

辛くてすぐ辞めちゃったかもしれない。

 

 

 

 

 

それでも、

その時の「やってみたい!」って思いは

心に残ってしまうんだよね。

 

 

生まれた感情は蓋をして

見て見ぬふりも消えないもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が経っても、

消えることは決してないんから

 

 

 

 

 

 

やりたいと思ったら

「やる」のが一番。

 

 

 

 

失敗とか

うまくいかないことが怖い時もあるけど、

 

 

 

どうせする失敗なら、

早くしたほうがいいって

最近本当、よく思います。

 

 

 

やりたい!と強く思ってたことでも

実際やったらそんなに楽しくなかった

ってこともたくさんあるもんね。

 

 

 

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