普通の私大理系受験に向け準備していた生徒がいるとする。

 

英語、数学、物理や化学、試験科目はそれなりに自信を持てるようになってきて『医学科受験してみようかな?』という生徒。

 

この時に少しだけ立ち止まって考えてみた方が良い。

 

医学科というのところは少しだけ変わっていると思う。

 

 

一般的には法学部を出たからってほとんどが弁護士になるわけではない。

公務員になる人、民間企業に勤める人、さまざま。

 

工学部や理学部だって、ほとんどの人が同じ職種につくというわけではないと思う。

 

しかし、医学科の場合、卒業するとほとんどが医師になる。

一部、違うことをする人もいるが、ほとんどが医師になると思う。

 

6年間も大学に通い、その後には研修もある。

長い学びが待っているので、医学科は『とりあえず』という選択には向かない。

 

次に学費面。

もし一般入試で早慶レベルに合格できる学力があれば、私大であればどこかの医学部に受かると思う。

なぜ、歯切れ良く『受かる』と言えないかと言うと、過去の『性別』『年齢』のことに始まり、『面接』『小論文』と学力試験以外の不確定な要素が多いから。

 

小論文も書ける、人物的にも面接で問題になることはない、ということも前提。

その上で共通テストで85%程度以上を確保できれば国公立医学部も十分狙えると思う。

しかし、首都圏の自宅から通える国公立医は東大同等以上の難易度と考えた方が良い。

早慶と東大が同じ難易度ではないし、首都圏の国公立医は簡単ではない。

 

なので、早慶レベルの生徒が医学科受験となれば、基本的には地方の国公立医学科か首都圏私立医学科となるのではないかと思う。

もちろん、小論文、面接、共通テストを浪人生達と競えるぐらいに仕上げたとした上での勝負になる。

 

そして、地方国公医なら一人暮らしになるし、首都圏の学費が安い私立医でも諸々入れれば2000万以上になるはず。

 

親もちょっとだけ身構える。

『工学部に行こうかな』『経済学部を受けようかな』と子供が言い出しても動揺しないが、『医学部受験しようかな』は動揺する。

 

なぜなら、国公立医学部に縁がなければ、私立医学部の学費を出してあげられるか?という問題にぶち当たるから。

 

国公立医学部に合格したとしても、自宅通学出来なければ

学費+家賃+生活費+(高学年になれば車)と自宅通学の私立医と変わらないぐらいかかることもあるだろう。

 

 

親が『医学科も良いんじゃない?』と口に出してしまえば、もちろん、学費も含めて応援しないわけにはいかなくなる。

 

子供が二人。

一人は東京で一人暮らしの4年制理系大学、もう一人は地方国医で6年間。

こんなケースはザラじゃない?

 

理系は大学院へ行く生徒も多いし、学部の学費も高め。

そこに一人暮らしが絡んでくるともう大変。

その上、子供が複数だとさらに大変。

 

 

結局は、医学部受験とお金の関係は密接になっちゃう。

 

 

たくさんお金をかけたって、子供達がそれに見合うリターンを受け取れる保証も無い。

 

 

話は戻るけど、早慶に一般入試で合格できる学力があっても、そこからさらに小論文や面接の準備をして、『性別』や『年齢』、『卒業生の子弟』とか、私立医受験ではこちらから見えづらい要素が入り混じることもあるかもしれない。

受かったら受かったで学費は高いし。

首都圏国医はといえば、共通テストも高得点が必要だし、偏差値は東大並みに高いし。

 

医学部への進学を早い段階から決めているのなら、学力を上げるか、お金を貯めるか。

一番シンプルなのは東大レベル以上の学力を身につけ、家から通える国医に合格すればよい。

 

でも、医学部医学科受験は、ほかの学部とは入試準備の部分と就職の部分が少し違うと思うよ。