ここから、胎児の病気と人工妊娠中絶に関する内容がしばらく続きます。読みたくない方は閉じていただきますようお願いします。
他の方のブログで、妊娠12週以降の中期中絶手術については取り扱わない病院が多いと読んでいたので、精密検査をした医療センターがとりあえず押さえられたことに少しホッとしていました。
ここで迷ったのは、妊婦健診を受けていた産院ではできないのか、できるなら産院と医療センターどちらがいいということでした。
さらに衝撃を受けたのは、中期中絶による死産の場合、産休が適用されると言うこと。
妊娠のことすら職場に言っていないのに、中期中絶をすることと、突然2か月近く休むことになることを話さないといけません。
入院の間だけ適当な理由を伝えて休んで、しれっと仕事に戻ろうかとも考えましたが、中期中絶はお産といっしょ、体のダメージも大きいだろうし、何もなかったかのように普通にすぐ働ける気はしませんでした。それに、お腹にいた5か月をなかったことのように振る舞うのは、赤ちゃんに失礼だと思ったのです。わたしだって、つわりを頑張って乗り切った。この子は確かに生きてきたのだと。
産後、夫は普通に出勤していく中、1人で家にいるときにどんな精神状態になるか恐怖ではありましたが、人1人産むんだからこの際きちんと休もうと思い直しました。
産院を受診し、やはり無頭蓋症であったことを話しました。そしてこの産院でも中期中絶手術はできること、費用や入院日程などいろいろな話を聞き、医療センターとの2択で比較表を作りました。
こう読むと、意外と冷静に検討しているように見えますが、こうできたのは同じ思いをした方のブログやYouTubeを見たからです。中期中絶をした人なんてリアルでは知らないし、知っていても聞けたものではありません。辛い中経験を伝えてくれていた方々に本当に救われました。
この場を借りて、心からお礼を言いたいです。本当にありがとうございました
さて、病院選びで比較検討した結果は次の通りです。
費用
医療センター 約55万
産院 約70万
それぞれ無痛分娩にする場合は+10万ちょっとかかることは共通していました。
入院日程
医療センター 4泊5日
産院 3泊4日 経過によっては+1日
一般的には2泊3日の病院が多いと思います。
入院中滞在する部屋
医療センター 個室 1日あたり1万ほど差額がかかる
産院 個室 他の部屋と少し離れた和室になるとのこと
提携葬儀屋の有無
医療センター なし(国立のため)
産院 あり 供養する寺院まで案内あり。確か仏教だった。
面会
医療センター 分娩日のみ コロナ禍のため、通常よりかなり制限されていました。
産院 17時〜18時半のうちの30分 この時間なら入院中はいつでもOK
検査(染色体異常や解剖?)
医療センター しなくて良いと言う意見(NIPTは陰性だし、そもそも無頭蓋症の原因は基本不明とのスタンス)
産院 希望すればできる(お勧め気味だった。77,000円)
自宅からの距離は両方とも同じくらいでした。
…暗い内容の中で少し和んでもらえると助かるのですが、産院を選んだ決め手の一つにおいしいと評判のごはんがありました。
この際、それだけでも食べて目的を果たしたいと言う気持ちが出てきます。笑
こんな時でもきっちり食い意地がはっている自分に、呆れながらも少しだけほっとしました。
不妊治療中、この産院で出産することをずっと目標にしてきたんだから、中期中絶でもお産なんだから、この際産院にしようかなと考えが固まりかけます。
しかし悩みどころは、費用が結構違うことです。
面会は、産院の指定する夕方の時間には上の子のお迎えがあって夫はどうせ来れない時間帯なので、分娩日のみでも時間の制限なく面会できる医療センターの方がいいと思いました。
そして産院の最大のネックは、基本的に「お誕生おめでとう」と言うような雰囲気満載の病院なので、その中で悲しい出産をすることに気後れしてしまうと言うことでした。
医療センターはその性質上、産声の上がらないお産も日常的に経験して、フォロー体制も手厚いのではないかと思いました。そして中期中絶の説明をしてくれた医師に限って言えば、医療センターの先生の説明がたくさんの悲しい経験に基づいたものだったことと、前回書いた「元気で生まれてくることは当たり前ではない。」という話にとても感銘を受けたので、信頼度は医療センターの方が上になります。
提携の葬儀屋がある方が、あまり考えたくないことも任せてしまえて楽だと思いましたが、夫の実家は祭祀事は神道なので合わないなと思いました。
うーむ、悩みます。こう見ると医療センターの方がいいと思えるのですが、本当に呆れるのですがごはんが諦め切れず。笑
夫に、自分ならどうするかと聞いてみたら、あくまでも私が選んでいいと言う前置きをしつつ、自分はごはんにそこまでこだわらないから、費用が安くて体制も手厚い医療センターにすると答えました。
この一言で、医療センターに決めました。ごはんは、この子の誕生祝いを兼ねて後からみんなでいいものを食べに行こうということにして、医療センターに仮予約から実際に処置をお願いしたい旨連絡を入れました。