テント③行ってまいりました!ちょっと私午前中学校だったりして、お昼がアレとかいろいろな事情でバタバタしてしまって、お知り合いの海月さんともそんなに連絡をとることが出来なくて一部の方としかお会いできなかったんですけどあの広い会場にいた海月の方々、素敵なライブを共有できて本当に良かったです!海月で良かった!
で……別に自分の感動を書きとめる為だからそんな文章とか凝ってもお金になるわけでもないし意味はないんですけど、一ファンが書く形のライブレポってどんな文体が一番面白くて自然なんだろうって模索してたんですけど、語り口調がやっぱり一番な気がしたのでうざいかもですが敬語の語り口で書いてみます。自分の心情とか印象しか支えがないですから。セットリスト覚えてる方ってすごいよなぁ……私、ライブ終わった頃にはもう記憶ごちゃごちゃです。なのでよそ様で今回も確認(笑)
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冷たい冷たい雨で、ゆっくりと花を落としていた桜もいよいよ散り急いでいました。2012年4月14日、特別なこの日の千鳥ヶ淵は時折雨粒が横殴りにかかってくるくらい、思わず笑ってしまうような土砂降りでした。Plastic Tree「青の運命線最終公演 テント③」は、今回のツアーの最後を飾るものであり、四度目の武道館という実績は誇らしいものでもあったのですが、なんといってもこの日は体を壊してツアーをキャンセルせざるを得なくなっていたケンケンが復帰して彼の手でドラムを叩いてくれる、そういう嬉しい日でもありました。しかし昨日までの暖かさが嘘のような雨で、道中は勿論、金欠でもお財布を出さずにはいられないグッズの為に長蛇の列に並んでいる最中も気が滅入りそうな寒さでしたがきっと雨男が絶好調なのだろうと解釈すれば雨も演出にさえ思えてきます。Tシャツが欲しかったのですが、三時にもならないうちでしたのに売り切れという人気の程でしたがパンフレットを買ったので思い出のよすがはちゃんと手にしました。以前ライブで知り合った優しい海月さんと合流し、そのお友達の方の車にご厄介になって雨を凌がせていただきました。思いやりの気持ちがとても有難かったです。開場前に一足先に私は列に並びに行き、FC旅行で知り合った別の海月さんと連絡をとりつつまだ会えずに入場となりました。入り口から入った正面の壁には送られたお花が華々しく並んでいました。
私の席はアリーナのA3ブロックで、実はかなり前の方だったのですが初めチケットを見間違えていてA2ブロックに陣取ってしまいそこの席の海月さんに迷惑をかけてしまいました。そそっかしくて恥ずかしいです。それはともかく、連絡をとっていた海月さんは一階の西ブロックだったので上と下からお互いに見つけられて手を振るなんて、大きな会場の中だと猶更楽しい再会を果たしました。
舞台にはたっぷりとした半円に「テント」が迫り出しています。太い青の縦線が入った天蓋から、白い薄布のカーテンが真っ直ぐの綺麗な襞を作って垂れ落ちているテントです。こう言ってはなんですが、普段から開演が20分単位で押しがちな慣習からすると随分押さずに照明が落ち、18時と少しでもう開演となりました。そして蒼い照明がそのテントを白々と幻想の舞台のように照らしだします。やがてシルエットだけがカーテンに大きく現れます。
低く刻むようにベースの音階が蠢き、青のイメージにぴったりな「痛い青」が溶け出すみたいにに始まります。真ん中から両側にカーテンがするすると開かれていくと、天井から液体が流れ落ちる管にも見える白い布の柱のようなオブジェが幾つも並んだ舞台が姿を現しました。まださながら深海のどよめきのようなSEの余韻が続く響きの中、静かにたゆたう空間です。
そして次は聞き覚えのない、ところが耳にすっきりと心地よく流れ込んでくる新曲。後で発表があったのですが、「くちづけ。」という真っ直ぐなタイトルの曲らしいですが、メロディーラインがとても綺麗で、「ライブ耳が悪い」私でも魅力がすぐに分かるような曲だと思いました。
