Maybe,someday.


学生に戻って1年、比較的家にいる時間が長くなったので、レポート作成やテスト勉強のほかにも、本を読む時間が増えた。


それほど多くはないものの、ここ1年で読んだ(教科書以外の)本を並べてみた。


30冊と思いのほか多くはなかったけど、これははずしたと思った本も僅かで、ほぼ買ってよかったと思える本だったと思う。




この1年に限ってみれば、このうち11冊が辻村深月のもので、もはやフィーバーと言わざるをえないし、今でも「僕のメジャースプーン」と「名前探しの放課後」は素晴らしい作品だと思うけど、ちょっと最近題材や文脈が画一的で飽きてきたかも…。


単に読みすぎただけかもしれないけど。




森見登美彦や万城目学は同じように変態ファンタジー街道を突っ走りながらも、毎回発想が奇想天外であり、見せるものが違って楽しい。




森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」は淡々と読み進めていったはずなのに、最後でボロ泣きしてしまい自分の中で名作扱い。


「宵山万華鏡」も、京都の宵山の夜に引きずり込まれそうな摩訶不思議な雰囲気で、ほろ酔いしたかのような気分で読んだのを覚えている。




万城目学「偉大なるしゅららぼん」も、変てこなストーリーながらも、スピード感と躍動感のある展開で意外にも爽やかで切ない後味を残し、個人的に「プリンセス・トヨトミ」を超えた。


これは滋賀をテーマに扱っていて、かくして「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」(京都)、「鹿男あおによし」(奈良)、「プリンセス・トヨトミ」(大阪)、「偉大なるしゅららぼん」(滋賀)と続いた万城目作品は関西2府2県を制覇。


あとは兵庫と和歌山で関西制圧かと思うと、次はどこだとワクワクしてしまうが、「かの子ちゃんとマドレーヌ夫人」のように、かわいい作品を創り上げることのできる人でもあるだけに、出てくるもの全てに期待をしたい。




時にはミーハーなのもいいと思って買った池井戸潤「下町ロケット」は、作家本人が直木賞受賞時、東日本大震災で被災した人々の励ましになればと語っていた通り、今日本が一番望んでいるであろう「希望」の二文字を思い起こさせてくれた。


ストーリーは中小企業のものだけど、それに限らず“在り方”について考えさせてくれる作品じゃないかな。

よくよく考えてみれば大胆な展開の仕方だと思うけど、男性作家らしくサクサク進んでいくストーリーが、飽きを遠いものにしてくれてすごくよかったと思う。




奥田英朗も初めて「我が家の問題」で手をつけてみたけど、人間の心情が的確に捉えられているようで好きになった。


ので、この間、同じような文庫本の短編集「家日和」を買ってきた。


今後読む上で増えていくかも。




次の1年はどんな本と出会えるのか、楽しみ楽しみ^^