父の安定期は 半年以上続いた。
しかし、レントゲンにて
肺に水が溜まっていることが判明する。
水が溜まる(胸水、腹水)といった症状は、肝硬変においては中期~末期のものであると調べて知った。
でもそんな言葉がしっくりこない…。
父は元気だったからだ。
お腹には溜まらないけど肺には常に水が溜まるようになってきていた。
1泊2日の入院で、肺の水を抜くこともあった。
食欲がないわけでもなく、便通がまた悪くなったわけでもなく。
ただ、肺に水が溜まるという症状のせいで
少し歩いたりすると息苦しさや疲れやすさを感じていたようだ。
この頃、医師から
体重が増えたら水が溜まってきたのだと思ってほしい、と言われた。減塩の食事も再度指導を受けた。
減塩の食事。
わかっちゃいるけど…あまりやりすぎると父の体力は低下していき、自身でもそう感じているようであった。
『人間から塩を取ったら死んじゃうよ!』といって笑っていたなぁ。
あえて塩辛いものを出すことは無論していないけれども 意識しすぎることもやめた。食べたいものはある程度食べてよい!
そうしないと、彼のモチベーションも下がるし明らかに元気がなくなっていくから仕方ない。
父はうなぎが好物だった。
私が毎月帰るとき、決まって買って帰るうなぎの蒲焼き。これは大きいものを買っていたけど、いつも残さず食べてくれた。
楽しみにしてます、とメールがくる。
よしっ!食欲あるな!と
買って帰る私も楽しみになっていた。
※私はうなぎが食べられないのに
![真顔](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/042.png)
時々、1泊2日の肺の水を抜く入院のほかは
いつも通りの通院と服薬での毎日。
ある日。母から電話がくる。
『入院することになりそうだよ』と。
え?
先週会ったばかり。
元気だったよね?なんでー????
と思った。
血液検査の結果、血小板数が著しく低下しているため、それを上げるための治療で入院するのだそうだ。
血小板数…。
そうか、やはり良くなっているなんてわけはなかったんだな。
入院は1週間ほどになると聞いた。
また彼に退屈な毎日がくると思うと
とても切なくなった。