そして次は静かに重々しい、それでいて激しい「メルト」で、痛いくらいに原色の光が舞台を暴れ回っていてとても映えていました。ヘドバンのしどころもある曲なのに不思議と騒がしくはなくて、深淵に堪えてくる力がありました。
そしていつもの「やあ。 やあやあ。 プラスティックトゥリーです」の、のんびりとした独特の挨拶で場は和んで笑顔が広がりました。「ただいま」と「おかえり」は、まずは武道館でまた会えた記念すべき事実へ。でももうすっかり武道館も板についたPlastic Treeと海月たちです。
どこでやり取りがあったのか実は曖昧なのですが、多分ここで今日の天気について触れたのだったと思います。「天気は?」と首を傾げて問いかける竜太朗さんに、「雨―!」ときらきらするような元気な声音で答える海月たち。一斉に注目の集まる正さんは両手を高く掲げて破顔していました。満面の笑顔で「今日を境に開き直って行こうと思います!」と清々しく言い放ちました。熱狂する海月たち。最高のやり取りだったと思います。開き直ってくれると私も嬉しいです。やっぱり今日は絶好調だったのだと確信しました。豪雨の日は絶対に良いライブが観れるのだと思い今後も期待に胸躍らせて馳せ参じようと思います。
「エとセとラ」でどんな前置きを言っていたか残念ながら記憶が飛んでいるのですが、真っ青な夜の情景の中に細く黄色い月が覗いていました。曲が進むにつれてだんだんと黄色くぎらつく表面を剥き出していく月。月と欺瞞はなぜか結びつきやすい気がするけれど、自分で勝手に高めてしまう悲嘆へのアイロニーがまた寂しいこの曲は余計な飾りがなくて心に真っ直ぐ届きます。表面上は静かだけれど中に感情の波がもがいているような、そんな選曲が続いた印象です。それは更に次の「讃美歌」で、透明に研ぎ澄まされて溢れ出し、寂しさを浄化してくれます。オブジェの筒が真っ赤に照らされて泣き腫らした目と結びついて、歌の一つ一つの世界観とちゃんとすべての要素が共鳴していました。
そして次は今回のツアーの主役といって良い「静脈」でした。実をいうと、CDで聴くとさらさらと流れていってしまうような(考えてみればそれも血管めいているのですが)淡い曲調に感じていたのですが、生で聴いてみると胸に流れ込んできて訴えかけてくる、力のある曲でした。演出で際立っていたのは、燃え上がる蒼い炎です。何度も吹き上げる蒼い炎が静謐の熱を体現していて、目を引き付けられました。あれだけ大きな会場だと、勿論メンバーの姿は追うのですが折角なので工夫された演出を一つたりとも見逃したくないのでなるべく舞台全体を見るようにはしているのですけれど、それでも特に意表を突くので自然と目が行ってしまいました。
今回の冬は全く風邪をひかなかったという竜太朗さんですが、「微熱の曲をやります」と演目に繋げます。「37℃」は、傘に隠れてひっそりと深められていく想いが、外では雨が降りそぼる中今じゃ「テント」に匿われていることと相まってなんだか一際優しく染み渡る気がします。セットリストはどうやら今回のツアーの他所とそんなに変更はなかったそうですが、私はこの最終公演が初めてでしたのでどの曲も新鮮な感動を覚え易かったのかも知れませんが、本当にこの日にぴったりだったと思います。
そんなことを感じましたが、何も天候ばかりが関係あるのではなく、青のイメージの強い「蒼い鳥」も澄み渡った空色でテントを寂しいくらいに明るくしていました。「雨が降った」ところでは余計に寂しくなりますが、それまでは舞台奥に眩しい陽射しに映える緑の揺れる窓際が映っていてとても穏やか。そしてそのまま「ガーベラ」に続けば今度は鮮やかなガーベラの花が舞台を飾り、「別に嘘でもいい」の晴れやかな明るい諦観によく似合っていました。別に嘘でもいい――このフレーズが私は当時から大好きです。嘘だっていいのではないでしょうか、色々。
さて、ここで次の曲への前置きが入ります。「手を叩く準備、できましたか?」と手を翳して会場の反応をきっちりと確認する竜太郎さん。皆準備万端、さぁ小気味よく「うわのそら」が始まるかと思いきや、明さんが笑いながら言いました。
「ごめん、なんかさ、PCごきげんななめなんだよね!」
