私はいつもと変わらぬ父の顔色を見て
一安心していた。
ごはん食べてる?薬、真面目に飲めよー!などと話していた。
父がトイレに立ったとき。
何気なく後ろ姿を見た。
あ…足…。
ふくらはぎが いわゆる寸胴な感じになっていた。あれは浮腫みだ、と思った。
父の足はまっすぐで綺麗な足だった。
よく『そんなおっさんの美脚いらないから誰かにあげてやんなよ(笑)』と話したものだった。なので、足首にかけてのラインの変化はわかりやすかった。
トイレから戻った父に
『ねぇ、ちょっと足見せて』と言い
横になって足を見せてもらった。
足の甲まで浮腫みがある。
『これ、いつから?』といったら
少し前から浮腫むんだよなぁと言っていた。
肝臓の病の一般的な進行の仕方は
肝炎➡肝硬変➡肝臓がん
が大半であることは調べて知っていた。
それを調べた時に
あぁ~肝硬変になると浮腫みとか出ちゃうんだなあーと思ったのでよく覚えていた。
肝硬変。きっとそうだ。
肝硬変に進んでしまったんだ。
そう思ったけど
肝炎の段階での浮腫み症状について検索してみた。もしかしたら肝炎でもあるんじゃない?と思って、というよりは思いたくて。
肝炎、浮腫み
こんな感じで検索してみると
どうしても肝硬変についてのページが上がってくる。でも、あるかもしれない!
と願いを込めて何度となく調べたけど
結果は同じで。
肝臓の病では
体の水分排出が困難になることはよくあらしい。検索しながら、父の
『横になってばっかりだから浮腫みがでたのかなぁ~少し動くか!』という言葉を上の空で聞いていた。
そっか。
肝硬変か…。
いよいよ重い病だと認識せざるを得なくなった。
父には肝硬変という言葉はその日は言わずにいた。母にだけ話した。
次の診察ではっきりとわかるだろう。
先生に浮腫みがあること、伝えなきゃな…。
この日、少しでも浮腫みが軽くなるようにと
父の足をマッサージしてから寝た。
もしかしたら違うかもよ?!
私はまだ思っていたんだな、このときは。