こうした現代における未曾有の状況であればこそ、ここに積み上げられてきた歴史はその意味を持ちます。
起きてしまっている絶対的な事実の前に、被災者の方の気持ちを理解しようなどとおこがましいことは言いません。
ですが、過去幾多の歴史の中で、喜ばしいことも悲しいことも踏まえて受け継がれてきた言葉であれば、もしかしたら被災者の方のみでなく、多くの人の気持ちに届きうるものとなるかもしれません。
完全なる自分のセレクトですが、一つでも何かしらの励ましになるものがあれば幸いです。
そして後半部分は、自分も含め、現在においては恵まれたと言うべき人への教訓めいたものを並べています。
今この時を含む今後の態度こそ、本当の意味で日本人が日本人たる所以を示す機会となることでしょう。
・涙とともにパンを食べた者でなければ人生の味は分からない。 ゲーテ
・寒さに震えた者ほど太陽をあたたかく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る。 ホイットマン
・忍耐は全ての扉を開く。 ラ・フォンテーヌ
・忍耐とは希望を持つ技術である。 ヴォーグナルグ
・いつまでも続く不幸というものはない。じっと我慢するか、勇気を出して追い払うかのいずれかである。 ロマン・ローラン
・不幸せを治す薬は、ただもう望みより外にございません。 シェークスピア
・出る月を待つべし。散る花を追うことなかれ。 中根東里
・あなたの顔を日光に向けよ。そうすればあなたは影を見ることができなくなる。 ヘレン・ケラー
・時間がそれを軽減し和らげてくれないような悲しみは一つもない。 キケロ
・求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門をたたけ、さらば開かれん。 『新約聖書』
・汝に最も近き義務をなせ。それが義務であることを知っているが故に、第二の義務はその時既に一層明瞭になっているだろう。 カーライル
・行為とは人が己の姿を写す鏡なり。 ゲーテ
・我々の最大の災害は我々自身より来る。 ジャン・ジャック・ルソー
・過って改めざる、これを過ちという。 『論語』
・人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なく、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基。 徳川家康
・傲(おご)りは長ずべからず、欲は縦(ほしいまま)にすべからず、志は満たすべからず、楽(たのしみ)は極むべからず。 『礼記』
・貪欲は必ず身を食う。 『源平盛衰記』
・今日は人の身の上、明日は我が身の上。 『狂言記』
・私達は他人の不幸に堪えられるだけ充分幸福なのである。 ラ・ロシュフコー
・自然に帰れ。 ジャン・ジャック・ルソー
津波による災害、原発による放射能汚染、生産拠点壊滅による産業の停滞と並行していくつもの問題が起こっていますが、それが落ち着いた後はもちろん、今この時からよりよい方策と、今後にどう生かしていくかを考えなければいけませんね。
まず原発被害の押さえ込み、被災者の方の支援体制の整理、仮設住宅やライフライン・インフラの復旧整備の後、原発を推進してきた国の原子力行政のあり方、再三の安全対策への提言に耳を傾けてこなかった東京電力の責任、医療的・金銭的な保障の具体的内容等、一人ひとりが考え、意志を示すことが必要だと思います。
・賽は投げられたり。 シーサー