そこで会場が凍りつく――のではなくてどっと笑いが洶湧しました。トラブルも怖くありません。「直すからちょっと二人でつないでてよ」と竜太郎さんとケンケン(彼の場合は「さん」をつけると響きとして違和感があるので、愛情の限りをこめて「ケンケン」で通させて頂きます)に任せる明さん。しかし繋ぎのトークを考えるまでもなく、PCはすぐにご機嫌を直したので「機嫌を直したPCに皆さん拍手拍手ー」とPCもメンバーのように擬人化してしまう竜太郎さんでした。そしてうきうきと始まる「うわのそら」で、会場中を疾走する多色の光線の中はねてはねて手を打ちつける海月たち。竜太郎さんも歩き回って調子を合わせつつ更に盛り上げて、これ以上はないほど一体感が高まります。
そしてゆったりと前奏を引き出して、青空に投げ出される如く「藍より青く」で、何もかもが澄み渡っていくようでした。よく脇に竜太郎さんと正さんは躍り出てきてくれて、一緒に手を動かすよう煽ってくれたり、歌うようにさせたりしていましたがこのときは特によどみなく心が通い合うような感じがしました。気持ちの良い笑顔が見えるのはとても幸せです。
さて、ここまで激しいけれど透明感のある曲で進んできましたが、「そろそろ暴れますか?海月の真骨頂を見せますか?」とうずうず問いかける竜太朗さん。勿論皆まだまだ暴れたりないところなわけで、夜の匂いがするようなギターの前奏から毒々しいほど鮮やかに「デュエット」が始まります。低くうねるようなドラムと一緒に体中を使って、竜太朗さんの動きも美しい。歌詞分析なんて苦手で、言葉や曲調で投げかけられるイメージそのままに受け取るタイプの私の中では勝手に木と蝶の恋物語だと思っている曲なのですが、原色に煌めく濃い光彩とで、本当にとても幻想的でした。とはいっても跳ねたり頭を振ったり手を差し延ばしたりで忙しかったのですが、この曲は本当に盛り上がるし最後は高速で荒れ狂っているので振り乱される髪やら手やらもひっくるめて陶酔の極みの景色です。
次はまた雨の日に相応しい「涙腺回路」でしたが、歌いだしを遣り損なってしまっていたようでしたがあとはもう疾走感に任せて降り頻る雨そのもののように力を散らしていきます。そして雄々しい拳と掛け声の呼応で「メランコリック」へとひた走る。絶えず拳を振り上げたり頭を振ったり、長く伸ばした腕を泳がせたりと力のままに、突き抜けるようなメロディーに身を任せて。
ここで、少し思い起こすのは困難とそれを乗り越えての今。ケンケンの病気がいつまでに全快するか分からなかったけれども、それでも「四人でお花見しよう」と、言っていれば本当になる気がしていたという竜太朗さんはそれを「安易な夢」と言っていましたが、それが叶って、幸せを噛み締めることが出来た喜びを託して桜色に燃える「春咲センチメンタル」。語りかける調子。会場を見渡してみると、ライトが後方にまで花を咲かせていて、とても綺麗な春でした。サビでは桜吹雪の特効があり、「舞い散る桜で君の顔が見えなくなる」程に花びらが視界を埋め尽くしてひらひらと舞い落ちてきました。お皿にした掌に降ってきた紙の花びらはちゃんとハートの形をしていて、可愛くて保管したので今もお部屋にあります。プラスティックの木から落ちた、紙の花びらです。噴射の音は大きかったですが、会場に見とれてしまったので私は鈍感なことにそんなに気にならなかった幸せ者です。
そして粛やかに、私はいつも死を連想してしまう「アンドロメタモルフォーゼ」でした。眠っている子供のような存在が映し出され、ハートらしきものを抱いて歌詞を呟いていて、ぬいぐるみがどんどん流れて深淵へと落ち窪んでいくような、あるいは天空に吸い込まれていくような映像が妙に切なかったです。さりげなく猫印が混ざっているのには和んでしまいましたが、「最初で最後 僕らが出会えたこと」って、私はとても好きだけれどじっくりと耳を傾けてしまうと涙が出てきてしまうのです。いずれやってくるお別れと、再会への夢と……だからライヴで同じ時間に同じ場所で一緒に命を輝かせられることが、哀しいほどに嬉しくなります。そして、滔々と星を連ねていくように激しく演奏を続けて本編は終了となりました。
