Diary of soldier -3ページ目

剣三郎が行く

第四話 夜望町

 夜を望む町。普通に読んだらそうなるよな、うん。え?俺はどう思うって?..まぁそれでいいんじゃね?
「着いたか、当たり前だが前に来た時と変わっちゃいねぇなぁ...。いや、一昨日なんだけどね。」
そう、ここが俺たちの町、“夜望町”。別に田舎でも大都市でもない、実に中途半端なところだ。ま、空気もうまいし生活にも困らない程度に店も揃っているからな。
「よぅ!筒井の兄ちゃんじゃねぇか!えーと...あぁ、顔からして剣三郎だな。」
ひ、ひでぇ..。いや、理屈はあってんだけどさ...。
「八百屋さんよぉ、顔で決めることはねーだろう...。」
「すまねぇすまねぇ!ガッハハハハハハ!!」
「うるせぇからあんま笑わないでくれよ。変わっちゃいねぇなアンタも。」
変わってたら面白かったのにな..。って思った俺なのです。
「で?何を買いに来たんだい?」
「何も買わないよ。」
「冷やかしはやめとくれよぉ!」
「いや、アンタから声かけてきたんだろ...。」
「まぁ、じゃぁな~!」
とりあえず適当に返事しておくか...。さてと、とりあえず茶屋へ行くか、それともコンビニへと行くか。まぁ近いほうから行くか。
「あれ?剣太郎か?」
現れたこの男の紹介をしておこう。彼の名は筒井剣太郎。親戚からとある事情で譲り受け育てるようになった、って剣一さんから聞いたな...。歳は18で俺とは二つしか変わらない。ルックス?まぁ...まずまずってとこだな..。本当だ!
「ん?剣三郎じゃねぇか!はははは!久しぶりだな!」
「いや、昨晩も一緒に飯食ってただろうが。てか俺にあんまツッコみ要求するな!朝から疲れる!!」
そう、俺は一家の中で見事なツッコみキャラに仕立て上げられてしまっていた。
「気にすんなよ!な?でさ、どこ行くんだ?」
「別に予定なんかありゃしねーよ。」
「暇なやつだな~。」
少なくともいつも朝からブラブラしてるお前だけには言われたくない台詞だ。
「茶屋に行くんだよ!お前も一緒に行くか?」
「いやぁ、お前と二人は遠慮しとくよ。」
悪かったな、俺で。
「あっそ、じゃあな~。」
一緒にいると楽しいがハプニングに巻き込まれる可能性大なのでここは避けておこう。
「あれ?でもそういうの起こったほうが物語は作りやすい気が...。」
まぁ、いいや。

                     続く

剣三郎が行く

第三話 外出

さてと...脱出だ!!
「あ、あのさぁ剣一郎?俺ちょっと....。」
そう言った瞬間、また扉が開き、何者かが入ってきた。いや、家の人に何者かって言い方はないよなぁやっぱ。まぁそいつは置いといて..。
「お!剣じゃねぇか!やっと起きたなクソガキ!」
そう、またもやネーミングセンスがどうかしているやつだ。まぁ大体は展開を予想できたと思いよ、うん。
「なんだ父さんと剣三郎のおじちゃんだけか、じーちゃん達は?」
どうでもいいが、兄弟の剣一郎の息子であるがために俺は剣が物心ついた時から『おじちゃん』という形で呼ばれている。まだ二十歳なんだし『お兄さん』でいいじゃないか、と俺は言い出せずにいた。
「剣よぉ、大体お前も察せるだろ?修行だよ、いつも通りさ。」
そう適当な返事をしておく。
「おじちゃんは修行しないの?」
「はい、おじちゃんは、修行はしません!戦争があるわけじゃあるまいしな。」
そうだ、そんなことあるわけがないんだ。
「でも剣一さんはちゃんと修行しとかないと早くに死ぬっていつも言ってるじゃん。」
ちなみに剣一っていう人は俺の祖父にあたる人物である。
「死にはしねーよ、俺は孫に囲まれて安らかに死にたいよ。だからそれまでは死ねねーんだよ。」
肯定したくはなかったのでとりあえず思いついたことを言ってみた。
「ふーん、その前に結婚できるといいよね。それじゃ、遊びに行くからじゃぁね~。」
ク...クソガキがぁ..。まぁ俺とも七つしあ違わないからあまり言えないんだが....。
「さてと、俺も出かけようとするかな。」
今の台詞は俺じゃない、剣一郎だ。あいつは俺の心を読み取ったのか!?という根拠も何もないどーでもいい仮説を挙げておく。
「いってらっしゃ~い...。」
あぁ、暇になってしまったな。とりあえず俺も出かけるとするかな..。
「まぁ、その前に歯磨きとかしなきゃならんな。」
それから約10分後、身支度が整った俺は、特に目的もないまま財布と携帯電話を持って家を出る。
「うーん、どうしようか。...とりあえず街へ行こうかな。」
快晴の空を見上げながらゆっくりと街へ向かって俺は歩いた。

