仲良しだった大庭くん
大庭くんは数学がメチャメチャできて
圧倒的に賢かった
そんな大庭くんとは仲良しで
高校は別々だったけど
休みの日とかは色んなことを語らっていた
そんな大庭くんが言った
『例えば自分のこの指先も、指先の周りにある空気も、この空間にある原子の世界で考えると、何が違うかというと元素記号が違うだけで、どこまでが自分でどこからが自分以外のなのか境目がよく分からない。』
その頃は大庭くんが言ったその言葉の意味がよく分からなかったんだけど、今はよく分かる
最近は大庭くんが言っていたその言葉を頻繁に思い出しては、少し拡大解釈して、どこまでが自分かってのは、自分で決める事ができるんだって思っている
妻も子供ももこの家も
自分がイメージして自分が歳月をかけて手にしたもの
元々頭の中にあったものが物質として目の前に現れたのだ
今自分の手の周りに存在している全ての事柄は
これまでの自分のイメージの積み重ねなんだ
そう思うと
日頃から何をイメージするべきなのか
よく分かる
明るい未来をイメージすること
思いがカタチになっていくんだなって
実感しています
つづく