少ししてアンコールに呼ばれ、ライヴTシャツで現れるメンバーたち。それぞれのトークがやっとじっくりと聴けます。「誰の話を聞きたいですか?」の問いに時々名前が入り乱れるので聞き返すなんて場面もありましたが、明さん、正さん、ケンケン、竜太朗さんの順となった気がします。。明さんは開口早々、観客を「ダメ人間ども」と愛の辛口で貶しつつ自分たちをもっとダメ人間として「集まってくれてありがとう」という流れでしたが会場は大いに湧きました。力の抜けた辛口はもう名物です。この日明さんは一際いぶし銀の男っぷりでしたが、そのまま終らせてしまおうとするともっと話して欲しがる海月たちにちょっと狼狽しつつ嬉しそうでした。
さて、次はリーダーへとバトンタッチ。静かにあっさりとした語り口なのに、「心配をかけてしまいましたけれど……良くないことなのかも知れませんけど、大変なことを乗り越えてこうやって素敵な景色を見ているっていうのは、凄くいいことだなって」といったようなことをしみじみと話していました。
そして次はケンケン。じっと胸の中に育ててきた想いを打ち明けるように、大きく「ただいま!!」といえば、一斉の「おかえり!!」が帰ります。モニターを見ないと表情はよく見えない位置ですが、アップに映し出される顔は本当に本当に嬉しそうで、胸がいっぱいになりました。ケンケンはなんて眩しいんだろうと思います。ケンケン、本当に愛されています。訥々と、「言葉が出ないんです…… 嬉しすぎて言葉がありません。言葉は出ないですけど……ドラムで返していきますばい!」と、少し私の記憶は曖昧なのですが熱い言葉を一生懸命に投げかけてくれました。「僕は湿っぽいのは嫌いです。笑いのほうが好きです。だから笑顔で……笑顔で、泣いて下さい!」と、むちゃくちゃだけれど素敵なことを言えば誰もが笑いながらも感動でいっぱいの歓声。そして何より嬉しい言葉を聞けました。「一生尽くしていきます!」と、力強く、魂の底から言ってくれました。少なくとも私はそう感じました。今までドラムの方が変わってきていて、その度に不安を覚えつつここまできたわけですけれど、ケンケンはずっと一緒にいてくれる気がしました。隆さんのときも、ササブチさんのときも、大好きでしたが、やっと安心して良い気がします。「次は激しい曲なんで……あの、皆もこういう感じでっお願いします!」と頭をカクカクとゆすってヘドバンを表現する姿がまた愛らしいことこの上ありません。
そんなこんなでなかなか終われないMCでしたが、「名前呼んでもらっていいですか?」と素直に求める竜太朗さん。「ここが僕の全てです」と、ライヴの時間への、空間への想いを伝えてくれました。こう言って貰えるより嬉しいことなんて、ファンにとってないのではないでしょうか。最上の時間を創り上げて分かち合える関係です。
そして「ぶどうかーーん!!!」と叫んだそのときです。「でもさ……」となにかを言いかけ、完全にタイミングがぶつかった正さんでした。どっと笑い声が爆発します。「感動のね、タイミングがね、かぶったんだよね!」と続けつつ、とても暖かでした。なんて楽しいんでしょう。なんだかそのまま和気藹々になってしまった二人に、「おたくら何やってるんですか」と大人しい突っ込みを入れて更に会場を笑わせてしまう明さんです。「ずっと待ってるよお客さん!唇蒼くなってきてる人とかいるよ?!」と、それは元々蒼く塗ってきた人がいるに違いないのですけれど、もう笑いを止まらせる気はないようでした。そして、折角なのでなぜか四人で「ぶどうかーーん!!!」「おおーーー!!!」の激烈な呼応をやってみます。
そして曲に入ろうとするけれど、明さんは忘れていませんでした。「あなた、罰ゲームでウェーブやるんでしょ」と、あの約束を思い起こさせます。忘れていたという竜太朗さんですが、私も忘れていました。
ウェーブといえば、昔PIERROTのライヴに行った頃は武道館や横浜アリーナで壮大に前方からウェーブをやったものですが、竜太朗さんは完全に我が道を行っていました。「じゃあ、そっちの貴女から。貴女ですよお嬢さん」と、二階席の辺りに念を押します。上手から下手へという斬新なウェーブです。「僕が手でこうやってやるんで、合わせてください」と、片手一つに全員が合わせるべしと高度な要求をします。「ウェーブ開始!」とわざわざ言うところが何とも独自でした。一度目はばらばらになってしまいましたが、「練習ということで」ともう一度。アリーナだけにやらせてみたりもして、「さざ波ウェーブ~」と、完全に遊んでおりました。罰ゲームになっていません。最終的にはうまくいったようでしたが、こんな場面も楽しかったです。