                      続く

こりゃぁww

こりゃぁ笑い死ぬわww

見てみりゃわかる人はわかるw

剣三郎が行く

第二話 休日の朝

 扉が開き、中に入ってきたのは...。
「なんだ?お前らまだいたのか?さっさと仕事へ行けや。」
そう言ってきたのは俺と剣二郎の兄、筒井剣一郎である。思ったんだが、俺たちの父親はなんでこんなシンプルすぎる名前にしたのだ...。まぁ、いいけど。
「今日は仕事は休みだよ、なぁ剣三郎。」
今の俺にはその台詞は嫌味にしか聞こえない...。
「おい、剣二郎。俺はいま就職活動真っ盛りなんだよ!だからそれ言うな!イラッとする!」
「わかったわかったあはははは...。」
コイツ...人を苛めて楽しんでやがる...。
「あれ?てか、父さんと剣一さんは?」
剣一郎があたりを見回しながら言った。
「たぶんあの二人は山で修行してんじゃね?剣一郎も行けばいいじゃん。弱いんだし。」
剣二郎がコーヒーを啜りながら剣一郎へ向かって言い放つ。
「だから、お前そういうのやめろ...。ったく、口が悪いんだからなぁ..。」
「口は悪いけど顔はいいよねぇ..。」
「剣三郎...お前男が男へ向けて言うか?しかも兄弟なのによ。相変わらず気持ち悪ぃな、二十歳になったのによ。」
またもやキツイ一言だ。
「なんで兄弟の中で俺だけイケメンじゃないんだよ、お前ら俺の細胞奪っていっただろ..あれだ、イケメン細胞!」
 剣三郎が声を張り上げて言う。
「んなわけねぇだろ。歳離れてるし。」
「そうだよ、そうだよ。俺らがイケメンだからって嫉妬すんなよ。」
 なんか剣一郎に言われるとイラッとするな...。
「でも剣一郎は長男なのに一番弱いじゃん。」
「弱いって言うな!俺はな..幻の黒い翼が復活すれば一番強いんだからな!!」
またすぐに見え見えのはっきりした嘘をつく...。
「あのなぁ、前は第三の目とか言ってなかったっけ?もうやめようぜ、そういう嘘。」
「....。わかったよ...。」
剣一郎は立ち尽くしたまま黙り込んでしまった。
「じゃぁ俺行くわ。」
剣二郎がコーヒーを飲み終え、立ち上がって言った。
「あれ?仕事はないんじゃないのか?」
「街にちょっと用があってな、今日は遅くなるかもな。」
剣二郎は靴を履き、いつもの刀を二本腰に差し、玄関から出て行った。
「あいつ、行ってきます。って言わなかったぞ?」
「まぁ、いろんなことにルーズだからな。剣二郎は。」
居間には俺と剣一郎の男二人ののみ、さて、このむさ苦しい空間をどう脱出するか...。

                     続く

剣三郎が行く

第一話 「筒井剣三郎」

 人々が苦しみ、嘆き、そして死ぬ。“暗黒の時代”そう呼ばれた世が終わり、約七年。世界は平和へというゴールへ向かい走り出そうとしていた。しかし―――――。
 ―――剱の国。大きな大陸の中の南東に位置するまだ発展途上の小さな国。そしてその中にあるとある街、“夜望町”。その町付近の山中に住んでいる一人の若者がいた.....。その名は筒井剣三郎。由緒正しき一族と一部で呼ばれている筒井家に生まれ落ちた男だ。この男はいま......。



 それは、いつもの朝だった。また同じような日々が始まるのか...。正直言って...つまらん。こう言っちゃ悪いんだけどなんか「世界が滅亡する~」とか「悪の組織が現れた~」とか、そういう非日常みたいなものになってほしいよな。いや、人の不幸を喜んじゃダメだけどさ、なんかこう...日常繰り返してちゃ物語にならないじゃん?というわけで、非日常、始まりましょう!!
「いや、始まらねーよ。」
「え?」
朝食を食っていたら前にいた二十代半ばと見られる男性がツッコんできた。
「だから、そんなの始まらねーって言ってんだよ。」
「なんでよ、物語になんねーじゃん。」
「ギャグ中心の物語ならよくあることだろうが。日常を面白く表現しろっちゅうことだよ。」
「俺たちにそういうの求めてんのかね...。俺はもっとドガーン!とかバギャーン!とか、そういう戦闘シーンが欲しかったのに...。」
「まぁまだ知らされてねーからな。事の成り行きに任せて俺たちは過ごしていこーぜ。ってかさっさと俺の紹介始めろよ。」
「あぁ、すまねぇな、剣二郎。」
 そぅ、この会話している男は俺の兄、筒井剣二郎。二十歳の俺が言うのもなんだが..。弱冠二十三歳という若い男性だ。顔立ちは良く、喧嘩も強く、人望もある。俺と違って実に恵まれた男だ。まぁ、俺もそんな兄貴が好きだからいいんだけどな!
 「そういえばさ、みんなどこへ行ったんだ?」
剣二郎が言う。
「さぁな、あれ、今は何時だ?」
見ると、壁の時計の針は9時と10時の間を指していた。
「ってことはそろそろ起きてくるか..。」
そう言った直後、扉がガラッと開き、一人の男が現れた。

                     続く