そしていよいよヘドバンがうねる「ヘイト レッド、ディップ イット」で心地よい暗鬱さの中に熱狂の嵐が吹き荒れます。妖しく、切なく、激しく空間が夜に浸されていきます。
そして軽快なドラムで心を騒がせる「puppet talk」で熱は頂点へ。右手を左手を、素早く突き上げてお祭り騒ぎ。物憂い歌詞にもふわふわと繰られて踊ります。このとき漸く下手にも明さんが来てくれて、顔をよく見れて、本当に嬉しかったです。
力を出し切り、四人で前に並んで座る光景は忘れられません。「ありがとう」を伝えられる限りの方向に投げかけていく彼ら。きらめきでいっぱいのテント。「ありがとう!」「またね!」とマイクを使わず叫ぶ竜太朗さんでした。関係ないけれど、グレイの生地に蒼い静脈の走っているTシャツに染みた多量の汗が最早一体の模様となっていてなんだか凄かったです。
メンバー退場後は、早速今日の映像が使われた素敵なエンドロールで終わりを彩っている……と思いました。ところで、デザインを手掛けている方は女性の方だと思うのですが、この素敵な空間作りに大きな貢献をしていらっしゃる方だと思います。「心のオアシス 猫印。」と出ていましたが、今日は猫印くんはアンドロメタモルフォーゼにちょっと出演していただけでした。私の近くにいた方が猫印のコスプレをしていましたけれども。
そして、歌詞と一緒に歌う竜太朗さんの唇が写され続けている、見ようによっては艶めかしい「くちづけ」のミュージックビデオらしきものが流れます。やはり心地よい曲で、6月発売ということなので愉しみにお金を溜めます。
さあ、これでいよいよ夢の空間を心の中に持ち帰る作業か……と思いきや、映像の中になぜか歩いている明さんと正さんが映し出されました。歩いています。広がるどよめきとクエスチョンマーク。まさか……まさか……と、高まっていく期待と不安の中舞台に二人は現れたのです!そのまま黙って静かにギターとベースを手にします。真っ青な空間。静かに、静かに、「――暗転」だったでしょうか。長い間、殆ど動かず、予兆のような響きだけが空間を緊張感で満たしていきます。そして、現れたのはケンケン。黒い羽飾りの仮面をつけて、叩き出したリズムが導いたのは、紛れもなくあの曲でした。
「空中ブランコ」――実は昼間外にリハーサルの音が聴こえてきていたのですが演奏されていなかったので、僅かに疑問には思っていたのですがあまりにここまでが素晴らしかったのでそのことに捕えられてはいませんでした。でも、まさかこんな形で聴かせてくれるなんて誰が思ったでしょう。力強く、哀しげに空気を震わせるリズム。そして、満を期して登場した竜太朗さんの姿は、誰もを瞠目させたパーフェクトなピエロの姿。真白い顔、紅い丸を描いた鼻先、レースが垂れ下がった襟や袖を哀愁をぶらさげて揺らしながら、マリオネットとなって、怖いくらいに切実な道化の声でテントを満たしました。ゆらゆらと揺れる手は蒼い照明の中に再びたゆたい、静かに薄布のカーテンが舞台を閉じていきました。
そしてすぐに日常の蛍光灯色に照明される会場。サーカスは終わってしまいました。おとぎ話のように、抗いがたい不思議の余韻を深く刻み付けて、でも決して視界には捕まえられないあっさりとした終わり方で。
熱狂していた時間の記憶はところどころ曖昧に途切れ、順番が入れ替わったり、案外重要なことを取りこぼしているとは思います。でも、ずっとずっと忘れられない無二のおとぎの空間にいることができました。ありがとう。
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……今朝11時から、勿論ごはん食べたり、色々やってないわけじゃないですけど……あの、ずっとこれ書いてました(笑)勉強しなきゃ…!でも気持ちが日常に帰ってこれないほど幸せな私です。